節約家族 〜一日いくらで過ごせるか!?〜

ここは城島家…
少し昔風なたたずまいの家に、悠太と翔太そして茂子が仲良く
暮らしているのでした。

城島家の朝は目覚ましの音と共に始まります。
無駄のない生活、時間もまた無駄にはしないのがこの家のモットーなのです…

「起きや〜朝やで〜」
寒い朝とはいえ、暖房はもったいない。
茶の間では3人で謎の"つっぱり"ダンスが繰り広げられています。
これでも体があったまるのだから、城島家の立派な暖房なのです。

ようやく目が覚めてきたところで、朝食の支度。
チラシ片手に、何か安い品はないか、真剣勝負です。
「お母ちゃん、卵安いよ」
悠太が教えてくれた節約情報。
でも節約の達人茂子の目は騙されません。
「セールは意外と安くないんや」
これまで積みかさねてきた経験はだてではありませんでした。

と、その鋭い目が悠太の足元に及びます。
「新聞踏んだらアカンやんか!世間様踏んでんのと一緒やで!」
節約だけではない、しつけにもうるさい茂子。

朝食の品定めもそろそろ決まりそうな頃…
「先着100名、卵68円、玉ねぎ9円…こらいかなあかんわ!」
茂子のターゲットはこの2品の様子。
そうと決まれば調達の開始。
木枯らしに逆らって自転車を走らせました。

スーパーでも茂子の節約術は止まりません。
「カートは重さが分からんからあかんのや。手持ちのカゴでいかな」
ぶつぶつ言いつつも、公衆電話のお釣を誰か取り忘れてないか、
そんな所にもアンテナを張っているのでした。

お目当ての卵、残り1個のところでギリギリセーフ、玉ねぎも3個買って
卵 68円
玉ねぎ3個 27円
合計99円

近くの精肉店でも鳥皮100gを31円で購入。
ようやく朝食作りが始まりました。

濡れた鍋底は拭いてからコンロに火をかける。
城島家ではもう常識の光景。
どうやら味噌汁を作っているようです。

そんな朝から働く茂子を見た悠太、
「お母ちゃん手伝うことない?」
我が子の嬉しい一言に感動、だが…
「お父ちゃんとえらい違いやなぁ。また思い出してしもうたがな…」
複雑な家庭環境、夫のことが忘れられないのでしょうか。

朝買って来た玉ねぎは、輪切りの外側だけ炒め、中に卵を落とす。
こうすることで真ん丸の目玉焼きが出来る、茂子流アイデア料理です。
さらに鳥皮の炒め物など、栄養満点の朝食。

城島家 朝の生活費
食材費 130円0銭
電気代 10円72銭
ガス代 5円63銭
水道代 1円20銭
合計 141円50銭

小さなちゃぶ台を丸く囲む、一家団欒のひととき。
朝から会話も弾みます。
「どれが美味しい?」
「…全部!」
「幼稚園でも女の子に甘い言葉ささやいてんちゃうか?好きな子おんのか?」
「うん…」

「どんな子や?」
「たかつぐくんっていう…男の子」
「アホか!女の子見なさい!女の子を!」
「お母ちゃんっておかまなの?お父ちゃんがいってたもん…」
「お父ちゃんのこと話しな!権利書持ち出してあの人…」

ついつい口に出してしまう茂子、あの人のことが頭から離れないらしい…。

「シェイク!シェイクシェイク!」
何を振っているのか?
振っているのはお茶を入れていた容器。
気になるお茶の黄ばみを取っているらしいのだが…
これは茂子流、洗剤を使わない洗い物。
お茶の入っていた容器に卵の殻と水を入れ、
激しく振ると黄ばみがスッキリ落ちるのです。

さらに、鍋の焦げ付きも玉ねぎの皮と水を入れ、しばらく煮ることで
ピカピカに。
洗剤要らずの洗い物で、洗剤代2銭の節約。

洗剤要らずの洗い物の後は、電気いらずの掃除。
「タタミの目に沿うように!」
厳しい号令を飛ばしながら、子供たちに掃き掃除を教えています。
「掃除とゴルフは目を読むこと!」
掃除も茂子流なら教えかたも茂子流…

