DASH島開拓史

風船で届いたひまわり、咲かせることはできるか!?2023/12/3

去年の冬、DASH島沖でスタッフが見つけた謎の風船。
それには、6粒のひまわりの種が入ったメッセージ付きの封筒が。
花を育て、心を育む輪を広げる活動の一環で、福岡県・与原小学校3年生のみなさんが飛ばしたものだった。
その想いに応えるためにも、DASH島で育てることに。
しかし旗横のスペースは、ひまわりを育てるには絶好の日当たりだが、石だらけで根が張らないことが懸念された。
そこで、花壇を作って土を盛り、種を植えると、1か月後、海水に浸かった影響をものともせず、5粒が発芽した。
フナムシに葉を食われる被害もあったが、漂着物の酢を薄めた水を散布することで、被害拡大を回避。
記録的猛暑を乗り越え、種を蒔いて70日、ついに開花した。
そして、束の間、31日後には枯れてしまったひまわりを、乾燥させて種を取り外し、次の世代へ。
しかし、発芽の可能性がある成熟した種は、およそ5000粒中、わずか83粒だった。
この種をお裾分けするため、与原小学校へ向かった太一は、無人島開拓歴12年の経験を子どもたちに伝える特別授業を開催。
子どもたちから無人島開拓の夢を描いた絵をいただき、奇跡的に届いたひまわりの種が、無人島開拓の新たなタネになった。

発電計画、始動2023/11/12

城島はついに、DASH島の“電力化"を決意した。
実現すれば、開拓のスピードは一気に飛躍するはず。
だが、実はDASH島の発電計画はこれで2度目だった。
9年前から、磁石を使った自前の発電機など、あらゆる発電に挑んできたが、どれも上手くいかず頓挫していた。
そこで、城島がだん吉のソーラーパネルの活用を思いつくが、試してみると、経年劣化で発電パワーが圧倒的に足りず。
ならば、発電した電気を蓄電しようと新たな目標を立てた。
太一が訪ねたのは、様々なゴミから作った活性炭と海水で電気を生み出す蓄電池の研究をしている、田島教授の研究室。
これなら島でも蓄電池が作れると意気込んだ太一、まずは流木や木の実から活性炭を作るため、ドラム缶窯を作製した。
福島DASH村では炭作り担当だった太一から指南を受け、今回は後輩リチャードが12時間の火の番を務め、蓄電池作りの第一歩となる炭を作ることができた。

無人島で大麦パン作れるか!?2023/11/5

黄金色に変わった奇跡の大麦を収穫する時がやってきた。
しかし、城島が発見したのは穂の外皮に繁殖した黒カビ。
中にまでカビが浸食するのを防ぐため、城島が取った策が、ロープウエーに吊るして乾燥させる“天空麦"だった。
日光を全体に当てることでカビの浸食を防ぎ、無事に収穫した麦で作りたかったのが、古代ギリシャのパン・マザイ。
まず、城島自作の千歯こきで脱穀し、炒って皮を剥きやすくしたら、丸太に溝を彫った特製の臼で皮剥き。
これを石臼ですり潰し、できた大麦粉に水を加えてこね、プレーンと、藻塩と味噌を練り込んだ、3種類の生地を作った。
そして、焼くのは島の反射炉で。本来鉄を溶かすものだが、炉内はドーム状でパンを焼くにもうってつけだった。
反射炉で焼くこと5分、こんがりと焼けたマザイだったが、どれもお世辞にも美味しいと言える代物ではなかった。

