8月28日 葉山エレーヌ

夏の風物詩!
梅雨が明けると東京都内では、それこそ降るような蝉時雨を聞くようになります。
近頃は、その蝉のコーラスもアブラゼミの斉唱から、
ツクツクボウシとの合唱に変わってきていますが、
いずれにしても夏生まれの私はこの蝉の声が大好きです。


小さい頃から動物や植物が大好きだった私は、
今でも地面にひっくり返っている蝉を見ると放ってはおけず、
先日も、日本テレビの夏のイベント『汐博』の"アナチラッシュ"というトークショーに出演する際に出会ったアブラゼミを救助し、
そのままステージに一緒にあがってから、桜の木に放してやりました。
仕事直前でも蝉の方が気になってしまうくらい、大好きなんです。
 
 
 
  


そんな蝉に対してみなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
夏の暑さを増大させるような、イヤーな声・・・
あるいは、長年地中で過ごしてやっと地上に出てきたかと思うとすぐ死んでしまう、儚く悲しい命・・・?
でも実際は、アブラゼミの場合は地中で樹液を吸いながら何度も脱皮をして6年間も生き延びて、
地上でも1カ月くらいは生きていられるという、昆虫の中でも長生きなんです。
どうやら成虫の飼育が難しいので、1週間の命というイメージが定着したようです。
私には、虫の中でも長生き、しかも、地中の時間もすごく意味のある、
とても幸せで充実した一生を送っているように感じます。


フランスの南東部、ラベンダー畑でも有名なプロヴァンス地方では、
蝉はCigale(シガル)と言われて、幸運のシンボルとして大人気です。
フランス人である私の母に聞くと、母もフランスのパリなど北の都市では蝉を一度も見たことがないそうで、
南部にだけ住んでいる蝉は、夏やバカンス、太陽を連想させる・・・
日本でいうところの、沖縄の空港などにデザインされている
ハイビスカスのようなウキウキするモチーフなんだそうです。
実際、私の実家にも、30㎝以上ある、大きな蝉の陶器の壁掛けがあり、お守りのように飾ってあります。
フランス人にとって蝉は、忍耐強く、幸せも呼んでくるポジティブなイメージの大事な存在なのです。

 
私にとっては、そんな蝉の一生は、
テレビにうつらない間、取材や勉強をしたり、
アナウンス技術を向上させるべくトレーニングを重ねたりして、
日々オンエアに向けての準備を重ねているアナウンサーと似ているような気がして、
親近感を持たずにはいられません。


アナウンサーになって8年・・・私の脱皮はどれくらいあったのでしょうか・・・。
これからも蝉のように少しずつ成長してまた、
元気にテレビで『声』を届けられるよう、努力していこうと思っています。