STORY

第六首
たちわかれ
2025/8/13

4月になり、藍沢めぐる(當真あみ)たち梅園かるた部の5人はそろって高校3年生になった。他の部活に負けじと、かるた部も新入生の勧誘に大張り切り。めぐるたちはあでやかな袴姿で1年生の教室を回り、かるたの魅力を猛アピールする。

一方、大江奏(上白石萌音)は、育休中だった古文の教師・島強(波岡一喜)が予定よりも早く復帰したことで非常勤講師の契約が終了。かるた部の顧問も外れ、今後はボランティアコーチとしてかるた部をサポートすることに。肩書は違えど、今まで通り奏と一緒に近江神宮を目指せると分かった梅園メンバーはホッと胸をなでおろすが…。

めぐると千江莉(嵐莉菜)の袴姿に惹かれた新入生・八雲力(坂元愛登)が、かるた部の見学にやって来る。前髪命の今ドキ男子・八雲は、袴に興味があるだけで入部する気はないと言うが…。試しにかるたをやらせてみると、八雲は超高速で札を取りまくる…!この新入生、一体何者!?

そんな中、奏は憧れの専任読手・中西泉(富田靖子)から久々に連絡をもらい、カラオケボックスで読みの指導を受ける。「大江はん、あなたなら専任読手になれる。その素質があります」と褒める中西は、奏が学校を辞めたことを知ると、「京都に引っ越していらっしゃい」。中西の研究室に5年ぶりに助手の空きが出たため、新しい助手を募集しているのだという。もともと中西の研究室で働きたかった奏にとっては願ってもない話。しかも研究の合間に読みの指導までしてもらえるとあって、奏は「身に余る光栄、私にはもったいないくらいです」と恐縮するが…。そんな2人の会話を、めぐるが偶然聞いてしまって――。

奏がいなくなってしまったら、かるた部はどうなるの!?奏にそばにいてほしい、でも…。動揺する梅園メンバーは奏の進退を巡って意見が衝突!分裂の危機に…!

以下、ネタバレを含みます。

かるた部の見学にやって来た八雲は、すでにかるた会に所属していて、なんとA級クラスの実力だった!なんとしても八雲を引き入れたいめぐるたちは、袴を着させてあげると約束し、八雲を入部させることに成功。超強力メンバーの加入で盛り上がるかるた部は、カラオケボックスで八雲の歓迎会を開くが…。そのカラオケボックスで、めぐるは奏と中西を目撃。2人の会話を聞いてしまっためぐるはショックを受ける…。

めぐるは何も知らないふりをして、奏に「先生はどうして古典の研究がしたいのですか?」と尋ねてみる。奏は「研究したいというより、つなぐ人になりたいって感じでしょうか」。百人一首は、時代順に歌をまとめた、いわばベストアルバム。『未来に残すべきだ』と思った名もなき先人たちが少しずつバトンをつないできたからこそ、1000年後の今も残っている。「歌がなければ、百人一首もなかった。百人一首がなければ、かるたもなかった。かるたがなければ、私たちが巡り会うこともなかった。…私もなりたいのです。この壮大な物語をつないでいく、名もない一人に」。奏の想いに、めぐるは心を打たれ…。

奏の京都行きの話が、かるた部のみんなにバレてしまった。「いま先生にいなくなられたら困るよ」と奏を引き留めようとするみんなに、めぐるは「先生から話してくれるまで待ってみよ」――。先生にとっては絶好のチャンス。それを自分たちのせいで諦めてほしくない。先生のお荷物になりたくない…。そのために、先生なしで勝ち抜ける力を身につけたいと言うめぐる。しかし、草太(山時聡真)と千江莉はめぐるの考えに納得がいかず、かるた部に亀裂が入ってしまう。

一方、奏は、京都行きを駒野(森永悠希)に相談。またとないチャンスだと頭では分かっていても、「いま藍沢さんたちを置いていくのは…」と迷う奏に、「気持ちは分かるけど、これはカナちゃんの人生の話だよ。比べられるものじゃない」と駒野。

