今回の厄介者

ブラウントラウト ~暴食ブルドーザー~

特徴

生物

『ブラウントラウト』
イギリスをはじめとするヨーロッパ原産の鮭の仲間。
ニジマスに似ているが、虹色の帯ではなく黒と朱色の斑点が特徴。
20~50cmが中心で、大きい個体では最大1mを超える。
水温20℃以下の冷水を好み、酸素が豊富な河川や湖沼に生息。
川岸の穴に身を潜め、天敵を瞬時に見分ける視野の広さを持つ。
北海道では12~1月、本州では9~11月はじめに川を遡上して産卵。

原産地

ヨーロッパ。

問題

1877~1926年に米国から日本に輸入されたニジマスの卵に混入。
原産地に似た気候の北海道で繁殖し、現在、推定1万匹以上に。
体の1/3の魚を丸のみにし、一日中餌を食べ続ける大食漢で、産卵期になると遡上しながら在来種などを食い尽くす。
絶滅危惧種のトミヨやヤマメ、ウグイなどが食べられ、さらに産卵床を奪って占領してしまうため、生態系が破壊される。

専門家

加藤英明

静岡大学教育学部講師。
講師として学校で授業を行う傍ら、外来生物の捕獲・研究など保全生態学にも取り組んでおり、各地で講演や調査を行っている。

捕獲方法

色と音に敏感なので、ふわふわと動く色付きの紐とチェーンを付けた、沖縄伝統の漁具・シルシカーを使う。

川岸の穴に身を潜めるブラウントラウトを、穴にシルシカーを突っ込んで追い立てる。

驚いて穴から出てきたところを、網で掬い上げて捕獲する。

ブラウントラウトが好む酸素と餌が豊富な流れの速い場所では、琵琶湖の伝統漁法・おいさで網を。

上流で棒を突いて追い出し、下流に横幅3mの網を設置して待ち構えて捕える。

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