DASH村だより 〜台風襲来〜
梅雨の寒さももう少しの辛抱。早く夏が待ち遠しいDASH村。
しかし、この日は空の模様が何やら怪しい。

気象には敏感な八木橋一家がジッと空を見上げている。
そう、台風がやって来たのである。全国的に猛威を振るってきた台風。
その勢いは、DASH村地方にもやってきた。

今まで体験したことのない強風と雨風に、つかさとつばさも今日は家の中でじっとしている。
大打撃を受ける前に何か対策を打たねば、と清が各所を点検。
倒れそうな食物には支柱をあてがい、台風未経験のアイガモ隊を避難させた。

その効果があったのか、翌日まで降り続いた暴風雨にも深刻な被害は出なかった。
台風一過の青空の下、元気良く飛び出したのはやはりこの兄弟。

このところ目についてきた生えかけの角を携え、村中を探検。
最近、兄つかさが興味を持っているのが「匂い」。

村中に咲く花々の匂いを嗅ぎ、その形を確かめる。
しかし、まだおっぱいから離れられないので、食べることはしない。

すると、豪快に草を食む父・八木橋の姿を見て、初めて草を口にしたつかさとつばさ。
口にしたのは、露天風呂の近くに生えていた「ヨモギ」。
弟・つばさはまだ早いのか、まだまだ食べ方がぎこちないが、着実に大人への階段を昇った瞬間だった。

「ついこのあいだ産まれたばかりだったのに…」
子供たちの成長の早さに、目を細める父・八木橋であった。
 
進め!つれたか丸 〜初ガツオは釣れるか!?〜
白波に負けじと、古びた体を走らせる・・・
いよいよ、海へ飛び出したつれたか丸、魚を求めて漁に出る。
待ちに待っていた喜びだが、本当の戦いはまさにこれからだった。
最後の難関、「船舶免許の試験」をクリアしたら、
そのときは訪れるのだが・・・

つれたか丸を修理していたある日のこと。
タモを持ちなにやらはしゃいでいる長瀬。
海から何かすくいあげたようだが、その正体は何なのか?



長瀬「捕まえた!」
陸に上がると同時に体を丸く膨らませる、奇妙な生き物。
どうやら「はりせんぼん」らしい。
憎めない顔つきが気に入ったのか、長瀬はこのはりせんぼんを飼うことにした。

名前は『ぷく』。
餌をあげてコミュニケーションを図ろうとするが、
どうやら機嫌が悪いようだ。
これからは海で孤独な戦いになる長瀬、
できれば仲良しになっておきたいところ。

ならばと、へそを曲げてしまったぷくのご機嫌を取るため、
もう一人、仲間を増やしてやることにした。
ぷくがいた辺りの海を、タモで再び探ってみる。



すると、タモの中にはまたもや何かの影が・・・
今度はどんな生き物が入っているのか?
陸に揚げてみたところ、気持ちの悪いぶよぶよした謎の生き物が。
長瀬「うわぁー!気持ちワリー!!」
その正体はアメフラシ。


寂しかった水槽が少しにぎやかになった気がするが、
ぷく、またもや膨れっ面。
どうも人見知りが激しいらしい。

どうしてもぷくと仲良くなりたい長瀬は、
いつも行動を供にした。
そう、こんなとことまで・・・

本を眺めながら、専門用語をつぶやく長瀬。
どうやら試験勉強のようだ・・・
そろそろ船舶免許の試験が近づいているのだった。
第一関門の学科試験では50問中33問正解しなければならない。
だが、どれも見慣れない言葉や図で、なかなか頭に入ってくれない。
しかし、これも船舶免許を取るため、つれたか丸で漁に出るため。
夜が明けているのを忘れるほど、必死に勉強した。

そして、迎えた試験当日。
時間ギリギリまで問題を繰り返す。
猛勉強の成果が出せるかどうか。
重い扉が閉ざされ、学科試験が始まった。
果たして結果はどうなのか?

