2013年12月8日 放送内容DASH海岸 ~アカエイ~

東京湾の工業地帯の一角にあるDASH海岸。
その干潟には、潮の満ち引きによって様々な生き物が取り残されている。
城島、達也が発見したのは…
城島「潮だまりができてる」
干潟にポツンと空いた大きな穴。
似たような穴が、あちこちに7か所も。
よく見ると、穴の淵には尻尾の跡も。
城島は、以前同じような穴を鹿児島の干潟で見ていた。
城島「アカエイの作った潮だまりですか」
その穴は、サメの仲間で、海底で生活するアカエイの仕業。
体を震わせて、海底の砂を掘り、普段は砂の中に隠れている。
潮が引くと、アカエイのいた穴は丸い潮だまりとなり、そこに取り残された生き物のすみかとなる。
TOKIOが追い求める、今や東京湾では幻のエビと呼ばれる、王様クルマエビも、この潮だまりで大きく成長する。
もしかしたら、クルマエビも来ているかもしれない!
潮だまりを調べてみると、チチブ、ユビナガホンヤドカリ、さらにアカエイの大好物のアサリが。
達也「アサリがどんどん出てくる」
木村さん「これだけアサリがいれば、アカエイも来ますよ」
さらに、潮だまりで発見したのは、DASH海岸では初めてのカニ。
それを見た木村さんが大興奮!そのわけは…
木村さん「つい最近日本で発見されたんですよ!」
それは、今年8月に発見者である東邦大学の風呂多名誉教授によって名付けられたハクライオウギガニ。
もともとは南国に生息する外来種のカニだが、貨物船などにはり付いて日本に来たと思われる。
城島「もうちょっと早く発見していれば、DASH海岸が1号だった」
木村さん「もしかしたら命名できたかも…」
思わぬ大発見に驚く男達だが、次々とこのカニを発見!
達也「なんで!?」
木村さん「しかも卵持ってる」
達也「もう繁殖だ」
海のベテランの木村さんも、その数には驚くばかり。
そして、忘れてはいけないのが、エビの王様のクルマエビ。
城島「クルマエビいたら、ちゃんと言ってくださいね」
そんな城島が、潮だまりの中で見つけたのが…
城島「クルマエビ!?」
ではなく、体長15cmのブラックタイガー。
本来は、東南アジアなど南国に育ち、9年前東京湾で発見された時は新聞に載った程珍しく、その名の通り、クルマエビに比べ色が黒い。
達也「なんなの、ここの海岸」
外来種のハクライオウギガニやブラックタイガーは、もともとは東京湾にはいなかった生き物。生態系が変わり始めているのは問題だが…
達也「アカエイ様々ですね」
城島「仲間が増えた」
しかし、そのアカエイの増加が、ある問題になっているという。
江戸時代、東京湾のアカエイは人々の大事な食料だった。
しかし最近では、食べる習慣がなくなり、獲っても海に戻すため、その数は増加の一方。
その結果、尻尾の鋭い毒針に刺される被害が増えているという。
激しい痛みに襲われ、呼吸障害などの症状を引き起こす。
こうしてアカエイは、今では、海の嫌われ者になっている。
そこで、東京湾で増えすぎたアカエイの実態を大調査!
アカエイだらけの海を見せてくれるのは、ベテラン漁師の宍倉さん。
東京湾で漁を行う事47年。最近、アカエイに悩まされているという。
やって来たのは、DASH海岸のすぐ沖。
アカエイを捕まえる漁法は、全長25mの網を沈め、船で引きながら海底の魚を獲る底引き網漁。
達也「どれぐらいかかるかな?」
果たして、東京湾がアカエイだらけというのは本当なのか?
網を沈めて1時間後、引き上げてみると…
城島「大きいタチウオだ!」
鋭い歯を持つ、肉食で凶暴なタチウオ。
さらに網を引き上げていくと、中には…
達也「気を付けて!」
他の魚に混じって、大量のアカエイが!
