放送内容

2016年1月17日

城島が踏み入ったのは、雪深い山の中。
城島「1杯のラーメンのために“水"を求めてきた」
出汁を取るときにも、麺を打つときにも、茹でるときにも、ラーメンの全てに使われる、「水」。

それは2週間前。
これまで30人以上の弟子を世に送り出した、「せたが屋」店主、前島氏が、一つは水道水、もう一つには持参した超軟水で、同じ量の宗田節を使い、出汁を取る。

水は流れ出るまでの過程で、岩から溶け出したカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を吸収。
その含有量は硬度で表され、ミネラルを多く含む、硬度が高い水を硬水。
ミネラルが少なく、硬度が低い水を軟水と呼ぶ。
東京の水道水は元々、利根川や荒川、多摩川の水でその硬度は50~100。
一方、超軟水は硬度10前後、ほとんどミネラルを含まない。

前島「この二種類の水で取った出汁、飲み比べてみてください」
水によって、出汁の違いはあるのか。
城島「(超軟水の出汁の方が)宗田節が浸透していて深い」
前島氏「硬度は低いほど水が空っぽ。だから旨味を吸い取る」
つまり、水は混じり気が無いほど、素材から旨味を引き出す。

前島氏「どんなにいい食材を使っても、水が悪いと全てが無駄になる」
そう、TOKIOが日本各地から集めて来た素材を、最大限に生かすには、
城島「混じり気の無いピュアな水が必要や」
その水があるのが、秋田・青森にまたがって広がる、白神山地。

手つかずの広大なブナの森が広がる、世界自然遺産。
この原生林に、硬度が最も低い水が湧き出ているという。
市販の天然水で最も低い硬度は3だが、ここの硬度は0.2。
その訳は、森の葉っぱの力。
試しに、雪の下を掘ってみると、出てきたのは腐葉土。

福島DASH村では何度も掘り返した。
落ち葉が腐って、土になった腐葉土は、水はけがよく、野菜作りには欠かせない。
手つかずのブナの森が広がる白神山地。
人の手が入らないため、降り積もった落ち葉で出来た腐葉土は、層となり自然の濾過装置に。

雨水が再び湧き出るまで30年かかると言われ、その過程で、ほとんどのミネラルが濾過される。
だが、その場所は麓から2時間以上。
登れば登るほど、天候も悪化、深い雪に足を取られる。
気温は-10℃、そこに強い横風で体感温度は-20℃。

そして、登山開始から2時間、聞こえてきた水の音。
城島「やっと出会えた!」
雪の間からコンコンと湧き出る水、触ってみると、
城島「思ったより冷たくない」
温度変化の少ない湧き水は、-10℃でも凍らない。
だから、夏は冷たく、冬は温かい。

そして、口に含むと、
城島「霞(かすみ)の様な実体のない味…飲んでる感じがしない」
つまりは、混じりっけ無し。
それだけ、出汁の旨味を吸収出来る。
そう確信した城島は、調理場まで待てず、持参した宗田節で出汁を取る。

すると、前島氏が持ち込んだ軟水より、さらに濃い色が。
城島「(前島氏の出汁と)全然違う!出汁が深く出てる」
では、ラーメン約40杯分をタンクに詰め、いよいよ、この水で出汁を取り、麺を打つ。
そして、まず食べてもらいたい相手は、ラーメン界の巨匠たち。

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