2014年2月2日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

シナミザクラのツボミが膨らみ、花開く準備を進める頃、男たちが始めたのは、「柊鰯(ひいらぎいわし)」作りの準備。
日本古来、2月の伝統行事、節分に欠かせない柊鰯は、平安時代から続く、魔除けとして使われる飾りで、鬼が中に入らないよう、家の戸口に取り付ける。
焼いた鰯の頭の臭いを鬼が嫌い、万が一近づいたとしても、柊のトゲがその目を刺す!というもの。
島で獲れる鰯は、煮干しの材料・カタクチイワシぐらい。
これなら、岩場の潮溜まりによく取り残されている。
しかし、柊の木は島には見当たらない。そこで、
達也「トゲがあれば(代用に)いいかな」
早速、森でトゲのある木を探すことに。
と、見つけたのは、トゲのある“タラノキ"。
タラノキの若芽である“タラノメ"は、山菜の王様と呼ばれ、春が旬の貴重な食料。
その側には、森に入るたびに苦しめられた“ノイバラ"。
野バラの代表種で、各地で見られるが、トゲが多い上に、切っても切っても生えてくる、DASH島にはびこる厄介なヤツ。
しかも、この島に生えてるヤツは、幹の部分がかなり太い。
さらに、そこから枝が無数に分かれ、伸び放題。
あたり一帯をトゲで覆い尽くしていた!
今回は、そいつのトゲを利用しようと、枝を採取。
固い枯れた枝も追加し、計2本、材料は揃った。
まずはノイバラを束ね、香ばしく焼けた鰯を
達也「まあ、頭だけしか使わないからね」
体の部分は美味しく頂き、頭をノイバラの枝の先に刺す。
大きさの不安は、3つ刺して数の多さで解消し、若干、心許ないが、島の災いを払う柊鰯の出来上がり。
これで、カタクチイワシ3つの臭いが、邪気を遠ざけ、どんな困難が来ようとも、ノイバラのトゲが、地味にチクチクと、追い返してくれるはず。
一方、浜では舟屋の壁となる材木を探す。
壁ができれば、風もしのげるようになる。
必要となるのは、柱と柱をまたぐ、90cm以上の板材。
しかし、全て合わせると、かなりの量が必要。
そこで通いつめているのは、波風が強く漂着物が多い、北側の浜。
これまでにも、浜にあがった使えそうな板は、全て取り尽くしたが、まだ畳およそ4枚分。
足りないので、新たに流れ着いた板はないか探す。
と、太一が見つけたのは、プロ野球観戦の定番、メガホン。
そこには、往年の選手ばかり、いくつも似顔絵が描かれていた。
選手から推測するに、それは15年以上前のもの。
さらに、ツバの部分が破れた麦わら帽子、文字が一部かけた看板。
どれだけ、海をさまよっていたのか、年季の入った様々なものが。
そして、その周りでは、壁板に丁度良い板も発見。
波風が強くなる度に、こうして新たな板が打ち寄せられてくる。
この日は北側だけ、使えそうな板を全て取り尽くした。
そして、波風が強い日が過ぎるたび、
達也「浜に来れば(新たな板が)流れ着いている。全部持って行こう」
さらに島の南側も、手の空いたスタッフが交代で壁板を拾い、浜の隅々からかき集め、トロッコで運ぶ。
板が打ち寄せられる浜と、舟屋のある小島を往復し続けた。
トロッコはすっかり慣れた操作で、スピードは格段に増していた。
そして、海が穏やかなある日、男達はある獲物を狙っていた。
それは1年半前、浜で見つけた“コウイカ"の骨がきっかけだった。
刺し身や天ぷらがうまい、冬が旬のコウイカは、胴の部分にサーフボード型の骨があり、死んでしまうと、この骨だけが残り、海を漂う。
つまり、浜に流れ着くということは、近海で泳いでいる証拠。
そこで、1年前の冬、コウイカを釣るための仕掛けを作っていた。
DASH海岸の流木を削り、城島と達也がそれぞれ作った、餌木(えぎ)という、主にアオリイカを狙う仕掛け。
餌木は、形と動きを好物のエビに似せることで、アオリイカを抱きつかせ、そのタイミングで一気にあげれば、針が足に引っかかり、釣り上がる。
それは、東京湾でも実証済みだった。
