地熱蒸気を使って作られる多色染めの染物。
松川温泉の地熱蒸気には、希薄な硫化水素が含まれており、この硫化水素は、染料を脱色する作用がある。これの地熱蒸気を利用して色鮮やかなグラデーションの染め物を実現した。松川温泉以外の蒸気だとうまくいかず、日本でもここだけしかやっていない。

松川地熱発電所は、1966年10月に日本重化学工業株式会社(現在は東北水力地熱株式会社が経営)が日本で初めて運転を開始した地熱発電所で、以来、30年以上も周辺地域に電気を供給し続けている。多くの地熱地域では、生産井から蒸気と熱水が混じって噴出するが、松川は蒸気だけが噴出する、我が国では唯一の蒸気卓越型地域となっている。

作り方
@ 白地の布を折りたたみ糸で縛る。(絞り)
A 5〜7色の染料に順に浸していく(多色染め)
B 温泉の蒸気を引き込んだステンレス製の窯に布を入れ、20分程度蒸す。
C 釜入れを済ませた布は、絞り糸を解き、良く水洗いを済ませた後、アイロンがけをして完成。