2014年1月12日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

秋も深まるDASH島、森の様子も日々変わっていた。
落ち葉に紛れ、辺り一帯に落ちていたのは“実"らしきもの。
達也「柿?すげーいっぱい(実が)落ちてるよ」
と、上を見上げると、木にたわわに実る、柿の実。
これは、DASH島で自然に生えた天然のものなのか、それとも、かつての島民が、手塩にかけて育てていたものなのか。
とにかく、柿の実を採ってみることにしたが、かなり高い場所に生っている。
そこで、身のこなし軽い39歳、太一が木に登る。
そして、城島、達也と自分の分で計3つをもぎ取る。
が、一口かじってみると、渋くて食べられたもんじゃない。
あとで調べてみれば、渋柿ではなく、岐阜県発祥の富有柿。
木の上で自然と渋みは抜け、甘い果肉と果汁になるはずなのだが…
達也「そりゃ、鳥も食わんわ」
美味しく食べられるまで、しばし待たなければ。
一方、冬に向けて待ってはくれない仕事があった。
日に日に冷たくなる海風の中、この日も舟屋の作業。
屋根の瓦葺きは残りわずか、屋根の一番上、棟瓦(むねがわら)に取り掛かる。
“のし瓦"という瓦を積んだ上にカマボコ状の“冠瓦(かんむりがわら)"。
これが終われば、重みで瓦が飛ばないうえに、建物自体も安定する。
接着剤代わりに土を盛ってならしたら、その上に瓦を載せていく。
まず初めに使う瓦は、島中からかき集めた、のし瓦。
棟瓦の下の部分に5段ほど積めば、重さで屋根を押さえてくれる。
が、その前にのし瓦を半分にするひと手間が。
叩く面が四角くなった瓦槌(かわらづち)を使い、目印の線上を叩くと、そこから半分に割れる。
以前、屋根のほとんどを占める“桟瓦(さんがわら)"を半瓦に割って調整する際、上手く寸法に合わせて割れずに苦戦していた達也も、
達也「おれ超上手!(きれいに割れて)気持ちいい」
コツを掴んだのか、腕も上達した様子。
こうして揃えた半瓦を割ったもの同士、向かい合わせに置いていき、並べて5段、積み重ねていく。
しかし、城島はあることが気になっていた。
城島「(のし瓦の)継ぎ目が互い違いになってる」
鬼師の菊地さんいわく、これは、雨水を逃がすための工夫。
のし瓦を揃えて積むと、雨水がその継ぎ目を通って屋根の下地へ。
雨漏りや傷みの原因になる。
だが、のし瓦を何段も互い違いに積むことで、雨水は、屋根の下地に到達することなく、瓦の外へと流れ出していく。
こうして瓦葺きの作業が続く中、達也は島の南側の岩場へ食料調達に。
冬になり水温が下がる前に、この年最後の潜り。
手にしているのは、港跡で魚を仕留めた一撃必殺の道具・ヤス。
水深は6m、そこには海藻に潜む、たくさんの魚たち。
さらに、その下、岩の裂け目には干物で上手いスズメダイ。
奥には、煮物が絶品・メバルの群れや、コブダイなんて大物もチラホラ。
しかし、このヤスを水中で使うのは、達也も初めて。
岩の間に潜む小魚を狙うが、水の中では踏ん張りも利かず、ことごとく、獲物に逃げられてしまう。
そこで、魚が気づく前に突けるよう、潜る距離の短いより浅い水深へ。
だが、この日の水温は18度。冷える体に達也も諦めかけた時、水深3mの岩の窪みにスッポリと、大物・アワビの姿が!
そこで、道具を手カギに持ち替え、獲物をアワビに変更。
しかし、岩の窪みに入り込んでしまい、さらに、強固に張り付いたアワビは簡単に剥がれない。
息の続く限り格闘した結果、3匹のアワビをゲット。
シーズン最後の獲物は、島一番の高級食材となった。
舟屋の作業を終えた城島と太一も合流し、いつもの網焼きで頂く。
達也「柔らかいところとコリコリしたところがあって美味い」
日を改め、この日も朝から瓦葺き。
3日がかりで積んだのし瓦は、5段480枚。
だが、まだ一番上に“冠瓦"を葺く仕事が残っている。
この冠瓦を固定すれば、屋根は雨風にも一層強くなる。
必要なのは、カマボコ状の瓦。
集落跡で瓦を集めた時に見つけた、カマボコ状の“素丸瓦(すまるがわら)"は、現代では、雨漏り防止に桟瓦の継ぎ目に被せるように使われているが、元々は、冠瓦としても使われていた。
この素丸瓦、状態の良いものを40枚あまり使う。
これを、つなげて葺いていくが、ここでまたひと手間。
銅線で屋根に固定するため、瓦に穴を開けなければならない。
その方法は、金槌の尖った先端を使い、半瓦を割る要領で、穴を開けたい一点を貫通するまで細かく叩く。
この穴を5cmほど離して、もう一つ開けたら、銅線を通して、素丸瓦を固定する。
職人は、機械がなくとも道具ひとつで仕事をする。
ちなみに、瓦葺き職人の腕前を示す国家資格もあり、実技では、機械を使わず、すべては手作業で行われる。
こうして、島でかき集めた素丸瓦に、穴を開けては置いていく。
ところが、あともう少しのところで素丸瓦が足りない事態に!
足りない部分の寸法は、141cm。
菊池さん「どっかで(瓦の代用品)探してこないかんな」
これを聞いた達也、瓦の代わりに心当たりがあった。
向かったのは漂着物が流れ着く浜。その中から探すのは流木の竹。
そして、ちょうどよい太めの竹を拾って持ち帰る。
まず、この竹を足りない長さ141cmに切り落とし、ナタで切れ目を入れて強く打ち込めば、一気に裂ける。
そして、半分に割った竹にきりで銅線用の穴を開け、素丸瓦と同じように固定すれば、立派な瓦の代わりとなった。
達也「(サイズ)ぴったり!このために生まれてきた竹みたい」
TOKIOが来られない日は、スタッフで作業を進めた。
舟屋の入り口部分の屋根“下屋(げや)"の瓦92枚は、弁当は必ず2個食べる、怪力AD足立が仕上げる。
その数日後、舟屋の屋根は、完成の時が間近に迫っていた。
残すは、城島の“茂瓦"と達也の“山瓦"、そして、入口部分に太一の“国瓦"と、松岡の“松瓦"を取り付けるだけ。
まずは、茂瓦を屋根に対して垂直に置いたら、左右の傾きを調整。
しかし、伸びた木の枝が、なぜか茂瓦の前に垂れ下がり、
長瀬「茂瓦、(下から)全然見えないね」
それは、樹齢推定50年のヤブニッケイの木。
この枝葉が、鳥や虫たちの棲家になっている可能性もあるので、無闇に切る訳にもいかない。
城島「名前が茂だから、木が生い茂る…それはそれでオモロイか」
そして、入口の屋根・下屋にも、“松瓦"と“国瓦"を2つ。
もう、ここからは手を休めることもなく、“山瓦"も付け終わり、夏に取りかかった瓦葺きが、ついに完成。
台風の被害にもめげず、136日。
なんとか、雪が降る前に間に合わせることができた。
5つの鬼瓦に加え、足りない部分は鬼師に頂いた鬼瓦の土台を据えた。
この鬼瓦たちが、舟屋に降り掛かる、あらゆる邪気や災いを追い払ってくれるはず!
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