DASH島開拓史

造船計画・サバニ、完成NEW2025/11/30

造船計画始動から306日。この日は最終局面、船のふちを補強する“ぐまー"という材木の取り付けに取り掛かった。
波によるねじれを抑え、船の強度を上げるなどの役割がある。
サバニの曲線に合わせ、材木を慎重に曲げながら、等間隔で竹釘を打ち込み、外側内側と左右それぞれに取り付けた。
最後に、沖縄の船大工に古くから伝わる、防腐性に優れ、水を弾いて浸水を防ぐ、サメの肝油で船体をコーティング。
これは、スタッフが沖縄で釣り上げた、駆除対象のサメの肝臓を細かく切って、4時間鍋で煮込んで作った。
そして、製作期間324日、手造りの木造船が完成した。
だが、スピード重視で細身のサバニを乗りこなす操船技術がなく、竹のアウトリガーを取り付けて船の安定を図ることに。
その効果は抜群で、ぐんぐん進む推進力と狭い港跡で旋回できるほど機動性を兼ね備えたものとなった。

造船計画&潜水装置作れるか!?2025/9/21

2か月かけて舟底の作業を終え、この日は、逆さまの状態の舟を180°ひっくり返す作業。
しかし、その船体は、長さ9m重さ500kg、万が一、誤って落ちてしまえば、舟は大きく破損、造船計画は振り出しに。
クレーン歴の長い城島の指示の下、手作り巻き上げ装置で慎重に作業を進め、最後は人力でひっくり返すことに成功した。
一方、シンタローは以前見つけた海底洞窟の探査をしたいと、島にあるもので様々な“潜水装置"作りを提案した。
一つ目はドラム缶の中に入って水中散歩を夢みたが、ドラム缶が水面に張り付いてしまい、出られないため断念。
次は、長いホースでロングシュノーケリングのイメージ。
そこにポンプで空気を送る作戦を思いついたが、ポンプ係が予想以上に体力を消耗し、十分な空気を供給できなかった。
最後は、空気を送るバケツを被ることで、持続的に呼吸は確保できたものの、視界が悪く、危険と判断した。
どれも発想は悪くなかったが、改良の余地ありとなった。

造船計画・舟底を造る2025/7/27

2ヶ月の間、止まっていた造船計画が再び動き出した。
シンタローを中心に、舟底を組む工程に取り掛かっていたが、そこに城島が加入し、作業はスピードアップした。
まず、舟の中で最重量、約300kgの部材を人力巻き上げ装置で持ち上げ、舟の側面の板の上にピッタリ収めた。
舟底は全部で5つのパーツで構成されていて、残りのカドと呼ばれる両端の部材と、船首と船尾も同様に組み立てた。
水の侵入を許してはいけない舟底、ミリ単位の隙間をなくすために用いたのが、船大工の技術・すり合わせだった。
歯を交互に曲げたノコギリを隙間に入れてすれば、接合面が傷付いて毛羽立ち、板同士を密着させることができた。
これにフンドウ約100個、竹釘約200本を1か月半かけて打ち込み、舟底の固定が完了した。
一方、シンタローは実りを迎えた大麦に合う旬の食材探し。
海では背負子を背負って潜水し、命懸けで採ったフトモズク。
山では、標高70mの場所でビワの新たな群生地、麓では高級食材のアラゲキクラゲも発見した。
これらの食材は、大麦粉を使った天ぷらにして舌鼓を打った。

舟屋 真夏の大修理2025/6/29

酷暑のDASH島で、シンタローがサザエやウニを調達し、城島と共に英気を養っていたのには理由があった。
城島が見つけたのは、築9年の舟屋の屋根に隣の大木の枝が伸び、瓦が一部落ちてしまっている光景。
このままでは、雨水で材木が腐り、倒壊する恐れもあった。
そこで、瓦をふき直す、真夏の大修理を行うことにした。
防水加工の柿渋を塗った下地の新聞紙が剥き出しになった部分に、粘土質の土を置き、メモリ付きの専用金槌を使って、瓦同士を揃えながら、一枚一枚ふいていった。
9年振りでも体が覚えていた城島、初心者のシンタローに、自分も学んだ瓦ふきの技術と知恵を伝えた。
そして、2人で作業に没頭すること2時間、修復を完了した。
後輩を労うため、シナモンの香りがするヤブニッケイを煎じた新作のお茶をシンタローに振る舞った城島だったが、毎度のことながら味は不評であった。

大干潮!未開の地を探索2025/6/8

この日、DASH島は年に数回しか訪れない、普段海の底に沈む場所があらわとなる、大干潮。
そこで、新種の生き物や未知のお宝を求めて探索へ。
潮が引いた干潟の港跡では、ワラスボの一種とアミメハギ、カノコアサリの3種類が、DASH島では初の発見となった。
滅多に足を踏み入れない小島の岩場では、波に侵食されてできた数々の洞窟を手当たり次第探索。
目ぼしいものは見つからなかったが、浅くなった海に潜ったシンタローが、海底で洞窟らしき割れ目を発見した。
一日の成果をひとまず地図に記録し、探索は次回へと続く。
最後は、少し煮詰め過ぎてしまったが、カノコアサリで出汁をとった味噌汁で、探索の疲れを癒したのだった。