試験を終え、会場から戻ってきた長瀬。
「難しかったー。ぜんぜんわかんなかった・・・」
持てる力はすべて出し切ったのだろうか?
合格発表まで、その答えはわからない。



雨が降る中、つれたか丸の最終調整は続いていた。
この日はもう一つの難関、実技試験の練習をする日でもあった。
操舵室の上で、雨に濡れながら作業は続く。
と、この日も行動を共にしていたぷくの様子がおかしい・・・
長瀬「ちょっと待った!何あれ?!」
いつも見守っていたぷくのすがたが水槽に無い、
というより見えなくなっていた。
紫色に変化した水槽の水、まさか・・・

長瀬「なんか出てる!何だよお前!!」
その仕業は、もう一人の仲間、アメフラシだった。
外敵が現れると威嚇するために紫色の液体を出すアメフラシ。
ぷくは膨らむし、アメフラシは液体を出すし、
なかなか個性が強い仲間たちだ。

いったん、アメフラシとぷくを離そうとする長瀬だったが、
手に取るのに気持ち悪いアメフラシ、追い出すこともままならず、
結局一緒に飼うことにした。

そんな仲間とのコミュニケーションから一転して、長瀬の顔が引き締まる。
船大工・安藤さんに教えてもらう、実技試験の練習だった。
安藤さん「あそこに着岸しよう」
岸に船をつける着岸、車で言えば縦列駐車に近い。

着岸のコツは、岸に近づいたら惰性とバックでスピード調整をし、
30度の角度で進入。
舵の調節で静かに着岸するのが理想だが・・・

すこし嫌な角度で入るつれたか丸。
そろそろ舵を切ったほうが良いと思うのだが・・・
スピードが収まらず、どんどん近づいてくる岸、あわてる安藤さん。
そして・・・
大きな音を立てて、岸に衝突してしまった!
つれたか丸、大丈夫か?!

これまで自らの手で修理をしてきた長瀬、
どこか壊れてしまっていないだろうかと複雑な表情。

しかし、失敗を恐れていては何もできない。
再び、同じ場所への着岸を試みる。
舵を切り返し、レバーを細かく調節する。
果たしてうまくいったのか?

車のようにミラーも無く、しかも潮や風に流されてしまう。
だが、少し岸から離れてはいるが、平行に収まったつれたか丸。
いや、船の着岸はここからロープなどで手繰り寄せられるから、
経験の少ない長瀬にとっては上出来な着岸であった。

なかなかいい腕前をしている長瀬、実技試験も終了して合格発表の時。
果たして結果は?
軽くお祈りをした後、受験番号44番は・・・
長瀬「・・・受かってた!」
とうとう、海で漁をするための最終関門、
船舶免許の試験をクリアすることができた。

朗報を聞きつけた安藤さん、長瀬に内緒であるものを作っていた。
木でできた、小さい物だが、これは一体何なのか?

2002年6月18日、つれたか丸出港の日。
安藤さん、内緒で作ったアレを見せるために、早速長瀬を操舵室に連れて行く。
新しく操舵室に作られたもの、それは
長瀬「あ!守り神?!」
今も昔も船には必ず、神様を祀る習わしがある。
そのための神棚、つれたか丸がこれからも安全であるように、
試験に合格したその日、安藤さんが作ってくれたのだった。

すると長瀬、操舵室の隅にあった何かを発見。
それは、かつての船の持ち主のものであった古いお守りであった。
二人で神棚にお祈りする。

午前5時。出港の時間がやってきた。
冷たい雨が降り、肌寒い朝だが、海の厳しさに比べたら
なんてことはない。
しかも、これからは安藤さんも頼れない孤独な戦いが待っている。
ハンドルを握り、海の男らしい顔つきになる。
エンジンをかけ、船長・長瀬は思いのままに海を走ることを許された。
雨の茨城県磯崎漁港。
思い出の詰まったこの場所から向かう先はどこなのだろうか?



この季節、旬な魚といえば・・・
そう、初ガツオ。
日本列島の南、東南アジアから太平洋を北に向かって大きく流れる「黒潮」。
毎年5月ごろに、この流れに乗って北上をしてくる魚だ。

しばらくつれたか丸を走らせ、たどり着いた漁港。
すでに漁船が次々と漁に出ていた。
相手はプロの漁師たち、少しでも多く魚を取るためには負けていられなかった。

荒波の中、しぶきを高く上げ、スピードを出すつれたか丸。
雨なのか海水なのかわからない水が、体に吹きつける。
初めての漁で、厳しい闘い。
そして、狙うカツオはどこにいるのだろうか?