最後に集まったゴミは掃除機で。
でも電気代をなるべく使わない様に、ここも真剣勝負。
ノズルの角度、メガネの調節、額の汗…
全ての準備が整い、掃除機のスイッチに指をかけます。
「うをりゃ!…掃除機1銭くらいか…」
スナイパーのような茂子、この時ばかりは少し女を忘れてしまったようだ。

次に取り出したのが輪ゴムをラップに巻いた謎の道具。
これは行ったい何?
カーペットをこの道具で擦ってみると、何と輪ゴムの摩擦力で
小さなほこりが見る見るうちに取れていくのです。
まさに魔法のような道具、しかも材料費0円で電気代1円60銭の節約。

今度は朝食であまった玉ねぎ切れ端を取り出した城島家の3人。
次ぎは何の掃除なんでしょうか…
3人が集まったのは窓ガラスの前、玉ねぎの切れ端で窓拭き?
何と、以外にも玉ねぎに含まれる成分が、
窓についた白い曇りをキレイに取りさってくれるのです。
洗剤4銭の節約。
城島家の節約生活、今日も順調です。

掃除が一段落して、お腹が減ってきました。
今日は茂子が子供におやつを作ってあげるようです。
小さな穴をたくさん開けた空缶に針金ハンガーを伸ばして取り付けた装置、
そしてザラメ砂糖。
ろうそくに点した火であぶるようですが…
「ちょっと待ってや」
どうも切り札は、子供たちのおもちゃのモーターのようです。
「ちょっと借りるで〜」
針金にモーターを取り付けると高速回転をする空缶。
準備は整ったようです。
果たして何が出来るのでしょうか?
「甘〜い匂いしてきたで」
くるくる回る空缶からはクモの巣のような糸が…
なんと、茂子はてづくり綿菓子をつくっていたのでした。
割り箸ですくって、祭りで食べたようなあの綿菓子の完成!
材料費0円の綿菓子、3人で仲良く食べました。

そろそろ日も暮れて、夕食の準備。
でも城島家では鬼の絵を描いて遊んでいます。
しかもお面にしてかぶったりして…
何か企んでいるのでしょうか?
すると…
「鬼は〜外!福は〜内!」
そう、この日は節分だったのです。
そそくさとお面をかぶり、豆まきの声のする方に駆け寄る3人。
「アイタタタ!もう降参や〜!」

自ら鬼になり、豆をぶつけられてきた茂子。
でも割烹着のポケットには大量の大豆が。
戦利品ゲットの作戦、見事成功したようです。
今夜の夕食は大豆ハンバーグ。
卵と玉ねぎは朝買って来たので、実質材料費は0円。

「美味しい美味しい。肉と間違うわ〜」
こうして城島家の一日はふけていきました。

城島家 今日の生活費
食材費 130円0銭
電気代 10円72銭
ガス代 14円67銭
水道代 6円2銭
合計 161円67銭

布団に川の字になって就寝。
目が覚めると明日も節約の一日が待っています。
一日の疲れを癒す為に安眠。
しかし、こんな夜更けなのに電話のベルが鳴りました…
「だれや〜こんな時間に…。ア、アンタ!」
茂子の言うアンタとはもしかして…

毎回驚くアイデアを見せてくれる茂子。
なかでも綿菓子づくりはスタッフの間でも凄い反響だった。
味はそっくりそのままあの綿菓子の味。
しかも簡単に作れるということで、しばらくの間、綿菓子が流行った時期も…
特に驚いたことは、材料はザラメ砂糖の代わりに飴でもできるということ。
ドロップで作れば色付きの綿菓子ができるし、
のど飴でつくれば、味がスースーする不思議な綿菓子の出来上がり。
今度はどんなアイデアを見せてくれるのでしょうか…
 
未来の車 ソーラーカーは作れるか!?