リゾラバ20232023/9/10

毎年恒例の“リゾラバ2023"今年は、リチャードとシンタローも参戦し、DASH島の開拓メンバー全員で夏を満喫。
今年のリゾラバは釣り大会と海上アスレチック大会を開催した。
釣り大会は、陸と海、それぞれ好きな釣り方で釣果を競い、1匹釣れたら1ポイント、DASH島初の魚は5ポイントだが、大物を釣り上げたら文句なしの即優勝。
城島とリチャードは自作のボードでサップフィッシング、シンタローは泳ぎながら大物を狙う泳ぎ釣り、太一と松岡は陸から長竿で大漁を狙った。
最終釣果は、松岡がメゴチやシロギスなどを釣り上げて49ポイントを荒稼ぎし、釣り大会を制した。
海上アスレチック大会では、海上に設置したアスレチックを最も速く制覇した者が50ポイントのタイムレース。
コースは、海に浮く不安定な足場と直角の急カーブを渡り、海上ブランコから上手く浮島へと飛び乗って、水上コテージの2階まで上ったら、最後は滑り台で海へダイブ。
釣り対決でビリだったシンタローにも総合優勝の可能性があった。
そして、そのシンタローが最速タイムを叩き出したが、釣り大会でもアスレチックでも2位だった太一が、ぬるっとした感じで総合優勝したのだった。
その数日後、城島は、完成したロープウエーがきちんと稼働している姿をお茶の間に見せたいと、準備を進めていた。
搬器が通過すれば、くす玉が割れる仕掛けを用意し、見事、ロープウエー本来の走る姿を見せることに成功した。

無人島の奇跡の大麦、育てられるか!?2023/7/9

2年ぶりに、帆船ディーノ号の船長・太一から、船員・城島とリチャードに招集がかかった。
この日、船長がやりたかったのは、新たな漁場の開拓。
狙いを定めたのは、以前、無数の牡蠣を見つけた岩場の近く。
仕掛けは、和製ルアーとも言われるタコベイトという疑似餌を作り、船長とリチャードは船上から潮任せの流し釣りで、城島は陸から穴釣りで大物を狙った。
初乗船のリチャードのつたない舵で沖に流された挙句、船長も当たりの感触を掴めないでいたが、逆にそれが功を奏し、DASH島史上最も大きな、67cmのヒラメを釣り上げた。
刺身や炙りにすると、脂乗りも良く、贅沢な味わいだった。
そして、昨年5月、DASH島の歴史を変える発見が。
舟屋の近くに5本だけ自生していたのは、紛れもない“大麦"。
もし、この大麦を育てることが出来れば、DASH島の食料革命になると、早速、大麦畑に適した場所探しを始めた。
目星をつけたのは、ロープウエー建設のため切り開いた土地。
そこは、大麦栽培に欠かせない、日当たり、風通し、水はけの良さ、三拍子が揃った絶好の場所だった。
収穫を半年後に見据え、貴重な大麦の種178粒を蒔いた。
そして、数か月後には穂が80cmにまで生長し、およそ25000粒が実っていた。
しかし、収穫間際、実った大麦に黒カビらしきものが発生。
この事態をどう切り抜けるのか、城島は知恵を絞るのだった。

1年がかりのビワ探し2023/6/25

昨年6月、森の中でDASH島の初夏の実り・ビワを初めて口にしたリチャードとシンタロー。
城島は、水はけが良く、日当たりの良い山の斜面になるビワの実はもっと美味しいと、二人を連れ、山の中腹へ。
鈴なりに実っていたのは、先ほど食べた“まん丸の形のビワ"とは異なる、“卵のような形のビワ"だった。
というのも、日本には150種類以上のビワが存在。
色や形も様々。
どんな種類のビワなのか確かめるべく、高さ7mに生る実を採るため、特製の柿取り棒をこしらえた。
先端にY字型の枝と虫取り網を固定し、枝を絡め取りながら、落ちた実を網でキャッチする作戦。
だが全長7m、重さ5kgの柿取り棒を駆使し、採れた実は、見た目ほど熟しておらず、収穫は来年に持ち越しに。
そして、完熟の頃合いを狙って1年後。城島は、程よく熟したもの。リチャードは、茶色く完全に熟しきったものを試食。…が、城島のものは酸味が強くリチャードのものは甘かった。
調べてみると、江戸時代から栽培が始まったビワは、現在まで約200年がかりで品種改良されて甘くなったもの。野生のものは、果肉が薄く味もバラバラという事がわかった。