と、どこからか声がする。
「どうだ?水温上がったか?」
「まだ水温は上がりませんよーまだ上がりません」
「現在の水温は17度5分・・・」
長瀬の耳に届いたのは無線からの情報交換。
漁師たちはこうして協力し合い、カツオの群れを見つけているらしい。
そして、長瀬が目をやったのは水温計。
ここは17度4分、あと20〜30分走らせると、20度まで上がるらしい。
無線と水温計。
初めてのカツオ漁で、頼もしい情報源だ。

この時期の黒潮の平均温度は約24度。
実は黒潮の中心からすこし離れた、この20度付近の層をカツオは好むようだ。

15ノット(時速27km)で南下するつれたか丸。
水温計の表示もぐんぐん上昇している。

水温計が19度を越えたころ・・・
長瀬「なんだあれ?」
しばらく海と空しか見えなかった周囲に何か変化があったらしい。
長瀬の目に映ったもの、それは突如現れた鳥の群れ。
その数百羽以上。
しかし、なぜ突然鳥が多くなったのか?
何か海の変化を表すシグナルなのだろうか?

すると、無線から漁師たちの会話再び。
「カモメが餌を求めていっぱい飛んでいるぞ」
突然多くなった鳥の群れは、やはり魚がいることをしらせてくれていたのだ。

この鳥の群れを"鳥山"といい、カツオと同じようにイワシを追って、
飛んでいる。
つまり、鳥山の下=カツオの群れがいるという確率が高い。



そろそろカツオを釣る準備にかかる。
船の両脇から竿を張り出し、船で引っ張りながら走る「曳き釣り」。
仕掛けを船の後ろから流し、疑似餌にかかったカツオを引き上げる。
ヒコーキ、潜行板など、疑似餌に魚のような動きをつける漁具を流す。

回りの船を参考にし、みようみまねでやってみるが、
うまくいくのだろうか?
なんと言っても最大の難関は、船を操りながら、後ろに流れる針を
気にしなければならないこと。
後ろばかり気になって、操縦がおろそかになってもいけない。

すると、長瀬あることに気付いた。
「(海が)黒くなってきた」
しっかり海を見つめていると解る、「潮目」。
海面がはっきりと分かれているここは、温度の境目でもある。
つまり、獲物であるカツオがいるチャンス。
初ヒットなるか?

水温20度8分。鳥山も一段と増えている。
興奮して前のめりになる長瀬、鳥山の下にカツオがいるのではと、
黒い集団の中に突っ込む。
しかし・・・
竿にまったく反応が無い。
一体何がいけないのか?

実は、カツオの群れは海面近くにいるため、突然船が突っ込んでくると
びっくりして群れが割れてしまう。
なかなか思うように行かないカツオ漁。
あせりは禁物らしい。

そこにいるのはわかっているのに、なぜかつれないもどかしさ。
一旦つれたか丸を泊め、
一度、針を上げて仕掛けを替えて挑戦しなおすことにした。
赤と白の疑似餌、長瀬は縁起が良いというが・・・
果たして次はうまくいくのだろうか?

だが、船を泊めたことが長瀬にハプニングをもたらした。
船の上では停止したときに一番揺れを感じるもの。
アメフラシの水槽は紫になり、長瀬の顔は蒼白。
船酔いしてしまったようだ・・・

急にぐったりしてしまった長瀬、しかしそれを尻目に、周りの漁師たちは
つぎつぎとカツオの群れを追いかけている。
ライバルは釣れているのだろうか?

しばらく雨に打たれながら横たわっていた長瀬。
しかし、再び立ち上がり舵を握りなおした・・・
そう、まだ長瀬は1匹も釣れていないのだ。

そして、長瀬の鳥を見る目にも変化が出てきた。
長瀬「いかにも魚を狙っていそうな鳥・・・」
そして見つけた今日最大のビッグチャンス。
長瀬「あそこいいなー」

海面をうねる「なぶら」は魚の群れがいる現象。
つまり、そこに行けば確実に魚がいるのだ。
失敗は繰り返したくない。
舵を握る手も慎重さが伺える。

群れを追い続けること数分、すると・・・
海面から飛び出る潜行板が!
初ヒット、釣り上げることはできるか?