来るべき未来生活に先駆けて、男たちが始めたこととは、
そう、「ソーラーカー作り」
ガソリンを全く使わず太陽光を動力として動く、この未来の車

前回、84,000円で土台となる軽のワンボックスカーを購入
ソーラーカー、すなわち電気自動車の心臓部であるモーターの動力を考慮して、
140kgの減量に成功した

これでソーラーカーの土台が完成した
いよいよ命を吹き込む作業が始まる…

ソーラー博士、山本梯二郎氏によると
ソーラーカー作りに重要なものは「ソーラーパネル、バッテリー、モーター」の3つ
この3つが無いと未来の車は走らない

ソーラーパネルは山本博士が以前、研究で使っていたものを頂けることになった
残るはモーターとバッテリーである

そこで、ソーラーパネルの装着作業を松岡、モーターとバッテリー探しと装着を達也、
と作業を分担することに

達也「おっ!これいいんじゃない?」
山本博士に紹介してもらった工場にいらなくなったバッテリーをもらいにきた達也
ひとつひとつに豆電球がつくかチェックしながら、まだ使えそうなバッテリーを探す

その頃、松岡はパネルの装着作業中
まずは薄くて割れやすいソーラーパネルを乗せるための土台を作る

車に乗せるパネルの数は12枚。その大きさに合わせて枠を作る
松岡「自分…不器用ですから…」
と言いながら、黙々と作業を続ける

そのいつもとは違う(?)寡黙でしっかりとした作業は、佐藤スチールの社長さんも
「今度、暇な時に働きに来てくださいよ」と言わせるほどであった

枠が完成したら、その上に敷くアルミ板を乗せる。
この時に少しアルミ板を湾曲させる。そうすることで空気抵抗が少なくなり、
パネルが割れにくくなるのである
アルミ板を乗せて、その上にパネルを装着し、配線をすれば完成となる

一方、モーターを探している達也は…?

達也「ウオォ―――!」

なんと達也は遊園地に来ていた。そして何故か、アトラクションに乗っている
そして…
達也「おっ、あれとか早いんじゃない?」など、何やらしきりアトラクションを見ている
実は、このアトラクションのモーターを頂こうとしていたのだった

職員の方に聞いてみると、昔に引退したアトラクションのモーターを頂けることになった
そのアトラクションは「でんでんむし」というモノレール風の乗り物

「"でんでんむし"って名前だけど、スピード出るの?」と心の中で思いながら、
そのモーターを見せてもらう
すると、引退したものとはいえ、姿も新しく、
ボルト数もソーラーカーを十分動かせる動力を持っていた

「新しく作るソーラーカーに使ってもらえるなら」という職員の方のご好意で
ソーラーカーに必要な3つの材料が全て揃った
達也も松岡同様、春山モータースに戻り、取り付け作業に入ることに

まず作らなければならないのが、モーターを乗せる土台
もともとエンジンが入っていた部分にモーターを入れるので、
ぴったりはまるように土台を作る必要があるのである

ガスバーナーで鉄を切断し、その形に合わせて溶接する
飛び散る火花にビビりながらなんとか作業終了

その土台とともに、車に装着する
広いエンジン部に5分の1ほどの大きさのモーターが取り付けられた

達也「これソーラーカーの心臓だよね」
と、少しずつ命が吹き込まれてきたことに満足気な達也

さらにバッテリーを連結し、モーターに直結させる
8つのモーターを直列に繋ぐ作業をしていたその時である
バチバチッ!!
達也「ウォー!危ねー!」
突然飛び出る火花に思わず後ずさりする達也とカメラマン
幸い、バッテリー自体の損傷はなかったので作業を続け、なんとか終了

達也「さっきはごめんなー。良い子、良い子」
まるで我が子を労わるように、車をさする達也

さらに、クラッチやその他の部品を取り付けている頃…

松岡「できたよーっ!」
大事そうに運ぶその手には完成したソーラーパネルが

達也「おぉー!すごいじゃん!」
その姿は未来の車に相応しいフォルム
松岡「これをバッテリーに装着すれば、もうこの車は止まらないゼ!」
作った松岡本人も、出来にはかなり満足している様子

車体に空けた穴から配線を通し、バッテリーに接続する
松岡「よしっ、これで出来た!」
達也「これ絶対、注目されるよ!注目度120%だね」
達也も完成が待ち遠しい様子。そしていよいよ試乗

松岡「なんかワクワクするね」
達也「いくよっ!スイッチオン!」
運転席に座った達也がキーを入れる。すると…

松岡「…音しないよ…」
達也「何言ってんの、電気だから音がしないんだよ」

とアクセルを踏んでみるが、動かない

何か問題が発生したのか…?
困惑する2人を見て、サポートしてくれている春山モータースの河部さんが一言
「もしかして、充電してないんじゃないの?」

達也・松岡「…」

松岡「ねぇ、充電してないの?」
達也「(首を振る)してないよ」
松岡「何でしてないのよ!」
達也「そんな事言ったって、パネル持ってくんのが遅いからできなかったんだろ!」