奏の母親がインフルエンザにかかってしまい、奏はしばらく実家の呉服屋の仕事に専念することに。忙しい奏に代わって、駒野が梅園の臨時コーチを引き受ける。めぐる、春馬(高村佳偉人)、風希(齋藤潤)、八雲の4人は、週末の個人戦へ向けて駒野と一緒に作戦会議。その様子を遠巻きに見る草太と千江莉…。

奏の役割を引き継ごうとするめぐるたちは、奏が吹奏楽部や軽音楽部と練習時間や場所について交渉してくれていたことを知る。かるた部は周りで大きな音を出されると、歌が聞き取れなくて練習にならないからだ。知らないところで奏に支えてもらっていた…。そのことに気付いた千江莉が「私が話してくるよ」と、ダンス部との交渉を買って出る。「別に納得してるわけじゃないよ。ただ、私だって先生のお荷物になりたくないからさ」。そんな千江莉の気持ちが、めぐるはうれしくて…。

ある日の練習終わり。奏は掃除する気満々でかるた部の部室に行くと、めぐるが1人で畳を乾拭きしていた。「週末の練習終わりはいつも、先生がこうやって拭いてくれてたんですよね」とめぐる。ほほえむ奏と2人で畳を乾拭きするめぐるは、本の隙間に挟まっている札を発見。『たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いま帰りこむ』。めぐるは、前に奏が言っていたことを思い出す…「この歌は昔から、おまじないによく使われてきました。玄関口に下の句を貼ったり隠したりして。いつか帰って来てくれますようにと、願いを込めて」――。その言葉を思い出しためぐるは。札を片付けるのをやめ、そっと元の隙間に戻す…。すると、「あれ?先生もいる!」と、千江莉、風希、春馬、八雲が部室に入って来て、みんなで掃除を始める。
掃除を終えて、帰宅する面々。草太は部室に残り――。その後帰るみんなを追いかけてきた草太は、「大江先生がこっちに残ってくれることになった」と告げる。直接奏に聞いてしまったのだ。喜ぶ草太に、めぐるは「違うよ、草太。全然違う、そうじゃないでしょ!こっちから聞いたらダメなんだよ、何で分からないの!?」と声を荒らげて怒り出す。「先生は私たちのためなら自分の気持ちにもウソつけちゃうんだって。でもそれじゃダメなの。分かってよ草太。分かってよ…」。めぐるの叫びに、草太は返す言葉がなく…。

日曜日。個人戦の会場に、草太以外の梅園メンバーが集結。奏に安心して京都に行ってもらうため、みんなで昇級しようと張り切る梅園。D級会場ではめぐると千江莉が勝ち、C級会場では風希と春馬が勝利。みんなで喜びを分かち合っていると、草太が現れて…「ごめんよ、藍沢さん」。めぐるも「私も言いすぎたごめん」と謝り、2人は昇級を誓ってグータッチ!

試合が終わって会場に駆け付けた奏に、一同が賞状を見せびらかす。みんな、頑張って昇級を果たしたのだ。めぐるは「安心して京都行ってよ。私たちなら何も心配いらないから」。戸惑う奏に、「かるたで宝物を見つけた人の未来は、絶対に明るいんでしょ?先生がそうならないでどうすんの?」とめぐる。奏の目に、涙があふれて――。

めぐるは部室で、奏に袴の着付けを教わる。ふと、置いてある屏風に目を留める。文化祭で使った『源氏物語関屋澪標図屏風』だ。澪標(みおつくし)――以前、入部を迷っていた自分に、奏が『私の、身を尽くして!』と言ってくれたことを思い出しためぐるは、急に寂しさが込み上げてくる…。そんなめぐるを奏がそっと抱き締め、「本当なら、私が藍沢さんの澪標にならなきゃいけなかったのに、いつの間にか逆になってた。ありがとう」――。

京都に旅立つ奏を、梅園メンバーと駒野が見送る。旅立つ奏の後ろ姿を見送る駒野は、奏と交際していたことをみんなに明かす。「これは運命戦までもつれそうだな」とつぶやく駒野のポケットには、渡せなかった指輪が入っていて…。

そんな中、強豪・瑞沢高校かるた部に、テレビの取材がやって来る。取材を受ける月浦凪(原菜乃華)ら瑞沢かるた部の面々、そして瑞沢の新入生たち。その中に、なぜか八雲の姿があり――。