11月23日 田中 毅

空前のスケボーブームである。

街を歩けばスケートボードを持っている少年少女を見かけ、ショップに行けば、

小学生くらいの男女が陳列されたスケートボードの前に群がっている。

こんな時代が来るとは想像できなかった。

 

四半世紀以上前になるが、何を隠そう私はスケボーキッズだった。

週末になると都内の公園で朝から暗くなるまで滑り、トリック(技)の習得に明け暮れた。

スケボー片手にダボダボのズボンを腰で履き、ベースボールキャップを後ろにかぶって首にヘッドフォンをぶら下げていた。

スケボーは靴の消耗が早く、履いているスニーカーは常にボロボロ。

綺麗なスニーカーなんか履いていたら「ポーザー(=格好だけスケーターの人)」と呼ばれてバカにされた。

当時の業界はどちらかと言うとアンダーグラウンドな雰囲気が漂っていて、

スケボーショップに入ることも田中少年にとっては少しばかり勇気が伴うものだった。

 

そんなスケートボードがオリンピック種目になり、日本は3つの金メダルを含む5個のメダルを獲得した。

しかも若く、爽やかな選手たちの活躍が目立つ。

東京五輪の前後でスケボーの売り上げも数倍に跳ね上がったと聞く。

スケボーができる広場も増え、スケボー教室でたくさんの子供たちが楽しく滑っている姿も目にするようになった。

スケボーを物置にしまってから25年、気が付いたら日本はスケボー王国になっていた。

そんなブームに私も影響を受けて、先日実家の物置から埃のかぶったスケボーを引っ張り出してきた。

おじさんになった今となっては当時のように滑ることは不可能だろう。

でもスケボーに乗っている時のあの疾走感と、トリックが成功した時の喜びを再び感じたくなってしまったのだ。

部員の皆さん、一緒にやりませんか?怪我に気を付けながら(笑)