宍倉さんによると、以前別の漁師さんが捕まえたアカエイも混じっているらしく、その証拠に、
宍倉さん「漁師が尻尾の針を切って逃がした」
見ると、尻尾にあるはずの針がキレイに切り取られていた。
しかし、他のアカエイには、長さ5cm程の毒針がついたまま。
城島「こんなん刺さったら痛いわ」
この針はギザギザで、一度刺されたら抜けない構造になっている。
そのため、刺されないように注意が必要。
一回網を入れただけで獲れたアカエイは、なんと7匹!
確かに、東京湾にはアカエイが大繁殖していた。
そんなアカエイに混じって、網に入っていたのは、
宍倉さん「トンビエイ」
正式名はトビエイ。横浜では、鳥のトンビに似ているのでトンビエイとも言われるエイで、アカエイ同様に、鋭い毒針を持つので注意が必要。
さらに、コモンカスベと呼ばれるエイも。
こちらにも尻尾に針があり、当然刺されるとかなり痛いが、毒はない。
DASH海岸沖には、アカエイ含め3種類のエイが生息していた。
エイの他には、今が旬の高級魚エボダイ。
小ぶりのタイで、干物にするとうまみが凝縮。
さらに、カエルアンコウの仲間のハナオコゼ。
足のようなヒレを動かし、歩くように移動する可愛い魚。
木村さん「相当珍しいです」
貪欲な肉食の魚で、大きく開く口で、自分ぐらい大きな魚も捕食する。
そして、気になるのは、網にかかった大量のアカエイ。
城島「なんか、東京湾でも使い道がないですかね」
木村さん「美味しく食べた方がいいですよね」
そこで、お越し頂いたのが、和の鉄人こと中村孝明さん!
モットウは、『冒険のない料理人に進歩はない』。
以前、DASH海岸で増えすぎたチチブを見事な天ぷらに調理して頂いた。
実は、長崎出身の中村さんにとって、エイは幼い頃からのなじみの味。
九州では、現在も市場にアカエイが並んでいる。
早速、和の鉄人にアカエイを調理して頂く!
まずは、アカエイを脊髄に沿って金串を刺す、神経締め。
こうする事で、身が硬直せず、エイの鮮度が保たれる。
続いて、ヒレの部分を取り除く。
軟骨のコリコリ感が美味しいエイヒレは、アカエイからも作られる。
さすがの手つきで、次々とアカエイを捌いていく和の鉄人。
その技を盗もうと必至なのは、料理が趣味の43歳独身男の城島。
こうして新鮮なうちに捌かれたアカエイは、刺身でも美味しい。
優しく触らないとつぶれてしまう程やわらかいその身は、臭みがなく、繊細な甘みと程よい弾力が絶品。
捌いた身は、しっかりと塩もみした後、湯がいてアクを取る。
そこに砂糖とみりんを加え、さらに揚げたニンニク、3種の味噌、コチュジャンを入れて煮詰める。
中村さん「これを入れるとキレイな照りが出ます」
その照りが出てきたら、チンゲンサイや白髪ネギを添えて、アカエイの味噌煮の完成。
さらに、もう一品。
それは、和の鉄人いわく、エイの食べ方では一番美味しいものらしい。
非常に複雑な作り方だが、一言で言えば、醤油漬けにしたアカエイの身に香り豊かな香草をたっぷり挟んで一度焼き、さらにパン粉をまぶして高温の油で揚げて作るフライ。こんがりと油で揚がったら完成。
中村さん「アカエイの香草焼きの香草揚げ」
こうして出来上がった、和の鉄人による絶品アカエイ料理。
まずは、熱々の香草揚げから頂く。
城島「香り豊かな身が美味しいわ!」
木村さん「うまぁい!」
3種の味噌とコチュジャンでじっくり煮込んだ味噌煮は、
達也「味が深い!身がモチモチ、フワフワ、プルンプルン!」
中村さん「俺が作った中で一番うまいよ!皆さん、エイを食べてください。美味しいよ!」
そして、DASH海岸で待望のご対面!
城島「大きめの潮だまり」
それは、今年の4月に干潟に設置した、2m四方の潮だまり。
その中にいたのは、アカエイの子供!
達也「カワイイ!」
見ていると、体を震わせて、砂の中に潜っていった。
こうして、砂を掘って柔らかくしてくれる有り難い存在。
城島「干潟を耕してもらいたいね」
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