ぶらり途中下車の旅

バイオリン職人の桂敏明さんは、この道39年のベテラン職人です。バイオリン修行を始めた当時の日本はバブルの時代。景気が良く数多くの世界的バイオリニストのコンサートが行われたそうで、バイオリンの世界的名器「ストラディバリウス」も数多く日本に入ってきていたそうです。その「ストラディバリウス」の修理や調整を任されていたという桂さんは、数多くの「本物」の楽器を目の当たりにしてきたそうで、バイオリンの形をみれば音が分かるそうです。こちらの工房にはその当時にストラディバリウスから取ったという「型」が残されていて、その形状を参考に桂さんは木材を削りバイオリンを作り続けています。
ストラディバリウスが作られて約300年。木が経年劣化で乾燥して固く締まった今が一番いい音だそうで、作られてから500年はもつバイオリンこそが本物なのだそうです。桂さんは500年後を見据え、未来のストラディバリウスを目指して今日もバイオリンを作り続けています。