松川温泉の松楓荘で10年以上前から作られている、木のせっけん。
間伐材を松川温泉の酸性泉に浸け組織に空洞をつくり石鹸成分を含ませて作る。浸ける温泉がアルカリ泉だと木の繊維が全部溶けてしまい、パルプになってしまうので、酸性の松川温泉ならではの利用法と言える。

松川温泉の中でももっとも歴史が古い温泉宿。
開業は江戸時代の徳川吉宗将軍の時代、寛保3年(1743年)に高橋与次郎が開湯したのが始まりと伝えられ、古くから地元の人には「与助の湯っこ」と呼ばれ、親しまれている。
2本の源泉を持ち、湯量豊富な白濁の湯は男女別の内風呂、混浴露天風呂、つり橋を渡った場所にある岩風呂が楽しめる。

木鹸の作り方
@ 杉などの間伐材を厚さ15mmに切る。
A 木片を温泉に3〜4日浸けこむ。
B 温泉に浸けた木片を120〜180℃の油で4時間ほど揚げる。
木片の中の水分が蒸発し、その水分が抜けたすきまに油がしみ込む。その後2〜3日寝かせる。
C 油が十分にしみ込んだ木片を水槽に並べた上から苛性ソーダ溶液を入れ2〜3週間寝かせる。すると木片の中にしみ込んだ油と苛性ソーダが化合して木片の中に石鹸成分がつくられ、木鹸になる。
D 余分な石鹸分をそぎ落とし、10日ほど陰干しで乾燥させる。(急に乾燥させると割れたり曲がったりする)
E 最後に研磨して完成。