9月10日 河出奈都美

3年前に足を踏み入れたコスプレの世界。

その魅力にのめり込み、これまで取材やプライベートを通して関わってきた。

 

そんな私が今回挑んだのは、カメラマン。

いざ会場に入ってみると、コスプレイヤーとして参加するよりもはるかに緊張した。

だって、目の前に「推し」がいるのだから…!

勇気を出して声をかけ、いよいよ撮影スタート。

 

…しかし、ここで訪れる「無言の時間」。

(どうしよう、どんな言葉をかけたら喜んでもらえる?)

焦る頭の中で、とっさに声が出た。

 

「〇〇さん、〇〇さまをお慕いしている感じで、

見つめてもらってもいいですか?」

 

キャラクターらしさが溢れる写真を撮ってもらえた時の嬉しさ。

自分がレンズの前に立った経験があったからこそ出た言葉だった。

 

すると、さっきまでぎこちなかった空気がふっと和らぎ、

コスプレイヤーさんたちの表情に自然な笑顔が浮かんだ。

 

緊張していたのは、私だけではなかった。

同じ空間で、同じ「作品への愛」を共有し、

撮影という時間を楽しむためにここにいる。

そう思えた瞬間、肩の力が抜けて楽しめるようになった。

 

同じ目線からでは、見えなかった景色。得られなかった感覚。

 

ファインダー越しに映っていたのは、

いつものフレームを外すと見えた

私の知らない新しい世界…かもしれない。