熊本県小国町岳の湯地区でしか採れない熊本の伝統野菜。
温泉熱で地温の高いごく限られた畑でしか生育せず、岳の湯地区でも5軒の農家でしか栽培されていない幻の野菜である。収穫量が少量のため、岳の湯地区以外はどこにも流通していない。漬け物や地獄釜で蒸して、白和え、おひたし、胡麻和えなどにして食べられている。

集落のあちこちで噴き出す蒸気を地元では「地獄」と呼び、その地熱を煮炊きに利用している。ほとんどの家の庭先には“地獄釜"と呼ばれる地熱を利用した釜がある。地熱調理はじっくりと均等に加熱するので、肉は柔らかく仕上り野菜は甘みが増し、栄養分も逃げにくい。ガスや電気釜とひと味違う味になる。
また、地熱を利用した乾燥小屋が点在し、シイタケやダイコンの乾燥に使われる。