激闘431日、ロープウエー復活SP!2023/6/4

大プロジェクト・ロープウエー復活計画が、ついに完結。
前回、“支えるワイヤ"を張り終え、今回は“動かすワイヤ"を張る作業に取り掛かった。
まずは、ワイヤを起点から終点まで運び、滑車を通して折り返してこなければならないが、石鎚山の無人集落から頂いたワイヤは150mほど長さが足りなかった。
そこで、索道のプロ・綾香さん指導の下、2本別々のワイヤを1本に繋げることに。
麻の芯に鉄線が螺旋状に撚(よ)られて出来ているワイヤ。
その鉄線を解(ほど)き、1本1本交差するように撚り直すことで、元々一本だったかのように綺麗に繋がった。
届かなかった150m分の延長が完了し、起点から終点までワイヤを一周通したら、これをピンと張る作業へ。
動かすワイヤは、搬器がぶら下がるため、過重が掛かりすぎないよう、支えるワイヤより緩めに張った。
そして、搬器はドラム缶を半分に切って使うことにした。
まずは水を一杯に入れてから切断作業に移った。
サイフォンの原理を応用し、海から汲んだおよそ200リットルの海水を、バケツからドラム缶へと注いだ。
というのも、ガス溶接技能を持ったリチャードが担ったが、ドラム缶の中に可燃性ガスが残っていると爆発の恐れがある。
ドラム缶を真っ二つに切断して出来た搬器には、太一とリチャードがそれぞれ、独自のペイントを施した。
この搬器を、支えるワイヤに吊るし、動かすワイヤに連結して引っ張れば、行き来するように動いた。
とはいえ、いきなり人が乗るのは危険なので、舟屋に吊るしていた城島像を搬器に乗せて、試走してみることに。
重さおよそ60kgの城島像を上まで運ぶには、終点側、対角の搬器に、それより重い石を載せ、その重力で。
だが、重りの石が重すぎたのか、想定以上の猛スピードで、ブレーキが間に合わず、城島像が吹っ飛ぶ程の衝撃で激突。
人間一人分、およそ60kgを運搬することはできたものの、実際に人を乗せて稼働するには、まだまだ改良が必要だ。

蘇る空の道、ロープウエー2023/5/7

DASH島では冬の味覚・マガキが旬を迎えていた。
今年は城島の提案で、木の板ごと蒸し焼きにする“ウッドプランクグリル"で調理した。
城島とリチャードは、ロープウエーの支柱で使った杉から板を切り出し、太一と松岡は、島の東側でマガキを調達。
井戸水に半日浸け、燃えにくくした杉の板にマガキの身を乗せ、蒸し焼きにすること1時間。
香ばしさと旨味が凝縮した味わいに、舌鼓を打った。
一方、前回支柱を立てたロープウエーは、オモリを使って垂れたワイヤをピンと張る作業へ。
総重量1.6tにもなるオモリは、島中から石を集めることにした。崩れた石垣の石をあらかた集め終えると、浜から300kgの巨石をトロッコで運び、9日間かけ1.4t分の石を集めた。さらに、溶接技能を身につけたリチャードが、石を入れるための鉄カゴを2つ製作。そこに、総重量が1.6tになるように石を詰め、オモリの準備が完了。
このオモリをワイヤと安全に繋ぐためには、それぞれを均等な力で引っ張らなければならなかった。そのために、オモリとワイヤを四重の滑車で繋ぎ、引っ張る力を8分の1にして神楽桟で巻き上げた。
オモリが浮けば、ワイヤにも800kgの力が掛かっている証拠。同じ要領でもう1本も張り、空の道が復活した。

ロープウエーの支柱を立てろ!2023/4/9

前回、100kgを超えるロープウエーのワイヤを終点まで通したが、まだワイヤは弛んだ状態。この日は、ワイヤを張る作業に取り掛かった。
その方法は、石鎚登山ロープウェイで学んでいた。
季節によって伸び縮みするワイヤを、巨大なオモリを使うことによって調整していた。同じ仕組みをDASH島でも。
スタート地点である倉庫跡に4m以上の強靭な柱を立て、1.6tものオモリを使ってワイヤを張る計画。
そこで、浜で見つけた長さ9m、直径30cmの大木を切り出し、支柱となる2本の丸太を倉庫跡まで運んだ。
まず、ギムネと呼ばれる手動のドリルで支柱に12カ所の穴を空け、2本の支柱と梁をボルトで固定した。
そして、重量400kg超えの支柱を、滑車を用いることで引っ張る力を1/4にして、人力で引っ張り上げた。

