1月19日 中野 謙吾

2021年、アナウンサーとして最大のキャリアでもある東京五輪実況を経験した。

思い返せば35歳の時に目標を立て、2018年サッカーW杯ロシア大会、2019年ラグビーW杯日本大会、

2020年東京五輪を自分のアナウンサーとしての集大成にし、全力で駆け抜ける。そう誓った。

 

ロシアではアイスランドとクロアチアの〇〇ソン対〇〇チッチの戦いをムキになって実況し、少しだけ話題になった。

ラグビーW杯では日本代表が初の決勝トーナメント進出の瞬間を実況し、歴史を伝えるという感動を味わえた。

そして迎えた2020東京五輪。1年間の延期、無観客、取材の規制など新型コロナウイルスの影響を受けたが

アスリートの五輪にかける想い、スポーツが人々に与える感動に変わりはなかった。

テコンドーでは日本人初の準決勝を伝えられ、BMXでは呪文のようなトリックを必死で追った。

そしてサッカーでは日本代表初のファイナルをかけた熱戦を延長まで実況した。

どの種目のどの会場にもファンの声援はなかったが戦う選手には日本中の応援する人達の想いが届いていたはずだ。

 

この5年間で満員の歓声飛び交うスタジアムも、無観客で選手達の声が響くスタジアムも両方を経験した。

しかし、そのどちらも選手達の「想い」、日本中の「想い」は変わらぬ強さが確かにそこにはあった。それこそがスポーツの持つ力なのだと思う。

40歳になって今思う事は、「集大成?何言ってる。まだまだこれから。もっともっと感動を伝えるぞ」だ。