造船計画・最大のピンチ2025/5/25

造船計画72日目。舟のパーツが、いよいよDASH島へ!
舟造りの拠点となる作業場を製作し、運び込んだ舟の側面パーツ・舷側板(げんそくばん)は、長さ9m厚さ約6cm。
これを、100年受け継がれた技と知恵で曲げていく作業。
まず船首側を固定し、板をハ(8ではなく“は")の字に立て、その状態から、端がくっつくまで徐々にたわませ、舟の形にしていく。
板にお湯をかけ、木が膨張、柔らかくしながら、ストッパーに引っ掛けて、一段ずつ押し曲げていった。
目指すサバニは、横だけでなく、縦にも湾曲させた流線形。
そこで、手製の縦曲げ装置で、船底に向けても角度をつけた。
休憩時間には、料理長候補のリチャードの提案で、日光の豪快料理“石焼き"を企画したが、肝心な石の選定を見誤り、炎の熱で粉々に破裂してしまった。
だがその間に、作業場ではもっと重大な事態が起きていた。
側面の板は1点もの、木の軋む音を聞き分けながら、慎重に曲げていたのだが、約2mもの亀裂が入ってしまった。
この緊急事態に、師匠・長嶺さんと船長・太一は、フンドウと竹釘を駆使した「本ハギ」という、木と木を接合する伝統技法で、亀裂の補修作業に挑んだのだった。

造船計画・舟の側面を彫る2025/4/27

舟の側面の板の加工に取り掛かっていた男たちは、左右2枚をピッタリ同じ形にするため、カンナがけ作業を続けていた。
そんな中、船長・太一は沖縄の高級魚・ミミジャーを獲るべく、作業場近くの古宇利島沖合に出た。
この日、絶好調の太一は、狙ったミミジャーやマクブなど、1時間で7尾を釣る大爆釣となった。
釣った魚は、DASH島海賊団の料理人を目指すリチャードが修行も兼ね、地元料理人の満名(まんな)さんに教えを乞いながら、「マクブの酢味噌和え」と「イユ汁」を作り、そしてリチャードが調達したサトウキビの搾り汁で作ったサトウキビジュース シークヮーサー入りで英気を養った。
一方、板の内側を彫る作業は、座る場所を残しながら彫り出すなど、丸太をくり抜く丸木舟を原型としたサバニ。その造り方に、溝を彫るミゾキリカッターも駆使して臨んだ。
さらに、電動では出来ない細かい部分は、古くからある大工道具・釿(ちょうな)を使い、手作業で仕上げていった。
そして、ついに側面の板を彫り切り、造船計画の舞台はいよいよDASH島へ。

造船計画・フンドウ打ち2025/3/23

DASH島造船計画は、舟の側面の板に取り掛かっていた。
船長・太一が目指す全長9mの舟には、船縁の高さを上げる為仮止めだった2枚の板を沖縄伝統のくさび・フンドウでつなぎ合わせる必要があったが、舟一艘作るのにその数は280~300個という途方もない数だった。
スタッフも総出で、フンドウを打ち込む作業を続け、15日かけてようやく、側面の板が形になった。
ここからは、舟の両側面にあたる2枚の板を重ねて、全く同じ大きさにするため、カンナではみ出た部分を削っていった。
舟の側面は左右で大きさが少しでも違うと、舟のバランスが取れなくなってしまうからだ。
舟造りには欠かせない、曲線専用の反りカンナを使い、ピッタリ同じ大きさにする作業が続く。

一から舟作れるか!?2025/3/2

船長・太一主導で動き出した“DASH島造船計画"。
新たな舟には、沖縄伝統木造帆船・サバニを参考に造ることを決意。
だが、それは1枚の板を変幻自在に曲げ、流線型を形造る高度な技が必要だった。
そこで、サバニ作り経験を持つ職人・長嶺さんに指南を受けながら、長さ9mの杉の板の加工に取り掛かった。
使われていたのは、約80年前からサバニ造りには欠かせない、弾力性に富み、曲げやすい、宮崎の飫肥(おび)杉。
まずは、墨の付いた糸で思い描く形を板に書き記す、墨付け。
そのラインに沿って板を切り落とせば、舟の形が見えてきた。
目指すは、開拓メンバー全員が乗れる巨大な9mの舟。
それには船縁の高さが足りず2枚の板を仮留めしている状態。それを繋げるには、沖縄伝統の楔(くさび)フンドウを約300個、手作業で繋ぎ合わせる作業が待っていた。

造船計画始動2025/1/12

初上陸からの相棒、帆船ディーノ号は限界を迎えていた。
13年間、何度も荒波を越えてきた船体はボロボロだった。
そこで、船長・太一がディーノ号とのお別れを決断。
代わりに、自分達で一から舟を作る、造船計画を始動した。
船長の理想の舟が、沖縄の伝統的な木造帆船“サバニ"。
太一自身が17年前、その抜群の安定性と操作性を体感し、新たな舟の候補として目をつけていた。
特徴的な流線形が荒波を割ることで、船体が安定してスピードに乗り、オールの操作で舟の向きも簡単に変わる。
しかし、一枚の板から作り出されるサバニ、その製造には想像を超える過酷な作業が待っていた。