3月28日 田中 毅

8年前、初めての海外出張はドイツだった。入社5年目となった2006年、当時は「ニュース プラス1」、今で言う「news every.」の時間帯のニュース番組のスポーツコーナーを担当していた。出張の目的は、4年に一度、世界中を熱狂の渦に巻き込むサッカー・ワールドカップの取材だった。
 そのドイツワールドカップ、初めてスタジアムに足を踏み入れた時に目の前に広がった光景は今でも忘れない。開幕戦のドイツ対コスタリカ、場所はミュンヘンのスタジアムだ。入場ゲートをくぐり、ピッチを見下ろすスタンドへと出ると、まず、すり鉢のような形状に圧倒された。客席から少しでもジャンプしたら、一気にピッチまで落ちてしまうのではないかと思うほどの傾斜だ。さらに驚いたのは客席とピッチとの距離感。タッチラインのすぐそばからせり上がっていく、計算され尽くされたスタンドは、どの席にいても快適にゲームを楽しむことが出来るだろう。声を掛けたら選手が振り向いてしまうのではないかと思うほど近かった。
 サッカーが盛んなヨーロッパ開催と言うこともあり、大会期間中はどの街に行っても、連日お祭り騒ぎ。至る所にパブリックビューイングが設置され、世界中のサポーター達が朝から自分たちのチームへの応援歌と共にビールジョッキを傾けていた。ドイツ大会のテレビ視聴者数は、全世界で延べ263億人とも言われる。ワールドカップは、まさに世界最大規模のイベントだ。そのイベントまであと2ヶ月だ。
 サッカー王国と言われるブラジル開催のワールドカップが近づいてきた。前回の南アフリカ大会で日本はグループステージを突破。その時の立役者である本田選手や長友選手は今やヨーロッパのビッククラブでプレーし、さらには前回メンバー入りを逃した香川選手も日本の中心選手になった。今回の日本代表がこれまでにない程の注目を浴びているのは間違いない。そんな日本はグループCでコートジボワール、ギリシャ、コロンビアと同じ組になった。前回グループステージを突破している以上、日本代表に求められるのはまずは決勝トーナメント進出。日本テレビではグループステージ突破の鍵となるであろう、ギリシャ戦を中継します。6月20日(金)、ブラジル北東部のナタールから歓喜の瞬間をお届けしたいと思います!!