『放送内容』

ＤＡＳＨ米収穫祭　～ＤＡＳＨ米は作れるか？～

「よ～し、こんなもんでいいだろ」という明雄さんの指示に手を止める男たち。
久々に田んぼに水が入る。
「これで大丈夫でしょ。」と安堵の言葉をもらす男たちだが、やはり表情は暗い。

先日、ＤＡＳＨ米を襲った病。
「今までの苦労を無駄にしない為に…」と下した苦渋の決断が「農薬散布」だった。
果して、穂は実るのだろうか？

１週間後　　　　　　。
「おっ！入っとる、入っとる。米の感触がする、固いね。」

今まで垂直に伸びていた稲が、少し頭を垂れ始めている。
これはまさしく、米が実っている証拠。稲刈りに近づいた感触を得て、
男たちにやっと笑顔が戻った。

まだ少し若草色を残しているＤＡＳＨ米。
これが全て黄金色に変われば、稲刈りの合図となる。
稲の一本一本をチェックする男たち。すると中には穂が黒いものもある。
これは病気にやられている証拠。
しかし、それも農薬を蒔いたお陰で、全滅を免れる事ができた。

そこで再度水抜きをして、最後の成長を促す。
「今度はうれしい水抜きだね。」と達也。

村役場で今後の計画を練る。
「このままいけばぁ、稲刈りは１０月の中旬頃かなぁ」と明雄さん。
喜びの作業まで、あともう少しである…。

それから数週間後　　　　　　　。
ススキは釣り針のように頭を垂れ、モミジが燃えるように赤く染まった頃、
ＤＡＳＨ米はまぶしいほどの小金色に染まった。

そこで最後のチェック。品種毎に少し成長の差がある。
品種によって病気にやられているものも目立つ。
「コシヒカリとヒトメボレは一俵取れないかもしれねぇなぁ」と明雄さん。
「どのくらい収穫できるんだろう…。」と心配になる男たち。

しかし、タカネミノリなど病にやられていない品種もある。この種類なら１俵取れるかも
と期待は膨らむ。

そして、迎えた稲刈りの日。

久しぶりにＤＡＳＨ村に５人の男たちが揃った。
今日の為に、田植えの時と同じく、炭焼き名人の三瓶金光さん、漬物名人の三瓶孝子さんも応援に来てくれた。

稲刈りの達人たちに方法を学び、いよいよ嬉しい稲刈りが始まった。
もちろん、全てが手作業。刈った稲は束にしてまとめておく。
「だから、ここに指を通せば紐がしまるから…。」
などと達人たちに教えを乞いながら、刈り入れは進む。

稲をまとめる為の紐結びがなかなか上手くいかない長瀬。それを横目に「縛り屋」として日本家屋作りで活躍した経験を活かし、あっという間に縛っていく。

「ご飯食べるって大変な事だってもが分かるでしょ。」と孝子さん。
「そうだね、お米のありがたさがわかったぜ」それを聞いた長瀬がしみじみと答える。

「ＤＡＳＨ村で米を作りたい！」という一言か始まったＤＡＳＨ米作り…

土と戦い、荒地を蘇らせた「土台作り」…。

水と戦った「溜め池作り」…。

我が子の様に、寝ずの番で成長を見守った「苗作り」…。

先人の知恵を結集させた「田んぼ作り」…。

とにかく嬉しかった「田植え」…。

新たな仲間「アイガモ隊」の誕生、そして大活躍…。

清の淡い夏の恋…。

そして記憶に新しいイモチ病との戦い…。

稲刈りを迎えるまでの道程は決して平坦な道ではなかった。
実は、ここに来るまでにこんな事もあったのである。

ＤＡＳＨ村ＨＰの「清の大質問」というコーナーに、毎週視聴者の方から
たくさんご意見を頂いている。
その中の書き込みで、清が興味をひかれた書き込みがあった。

それが「アゾラ」である。
アゾラの大きさは単体で直径1～2ｃｍほどの浮き草で、
個体が分裂して増えていくもの。
このアゾラは稲の成育に必要な窒素を溜め込む働きがあり、
アゾラが水面を覆う事により、水面下に光が届かなくなり
雑草の生育の防止にもなる。

さらにアゾラはアイガモの大好物なので、アイガモが稲の穂を食べてしまう心配もない
のでアイガモ農法と非常に相性が良いものなのである。
さらに食べられても、溜め池などで栽培すればすぐに繁殖するというスグレモノ。

この情報を早速ＤＡＳＨ村の田んぼに活かしたい、と動き出したのは達也。
周辺の農家の方にアゾラを分けてもらい、田んぼ近くの溜め池で栽培する。
アゾラを食べたいけど、網に阻まれているアイガモの脇でどんどん成長していき、
数日後には溜め池いっぱいに成長した。