ロープウエーのワイヤを通せ!2023/3/19

夢のロープウエー計画は、スタートから246日で、いよいよワイヤを張る段階へ入った。
まずは、DASH島で再利用できるワイヤを探し回ったが、どれも潮風の影響で劣化が激しく、使い物にならなかった。
そこで、師匠・綾香さんのご友人を紹介していただき、20年以上前に使っていたロープウエーのワイヤを譲って頂けることに。
そこは、二年前、最初にロープウエーの構造を学んだ石鎚山。
そこではかつて、渓谷を越え、集落へ物を運搬する際にロープウエーが使われていた。
ワイヤには800kg以上の重量が掛かるが、そのワイヤは状態も良く、綾香さんも安全性に問題ないとお墨付き。
だが、ピンと張ったワイヤを外すのは危険を伴う作業。
そのため、元々あったワイヤに別のワイヤを取り付け延長することで、緩めた状態にして安全に取り外すことができた。
さっそく、このワイヤをDASH島に持ち込み、起点から終点までのルート約150mへ張る作業に取り掛かった。
とはいえ100kg超えのワイヤ、一筋縄ではいかない。
まずは、ワイヤにくくりつけたロープを終点まで引っ張り、滑車に通してから起点に戻ってくる。そして、そこから一気に引っ張り上げる作戦。
引っ張るのは、江戸時代にも活躍した装置、神楽桟(かぐらさん)。これを城島の提案で、養殖池に海水を汲み上げた動力・風車の回転軸を再利用して作り上げた。この装置を使えば人力が何倍もの力に。
そして、スタッフも含めた総力戦で、2本のワイヤを起点から約150m先の終点まで通すことができた。
一方、作業の合間には、島で採れる旬の食材で腹ごしらえも。
ムカゴをカラッと揚げたムカゴチップスに、アケビの皮とキュウセンの身でアケビの味噌詰め焼きを作った。

冬ラバ2023/2/19

毎年の恒例行事・リゾラバ、今年は初の冬開催。
リチャードが参戦する中、浜で遊び道具を探していると、見つけたのはゴルフクラブの先端部分。
グリップを漂着物の竹で代用し、今年はゴルフ大会を。
傾斜8度、打ち下ろし6m、全面バンカーの難関コース。
浜に落ちていた4競技6種類のボールの中から自由に選び、お皿のカップに一番寄せた人が勝ちのニアピン対決。
ゴルフボールで挑んだ太一は盛大にダフりカップまで5m。
テニスボールのリチャードは記録1m、城島はサッカーボールを強く打ち過ぎて海ポチャの記録なし。
結局、リゾラバで輝く男・Mr.リゾラバ松岡が野球ボールを見事カップインし、優勝をかっさらった。
勝負の後は、海上コテージサウナでリフレッシュ。
サウナ歴32年の松岡のアドバイスで、焼き石を増やすことで室内温度を上げ、段差のあるイスを置くことで温度調節も可能になり、サウナがさらにバージョンアップした。

ロープウエー計画 屋上に起点設置2023/1/8

ロープウエーの起点は、心臓部の滑車は再生したものの、錆びてボロボロのフレームには強度に不安があった。
そこで、余っていたトロッコのレールを使い、リチャードが習得したガス溶接技能で補強した。
しかし、鋼鉄のレールで補強したことで、起点の重量は100kg超えに。
起点を設置するのは、スタート地点である倉庫跡の屋上。
そこまで持ち上げなければならないが、人力では不可能。
そこで、城島が考えたのは、溜め池のヘドロを掻き出した際に使ったクレーン、通称・宴会部長の改良だった。
参考にしたのは、吊り上げるだけでなく、旋回もできる古代のクレーン。
そして、パワーアップした宴会部長改め“宴会取締役"で、100kg超えの起点を無事、屋上へ設置できたのだった。