けんちんとは、キクラゲが入った、羊羹に似たお菓子。
昔は祝い事に欠かせないお菓子であり、結婚式の前日には、地域住民や料理人が泊まり込みで作っていた。キクラゲが中に入っている理由は、昔、薬膳として、栄養がある食材として用いられていためである。

中津にけんちんの作り方を伝えた人物。
中津出身の医者であった田中信平は、長崎で蘭方外科医術を学びながら、料理の研究をしていた。その後、長崎の帰りに中津にカステラやけんちんの作り方を伝え、中津の食文化に多大な影響を与えた。また、日本で初めて中国料理の解説書「卓子式」を著した料理研究家としても知られている。

作り方
1.トロクスンを砂糖水で煮込み、下味を付ける。キクラゲは水に戻し、下準備をする。
2.砂糖を水で煮込んだ物に、水で溶いた葛を加え、キクラゲ、トロクスン、栗を入れて煮込む。
3.煮て練った物をセイロに流し込む。
4.セイロに入れたの物を蒸気で3時間蒸す。
5.蒸し上がったら24時間そのままにして冷やし、切り分けて完成。