言い争っているだけでは、怒りは充電できるがバッテリーは充電できない
そこで、車を日の当たっている所まで持って行き、充電することに

待つ事、3時間…

松岡「おっ!溜まってんじゃん!」
達也「感動だね!」

バッテリーの残量を示す計器が満タンとはいかないが、ほぼ充電されていた

今度こそ車は動くか!?いよいよ試乗、キーを回すと明らかに前回とは違う反応
そこで、室内灯を付けてみると…
松岡・達也「ウォーイ!」
しっかりと灯りをともした。そこでさらにワイパーを動かしてみると…
松岡・達也「ウォーイ!!」
自分が元気なことを主張するようにワイパーが左右する。そして…

達也「よしっ!いくよ!スタート!」
遂に達也の右足がアクセルを踏み込んだ。果して車は動くのか?

松岡「…んっ?」


いくら達也がアクセルを踏み込んでも、全くソーラーカーは動かない…
充電が足りなかったのか?いや、十分日の光を受けたはず…
そこで、ワイパーを動かしてみると、どこか弱々しい印象を与えながらも動いた
松岡「でも動いたってことは、俺らパネル班じゃないよね?」
ということは、動力系に問題があるのか?各所をチェックする達也
そして、バッテリーをチェックしたその時である

達也「…(苦笑い)」
松岡「ここ外れてない?ここまできてそういうことする!?」
達也「だって、しょうがないじゃん!!」

言い争ってもソーラーカーは前に進まない。しっかりと取りつけて、3度目の試乗

松岡「頼むよ!3度目だからね!」
運命は運転席に座った達也に託された。チェックしても付け忘れたものはない…
これで動かなかったら、もうこの車はダメかもしれない…

そんな気持ちの中、再度ワイパーを動かしてみる
すると、「もう大丈夫!」と車が言っているかのように元気に左右するワイパー

達也「よしっ、行こう!出発!!」アクセルを踏む達也、果して…?
松岡・達也「おっ!動いたー!!」

ゆっくりとそして静かにソーラーカーは動き出した!
松岡「うぉー!すげぇー!」
達也「すごい!すごい!

静かに動くソーラーカーに反して、工場内に2人の歓喜の声が響く
そして、そのまま工場の中を出ようとした、その時である
「チョット待って、ちょっと待って!出ちゃだめだよ!」
突然、車を止めようとする河部さん

「何で、せっかく動いたのに…」と、2人も戸惑いを隠せない。すると
河部「まだこの車、車検取ってないから公道に出れないんだよ」

ガソリン車からソーラーカーへ改造をしたこの車、ガソリン車としては
車検を取っていたが、全て改造した段階で申請し直さなければならないのである

達也「今、何メートル走った?」
松岡「でもちゃんと走ったよね」

満足気な2人。とりあえずこのままではいけないので、バックして元の位置へ戻る

松岡「バックも順調だね。ちゃんと動いてるよ」
達也「ちょっと待って、何か変なんだよね…」

何やら達也の様子がおかしい…もうすぐ後ろは壁が迫っている
松岡「ねぇ、1回前に出した方が…」
と、松岡が言いかけたその時!!
ガッシャーン!!
工場内の壁に激突してしまったのである!
松岡「何やってんだよ!1回前出せって言ったじゃねぇーか!」
達也「だって、このバックがおかしいんだよ!」
よ!」

果してどうなる?ソーラーカー?

珍しく(?)黙々とソーラーパネルの装着作業を続けた松岡
その態度と仕事の出来には工場の社長さんも太鼓判を押すところでした

そして、その作業の休憩中、休んでいた松岡に社長さんが声をかけました
社長「ちょっと松岡君、いいかな?」

突然、松岡をあるところへ連れ出した社長さん。そして…
社長「これなんだけどさぁ、ちょっと手伝ってくれないかなぁ?」

松岡の作業っぷりに惚れ込んだ社長さん、本当にスカウトしてしまったのです
そんなお願いにも快く答え、手伝った松岡を見て
社長「いやー!君みたいな若者は、最近そういないね!」
ますます松岡に惚れ込んだ社長さんでした…