古都ボストンは、アメリカ独立のきっかけとなった1773年の「ボストン茶会事件」で有名な港町だ。
17世紀のアメリカは、イギリスの影響で紅茶の方が人気だった。しかし、イギリスがコーヒー貿易の競争でオランダやフランスに負け、紅茶貿易に切り換えたことで事情が変わった。イギリスは紅茶の輸入を独占し、価格をつりあげ、重い税金をかけた。これに怒ったアメリカの人々は、港に停泊していたイギリス、東インド会社の船を襲い、積み込んであった紅茶342箱の茶をすべて海中に投げ捨てた。「ボストン港をティー・ポットにしてやるぜ!」と叫びながら、50人ほどの市民が茶箱を投げ捨て、海は紅茶で染まった。アメリカは、「ボストン茶会事件(ボストンティーパーティー事件)」を機に独立運動をはじめたのだ。
これ以降、アメリカでは紅茶よりもコーヒーを好むようになったと言われている。確かに、ボストンの町は、どこもスターバックスで溢れていた。 ボストン港にある茶会事件博物館(Boston Tea Party Ships and Museum)では、再現した帆船を見学した後、海に茶箱を投げ捨てる体験ができる。ボストンに着いたらまずここに行き、歴史を体験し、その後にボストン美術館を訪ねるのがいいと思う。
スペシャル
《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》(部分)
鎌倉時代、13世紀後半
Fenollosa-Weld Collection
鎌倉時代、13世紀後半
Fenollosa-Weld Collection