長い糸を手繰り寄せる。
徐々に近づく潜行板、引き上げたその先には・・・
長瀬「カツオだー!!」
初釣り上げに興奮の長瀬。
つれたか丸と自らの手でつかんだ、体長31cm、美しく光り輝く初ガツオ・・・

これに満足せず、次のヒットを待つ長瀬。
しかし、これまで頼りにしてきた無線から悲しいお知らせが・・・
「天候が悪くなってきたから引き上げたほうが良いな」
体調も回復し、これからというときに天候悪化。
残念だが、今日はここで引き返すことにした。



お昼過ぎ、港に帰り海で見かけた漁師に話しかける。
彼の名は島田照昌さん22歳、記念すべき初ガツオを誇らしく見せる。
だが、彼のほうがもっとすごかった・・・
いつもよりは少ないけどと、見せてくれた籠の中には10匹以上のカツオが!
しかも、長瀬のカツオとはすこし違って大きい・・・

彼曰く、「これが本当のカツオ」
長瀬のカツオは宗太ガツオといわれるもので、初ガツオとはいえないらしい。
プロの腕を見せ付けられた長瀬。
始まったばかりの長瀬の挑戦は、これからもまだまだ続く。

長瀬にとって初めての漁だったが、撮影スタッフにしても初めての体験だった。
出港前は、未体験なだけにどうなるものかと、わくわくしていたが、
いざ出港すると、その元気も見る見る無くなり、みんな無口になってしまった。
はっきりと元気がなくなる原因は、陸。
船の上から陸がまったく見えなくなると、急に不安になり、
みんな自分がどこにいるのかわからなくなる錯覚に陥るようだ。
帰港した時はほとんどみんなフラフラ状態。
それでも水揚げの仕事を淡々とこなすプロの漁師を見て、
改めてその体力と精神力に脱帽するのでした。
 
恐竜を発掘できるか!? 〜完全発掘できるか?〜



川での発掘作業が終わり、近くの体育館で今までに発掘された首長竜の骨化石を並べてみる隊員たち。
太一「やっぱり首から上の骨が出ていないね」
城島「頭の骨を出したいとこやなあ」
出てきた化石数72点。そのほとんどは下半身の化石に集中している。
だが、発掘期間中に取り出された手つかずの1500袋分の岩盤、さらに212日目に発掘したあの薄い骨が頭部であることも期待しつつ、調査は始まった。


まずは、気になる薄い骨化石。これは、太一がクリーニング。
首長竜の頭の骨ではないか?と、期待を寄せていた化石だけに気合いが入る。

太一「この岩盤自体にも、まだいっぱい化石が入っていそうだな」
岩盤には、別の化石が含まれていることに気付いた太一。慎重に岩盤を割っていく。
すると、
太一「あ!歯だ!」
出てきたものは、鋭く尖った歯の化石。
鈴木先生「これは首長竜の歯ですね!」
開始早々、大きな収穫に興奮する鈴木先生。
すかさず太一
「先生すごいテンションがあがりましたね」
と、先生の様子に驚いたようだ。

さらに、同じ岩盤には脊椎骨らしき骨化石も!
形を壊さないように、注意深く取り出す太一。その形は、小さくて楕円形の脊椎骨らしき化石であった。
しかし、これはこれまで出てきた脊椎骨よりも楕円形で小さい。
これはいったい、どこの骨なのか?

首長竜の脊椎骨は、背骨の一番太いところから前後に行くにしたがい小さくなっていく。つまり、首と尻尾の骨は小さい。
では、この骨は首骨と尾骨のどちらの骨にあたるのか?
実は、首の方の骨にはある特徴があった。それは、背骨に比べると首の骨は楕円形のものが多い。
ということは、この骨は首骨なのだろうか? もし首の骨であるとすれば、あの薄い骨化石は頭部なのだろうか?

そして、いよいよ薄い骨を岩盤から取る作業に入る鈴木先生と太一。
形を壊さないように慎重に作業を進める。
すると鈴木先生が、この薄い骨に今までに見なかったある特徴を見つけた。
鈴木先生「何か段のようなものがある」
骨化石の一部に大きなくぼみがあり、周りよりも薄くなっている部分があるのだ。これは一体何を意味するのだろうか?

首長竜の資料を取り出す鈴木先生。その目先には首長竜の頭蓋骨の図。
「この骨は、普通の骨盤とかの部位ではなさそうですね」
鈴木先生も想像を膨らませている。
果たしてこれはどこの部位の化石なのか?




さらに残りの岩盤の調査は隊員によって続けられる。
すると、ここからも謎の化石が!
神田隊員が見つけたのは、長さ10cmほどの細長い「く」の字状の化石。
「ひょっとしたら頭の一部かもしれない・・・」

さらに、またもや神田隊員、今までにない硬いノジュールをハンマーでかち割ったところから、大きな歯の化石を発見!
クリーニングすると、これまでに出てきた首長竜の歯の化石よりも明らかに大きい。
果たしてこれは首長竜の歯化石なのか?

