イントロ

心優しき一人のゲイが、恋をした。
ちょっと不器用で、やたら情に厚い男、 波多野玄一。50歳。
「人間は恋と革命のために生まれてきたんです!」
その胸をふるわせたのは、中学教師の作田索。38歳。
だけど彼は、恋にも人生にも冷めきったようなクールなゲイ。
「恋なんていらない。革命はずっと“不革命”。僕の人生はまだズッポリ模索中ですから。」
それでも玄一は、あきらめない。
「だったら……“家”、買いませんか? 2人の名義で。別れるのが死ぬほど面倒になるように。“家”を、僕たちの“かすがい”にするんです!」 恋の告白なのに、なぜか物件購入の打診——
真剣すぎて、どこかバカ。でも本気。
そんなふたりの前に現れたのは、
大金抱えた訳アリすぎる、中学生、
楠ほたる。15歳。 開口一番、こう言い放つ。
「私、あなたを買います。中学卒業までの半年間、親になってくれませんか? 卒業したら、はい解散。3000万円でどうですか?」
恋も家族も人生も、めんどくさいし、ややこしい。
それでもなぜか、ここにいる。
そんなぼくたちん家の、
笑って、泣いて、笑っちゃう、
奇妙なホーム&ラブコメディ、開幕!