しかし、城島は途中で餌木を紛失してしまった。
そこで、とにかく手間がかかった餌木の代わりに、全国各地で、様々な漁を体験してきた城島が目をつけたのが、“テイラ"という昔ながらの仕掛け。
テイラはまさに、コウイカを狙う仕掛けで、木とオモリで小魚に似せた形を作り、尻尾に針を付けるもの。
テイラに向いているのは白黒のコントラストがある木。
城島「黒い部分を背、白い部分を腹に見立て、木の色味を利用して作る」
コウイカは、エビだけでなく小魚も好物。
しかし、その目は白と黒しか色を認識できないとされ、好物のアジなら、背と腹の色が違うほどイカが小魚と間違えやすい。
白黒の木材は浜で調達し、あとは城島の腕次第。
木材を15cmほどに切ったら、小刀で魚の形を削り出す。
次に、魚の目にあたる部分は、DASH海岸で使った鉛のオモリを潰して作るのだが、潰し過ぎてやや大きめの目に。
それを取り付け、尻尾に針を接着剤で固定し、最後に
城島「魚をテイラに縛り付ける」
その魚は、島の周りなら簡単に釣れるホシササノハベラ。
ニオイが強めで、食料にはイマイチということで、あえてニオイが出やすいよう切り身にし、イカ釣りのエサに。
これを、テイラの片面に縛り付ければ、完成。
選んだ漁場は、小島の南、水深はおよそ20m。
水深の浅い場所には、イカの産卵場所にもなる海藻が生い茂り、イカの好物のメバルの稚魚や、キヌバリといった小魚たちも。
城島のテイラは、底から上下に動かし、弱った小魚の様に見せかける。
それに誘われ、イカが抱きついてきたところを一気に引き上げ、針を引っかけて釣り上げる!
一方、達也の仕掛けは、キレのある動きがポイント。
イカの好物、エビ型の餌木は、生きたエビがはねる動きをイメージして、上下に動かす。
イカが抱きつけば、手に感触が伝わるはずだが、この時点では、まったく釣れなかった。
あれから1年、ウミウが越冬に訪れるころ、城島は準備を始めていた。
イカ釣りのエサとなるベラを釣り上げ、今回は、メンバーきっての釣り人・長瀬も加わった。
長瀬も、城島と同じくテイラを使うことにしたが、巻き付ける魚は切り身にはせず、ほぼ原形のままというこだわり。
よりリアルな魚に近づけた長瀬のテイラと、城島・達也は、前回の仕掛けでリベンジ。
場所は、長瀬が以前、アジやメバルを釣った島の南側。
ここも、海底に生い茂る海藻、イカの好きな小魚の棲みかになるだけでなく、イカの産卵場所ともなる。
さらに、その周りの海底には、岩まじりの砂地が広がっている。
コウイカは、こういった砂地の海底を好み、尚且つ、エサ場も近い。
さっそく、それぞれの仕掛けを垂らし、しばし集中。
長瀬のテイラは、ヒラヒラと舞うような弱った魚の動き。
ベラをほぼ丸ごと1匹付けたリアルさで、大物を待つ。
魚は、仕掛けを咥えると、逃げようとするため当たりが強く、分かりやすいが、イカはあくまで、仕掛けに抱きつくだけ。
その当たりは鈍く、手応えさえ感じられないこともしばしば。
取り逃がすことがないよう、指先に神経を集中する。
だが、誰も当たりがないまま、2時間が経過。
仕方なく、諦めて岸に戻ろうと仕掛けを上げている時だった!
達也「あー!(イカが)釣れてるー!」
DASH海岸に続いて、DASH島でもコウイカが姿を見せてくれた。
では、2年越し、待望の旬の味を新鮮なうちに!
コウイカは、墨の多さから、別名「スミイカ」とも。
その墨袋は破れてしまったが、胴の部分からは、あの浜に揚がっていた骨が現れた。
そして、刺身におろすと、透き通るような色。これが新鮮な証。
島初のイカは、シンプルに素材の本来の味を活かし、薄づくりで。
長瀬「新鮮だと美味しい!柔らかいけど歯ごたえもある」
そして、島の定番の歯ごたえと香りが引き立つ“焼き"でも頂いた。
城島「とりあえずは、(イカ)一杯獲れたから、ま、イッカ…!」
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