痛みは激しいものの、厳かな雰囲気を保ったまま森の片隅に佇む社(やしろ)。
島を守る神様を祀ったものかは定かではないが、この島に足を踏み入れ、長い間お世話になるからには、丁寧に扱わねば。

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2度目の上陸の日に、真っ先に手入れ。
社に溜まった汚れやホコリを丁重に落とすと、本来の姿が見えてきた。
御神札に書かれた年代は明治… その頃から島を見守ってきたらしい。
持ってきたお神酒(みき)を供え、開拓の安全祈願。

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長年の雨風で無残にも倒壊してしまった社を発見し、始動した再建計画。
舟屋とは勝手が違うため最初は手探り状態だったが、宮大工の指導の下、全国の神社の構造を学びながら1年かけて再建に挑んだ。
基礎には湿気が溜まらぬよう束石を置き、骨組みにはシロアリにも強いケヤキを使い、地震対策の貫工法を施した。
社は石垣と距離をとって通気性を確保し、大きく張り出した屋根は雨水を石垣の外へ排出できるようにした。