岩盤の調査は続き、首長竜の化石が続々と発掘されていく。
ミキ姉は5つの幼体化石、ラッキーは脊椎骨、ハンマーは肋骨、と1500袋あった岩盤は隊員たちの喜びで次々に消化されていった。
それを見つめるカフェオレまでも大喜び。



そして、すべての岩盤が無くなった。
新たに出てきた骨化石は76個。今までのほぼ倍の化石が発掘されたのだ。
これで、12パーツに分けた首長竜の骨のうち、前足と首骨を新たにふまえた9パーツが揃った。
だが、発掘した化石の中に狙っていた頭部と思われる骨は無かった。

再び体育館で全部並べてみる。隊員たちの想像で並べられた骨化石を上から見ると、首の骨と幼体の骨が多く出ていることが分かった。
太一「子供の手がすごく多くなったね」

と、そこへ長谷川博士がまたやってきてくれた。
早速、鑑定をお願いする。隊員たちの想像で並べた骨化石に、長谷川博士はどのような見解を出すのだろうか。みんなが注目する。



まずは、この首長竜の大きさ。骨盤の大きさから、よく博物館に展示されているものより一回り小さい、約5mだと推測する長谷川博士。

次々に鑑定していく長谷川博士。
すると、1つの骨の位置に気になっている様子。
それは、隊員の予測では脊椎につく神経の通る突起だったが、長谷川博士の鑑定は隊員の予測を大きく超えていた。
長谷川博士「これは、クビナガじゃないかもしれない。だが何かの動物の頭骨の一部だと思う。神経突起とは異なり左右の形が違うし。」
なんと頭部の骨であると推測したのだ!
果たして、この化石は頭骨なのか?

続いて、太一が発掘した薄い骨を見てもらう。
すると鈴木先生「これはモササウルスの顎に近いような気がするんですが」
と、長谷川博士に歩み寄る。
実は、先生は近くの石炭化石館でその骨をもって調べに行っていた。
「なんでそんな重要なことかくしていたんですか?」
と太一。
長谷川博士「欠損部分が多いため判定が難しいが、頭部の骨よりは顎の一部と考えられるだろう」
完全な鑑定は出来なかった。

さらに、神田隊員の出した「く」の字をした骨化石。
太一も芸術的な骨化石だと絶賛するほどの特徴ある化石。
長谷川先生「首長竜ではなくて、別の動物の肋骨ではないか」
という見解が出された。
だが、これだけでは詳しくわからないようだ。

長谷川博士「いろいろな化石とくらべてみないとわからないなあ」
太一「博物館にあるような、僕たちなりの全身模型は出来ないですかね?」
長谷川博士「発掘されなかった部分は、これまでに出てきた骨を参考にして作っていけば、全身模型も出来る」
太一「実際どのくらいの大きさのものなのかも知りたいし、自分たちの見つけた骨で模型を作りたいよね」
城島「模型を作れば、今まで出てきた骨がどの部分であったのか、すぐ判断つきそうやね」

こうして、レプリカ作りは始まった。全員の願い、8000万年前の首長竜を見るために、作業は急ピッチで行われた。
さらに、隊員たちは地元の博物館にこれまで出土した化石を寄贈することに!



いよいよ首長竜の全貌が明らかにされる!
果たしてどんな姿の首長竜が甦るのか?
そして、確証の得られない、あの3つの謎の化石の正体はいったい何なのか?

6月に入り、本部でのクリーニング作業に余念のない発掘隊員たち。なんといっても手がかりは、掘りつくした岩盤1500袋。その中から化石を一つでも多く見つけようと、日夜励む隊員であった。
そんなある日、作業場で一人もくもくと働く神田隊員。
その他の隊員はというと、なにやらみんなテレビを見ている様子。
実は、ワールドカップの日本戦を見入っていたのだ。
この日ばかりは、日本代表を応援しようとサポーターになりきる隊員。
しかし、サッカーより恐竜とばかりに作業場で一人もくもく働く神田隊員。
が、カフェオレまで日本代表のユニフォームを着て応援しているのを知って、みんなの歓声が聞こえるたびに、耳はサッカーに行っていたようだった。