ちはやふる

競技かるたを知れば、アニメ「ちはやふる」がもっと面白くなる!

競技かるたのルールや用語を知って「ちはやふる」をご覧いただくと、さらに作品を楽しんでいただけると思います。ぜひ、かるたの魅力を知ってください。

【競技かるたの基本ルール】

読み手が読み上げる歌の上の句を聞いて、出来るだけ早く下の句の書かれた札を取りに行く競技。百人一首の歌をすべて覚えることが必要になります。

試合の流れ

競技する2人は、まず百人一首の100枚の札を裏向けにしてよく混ぜます。裏向けにするのは自分の好きな、あるいは得意な札を選んだりしないためです。

互いに25枚ずつ取り、自分の陣地(自陣)に左右87cm以内に3段に分けて並べます。相手の陣地(敵陣)にも同様に並べられた状態となりますが、残りの50枚は箱にしまって競技には使用しません。しかし、読み手は100枚の札を読むので、使わない札は空札(からふだ)となります。

自陣の札を取ったら一枚減り、敵陣の札を取ったら相手に札を一枚送って自陣の札を一枚減らします。
こうして、自陣の札を早くゼロにした方が勝ちとなります。

審判は基本的にいません。どちらが早く取ったかは、お互いで確認して決めます。
お互いが、同時に札を取ったと認めた場合、自陣にその札があった方の「取り」となります。

読まれた札のある陣地であれば、どの札を触れてもよいことになっています。
ですので、まとめて札を払うことができるのです。

団体戦

5組同時に試合を行い、3勝した方の勝ちとなります。団体戦では声をかけあっても良いことになっています。

決まり字

ここまで聞けば札が取れる、という部分のこと。札によって、1~6文字の長さの決まり字があります。
例えば「ちはやふる~」は、「ち」で始まる札は他に「ちぎりおきし~」と「ちぎりきな~」がありますが、「ちは」まで聞けば確定するので、2字決まりとなります。

決まり字は試合が進むにつれて変化します。
例えば、上の句が「い」で始まる札は、A=「いにしえの」B=「いまこむと」C=「いまはただ」の3種類あります。それぞれの決まり字はA=「に」(2字決まり)、B=「こ」(3字決まり)、C=「は」(3字決まり)となります。
ここでBの「いまこ」が読まれた場合、それ以降「いま」で始まる札はCだけになるので、「いま」まで聞けばCを取ることができます。
さらに、Cの「いまは」の札も読まれた後は、Aの「いに」の札は「い」で取ることが出来るようになります。このように決まり字が変化していくことを、決まり字変化といいます。

【「ちはやふる」に登場する用語】

暗記時間

札を並べてから、15分間の暗記時間が設けられています。自陣と敵陣、50枚の札がどこにあるのか覚え、どのように札を取って行くかなどの戦略を練るのです。
ただし、札の配置は相手の了解を取った上でいつでも変えることができます。

運命戦

自陣・敵陣ともに、残りの札が1枚ずつになった試合のこと。一般的に、この状態では敵陣の札を取るのは難しいので、自陣の札を確実に取る方が良いとされています。
お互い自陣の札を狙っていると、勝敗はどちらの札が先に読まれるかという運命にゆだねられた状態なのでこう呼ばれます。

大山札

6字決まりの札、「わたのはら」「あさぼらけ」「きみがため」のこと。6文字目まで聞かないと判断ができません。

送り札

敵陣の札を取ったり、相手が「おてつき」をした際に相手に渡す札のこと。
どの札を送るか? あるいは、送った札が、どこに置かれるか? などこの送り札が勝敗を分ける重要なポイントとなります。

お手つき

読まれた札が無い陣地の札に触れてしまうと「おてつき」となります。つまり…
・自陣にある札が読まれたのに、敵陣の札に触れてしまった場合。
・敵陣にある札が読まれたのに、自陣の札に触れてしまった場合。
また、
・空札が読まれたのに、札に触れてしまった場合
も「おてつき」となります。
「おてつき」をした場合、相手側から札を1枚送られることになります。

囲い手

札を触れずに手で囲って、相手に取られないようにする技。特に大山札など決まり字が長い場合に使われます。決まり字まで読まれるのに時間がかかるので、可能性がある札は囲い手をして相手が取れないようにするのです。

序歌

最初に読まれる百人一首に含まれていない歌のこと。全日本かるた協会の指定序歌は、「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今を春べと 咲くやこの花」です。なお、序歌の下の句は2回読まれます。

攻めがるた

敵陣の札を積極的に取りに行くタイプの戦い方。
例えば自分の得意な札を相手に送り、それを取ることで試合を有利に進めることができます。

ダブる

自陣にある札が読まれた時、その札を取られ、その際、敵陣の札に触れた場合、自陣の札を取られたことで一枚。おてつきをしたことで一枚、計2枚の札を送られることになります。
さらに空札が読まれた際、自陣、敵陣両方の札に触れてしまっても「おてつき」を2回連続でしたことになり、札を2枚、送られる事になります。

友札

決まり字が途中まで一緒の札のこと。特に、自陣に決まり字が途中まで一緒のものが複数枚ある場合の札を指します。

(c) 末次由紀/講談社・VAP・NTV