渚の記録

干潟を作ったことによる潮の流れの変化

潮の流れの変化

出来上がった干潟には多くのゴミが散乱していた。これは干潟が出来た事によるもので、砂の分の体積が増えることによって、潮の流れ込む力が大きくなり、ゴミも多く流れ着くようになった。

東京湾のゴミ

東京湾のゴミは、河川から流入するものが多く、一度そのゴミが潮流に乗ってしまうと湾内を迂回することになり、湾外に出るのに時間がかかる。
さらに、ペットボトルなどの浮くゴミに関してはDASH海岸に吹く南風の影響を強く受け、南風が吹くことが多くなる春から夏はゴミが東京湾の奥に流され、湾外に出ていきにくくなる。
海ゴミのほとんどは高分子化合物、いわゆる“廃プラスチック類"で、これら海ゴミは海岸の景観を損なうだけでなく、海洋生物や鳥類への絡まり、誤飲・誤食被害を引き起こしてしまう。

オレンジで潮の流れの調査

オレンジ6個を使用して潮の流れを調べた。オレンジは海水よりも少しだけ比重が軽く、風の影響を受けにくい。また、オレンジ色は目立つので海上での調査に相応しい。
流れているオレンジは柵を越え、干潟に入るところで速度を上げた。これは、干潟が完成した部分に、それまで流れていた水量がそのまま流れ込むが、完成した干潟の分だけ狭くなった部分に大きな力がかかり、そのために潮の流れる速度が速くなったからである。

プランクトン調査と低気圧

以前使用したプランクトンネットを使い再び調べてみると、メロシラ(珪藻類)、オイトナデービシー(カイアシ類)、ワカレオタマボヤを発見した。しかし、残念ながら今回も干潟作りに必要な肝心のアサリの幼生の姿が見られなかった。
プランクトンは強い南風や強い上げ潮があれば、やって来やすい。
そこで波乗り野郎、達也が思いついたのは低気圧。低気圧が東京湾に近づいてくると水位が上がって潮の力と南風も強くなり、プランクトンが流れこむ可能性が高くなるとのこと。
潮の流れを生み出す低気圧が来るのを待つことにした。

低気圧の潮位上昇の実験

大小2つの水槽を使って実際、低気圧で潮位がどのくらい上昇するのかを調べた。
大きな水槽の中に海水を入れ、その中に小さな水槽を逆さに沈め、小さな水槽の上部には少し空気を残しておく。そして、小さな水槽の口が海面に出ないように静かに上に持ち上げると、小水槽の中の海水だけが吸い上げられ、水位が上がった。

小水槽の中は空気が少ない状態、つまり低気圧となり、水面を押す力が弱くなるため、その分、水面が上がる仕組み。
低気圧の吸い上げ効果により、海面が上昇することを高潮と呼ぶ。高潮が起こるときは、陸側に向かって潮の流れが生まれる。

砂保水のためのフェンスを高くする

フェンス内に一杯砂が入っていると潮が引くと同時に水分がなくなってしまい、アサリが棲む環境には適さない。そこで、フェンスを10センチほど高くして潮溜まりをつくり水分保持を行なった。
また、潮の影響でフェンスの向こうにも砂が流れてしまっていたので、スコップを使って ヘドロが入らないように砂を戻した。

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