渚の記録

アカグサレ病

順調に生長しているかに思えた、3度目のスサビノリの葉状体だが、2012年2月に「アサグサレ病」が発生してしまった。
藻類に寄生するアカグサレ菌により、ノリの葉状体が赤く変色したのち死んでしまう病気。
海を漂いノリの葉状体に付くと菌糸をのばし生長するアカグサレ菌。
しかも次々と増殖し、たちまちノリ網全体に広がってしまうため、海苔養殖の産地でも、号外が出されるほど恐れられている。
アカグサレ菌は、大雨後などの低塩分と12℃以上の高水温を条件として蔓延することが知られている。
対処法は、早期の発見と干出による乾燥。
蔓延が進んだ場合は15%の高濃度の塩水に10分間さらすことでアカグサレ菌を死滅させることができる。
通常、ノリは生命力が強く、ある程度の高塩分に耐えることができるが、ノリ自体が弱っていたり、10分を超えるとノリ自身が死んでしまう。
そのため、ノリの状態をよく見極めながら行う必要がある。

収穫とDASH海岸海苔

アカグサレ病も対策が効果を発揮し、無事に乗り越え、種付けから358日目の4月初旬になると、水温は15℃まで上昇し、スサビノリの今年の生長の限界に達した。
葉状体の長さは33cmとなり、3度目のノリの収穫を迎えた。
収穫されたノリは、20Lの桶に満杯の収穫量となった。
収穫したノリは、飛行機包丁で細かく刻み、その後、海苔枡1杯分をすくい取り、木の枠へ均等になるように流し込む投げ漉きで板海苔へしていく。
投げ漉きはノリの量が十分にないと出来ない漉き方。
こうして漉いた計43枚の海苔を干し枠にかけて乾燥させる。
乾燥して出来た乾海苔は、海苔たたみ台という道具で10枚ずつ束ねて挟んで、DASH海苔の完成!
さらに仕上げに2枚重ねで炙って、焼き海苔にした。

DASH海岸産海苔むすび

江戸時代末期頃から今のように作られ始めたという、海苔の佃煮。
自家製の佃煮は、昔から海苔漁師の特権だった。
醤油とみりんで甘辛く海苔を煮込めば、DASH海岸産海苔の佃煮の完成。
この海苔の佃煮を新潟県でとれた男米二米目のおむすびに入れ、焼き海苔2枚を巻いた贅沢なDASH海岸産海苔むすびにした。

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