アゾラの匂いを感じたのか、周りに集まってくるアイガモ隊。
「これで穂を食べられる心配もないね。」「アゾラ食べてがんばってくれよ！」
と田んぼにアゾラを蒔く男たち。

本当にたくさんの方の知識と協力のお陰で、嬉しい稲刈りを迎える事ができたのである。

「みんなそろそろ慣れてきたんじゃない？」と声がかかるほど、大分作業に慣れてきた男たち。順調に刈り入れは進む。
「さあ、もうひと踏ん張り頑張ろう！」とリーダー。
しかし、「しゃべってるわりには進んでないよ、リーダー」と楽しいおしゃべりも弾みつつ、
刈り入れは続いた。

そして…
「終ったー！お疲れー！！これで明雄さん、新米が食べれますね」
「まぁだ、まぁだ！」
遂に刈り入れが終了、だが作業はまだ残っている。

木を二又に組み、その上に長い丸太を乗せて縛る。
そして、その上に束ねた稲を乗せて乾燥させる。
実はこの作業、お米を美味しく食べる為に非常に大切な作業なのである。
このよう天日で乾燥させることによって、水分を適度に飛ばし、より長い間お米を保存しておく事ができるのである。

「腰が痛い…」などと呟く城島のお尻を叩きながら、最後の作業に取りかかる。
丸太に乗らないほどの稲を乗せ終え、作業は完了。

「お疲れ様でしたー！」「ご苦労様―！」「イエーイ！！」
など、歓喜の声は様々。

作業も終了し、時間も頃合になり、お腹が空いてきた男たち。
するとそんな男たちの前に、明雄さんが何やら抱えて待ちかまえていた。
その抱えているものの中身は…
「あっ！スゴイ新米だ！！」「良い匂い！」なんと明雄さんが新米を炊いて持ってきてくれたのである。

実は乾燥の作業をしている時に、明雄さんは刈り取ったばかりの稲を持って近くの農家に行き、脱穀、精米の作業をしてご飯を炊いて持ってきてくれたのである！

「マジでー！食べようよ！」
と今までの疲れもなんのその、駆け出す男たち。

村役場に戻り、早速新米に舌鼓を打つ。
「うまーい！」「甘いよ！！」「米だけで飯食べれるよ！」と様々な賛美の言葉が重なる。
男たちの苦労が報われた瞬間であった。

そんな喜びに包まれていたＤＡＳＨ村。
実は、もうひとつの喜びの瞬間が訪れていたのである。

それは「八木橋」。
村役場の壁にを壊すなど、近頃不思議な行動が目立った八木橋。
そこで八木橋小屋を役場から離し、さらに大きく作りなおした。

そこで最も八木橋と多くの時間を共有している男、清がある事に気付いた。
そして向かったのは近くの牧場。いろいろな牧場や農場を回り何やら真剣に選んでいるようだが…。

小屋を大きくしても相変わらず、色んなところを壊しにかかっている八木橋。
すると、清がもう一匹ヤギを連れてやってきた。どことなくしなやかな足とほっそりとした胴体。どうやら女性のようである。

そう、実は八木橋の異変に気付いた清。
「八木橋もお年頃。そろそろ良い相手が必要なのでは？」と考え、
近くの牧場で八木橋の花嫁候補を探していたのである。

そこで清の目に止まったのがこの「マサヨ」だったのである。
はじめは八木橋のただならぬ雰囲気に押され気味だったマサヨだったが、
次第に打ち解けて小屋の中に入った。
相性はどうやら良さそう。

その様子を見て「もう季節は冬だけど、ここだけはやっと春が来たって感じだね」
と目を細める城島であった…。

田植えの時と同様に稲刈りを手伝いに来てくれた金光さん。
実は久々の登場とあって、かなり気合が入っていたそうです。
稲を刈るスピードも他に比べて異常に早く、「早過ぎるよ！」と太一に逆に注意されていたほどでした。

稲を刈るスピード以上に気合が入っていたのが、実は「ファッション」。
金光さんが被っていたハンチングキャップにお気づきの方もいたと思います。
実は金光さん、若い頃はファッションに気を使っていたらしく、この辺りの「ファッションリーダー的存在」だったそうです。

そんな金光さんと人気を二分していたのが、実は明雄さん。
「オレだっで、若い頃はぶぃぶぃいわしてたよぉ～」と本人が語る様に、金光さんと
同じくファッションリーダーだったそうです。

実は、現在でも農作業にはいつもの軽トラックで行くのですが、
街に出る時は必ずピカピカに磨いた乗用車に乗っていくそうです。

まだまだどちらも現役という事ですね…。