2014年5月18日 放送内容出張DASH村 ~長崎県 大島トマト~

今、美容効果に抜群とされているリコピンを多く含むということで、専門店もあるほど注目されている、夏野菜の代表、トマト。
お店には、なんと4個で約1000円の高級トマトが!
その名も「大島トマト」!
果たして、どんな所で、どんな風に作られているのか!?
太一と長瀬がやって来たのは、長崎県にある五島灘に浮かぶ西海市大島町。しかし…
太一「全然、トマトを作ってる感じがしないね」
畑もビニールハウスも見当たらない。
2人を待っていてくれたのが、この日お世話になる、
永田さん「大島造船所の永田と申します」
太一「造船所の人達がトマトを作ってるんですか?」
大島造船所は、貨物船など、年間30隻を製造する、国内でも有数の造船所。
案内された敷地の一角には、ビニールハウス。その中に…
太一「なんだ!このとんがったトマトは!?」
これが、造船所育ちの、先が鋭く尖ったのが特徴の「大島トマト」。
永田さん「ファーストという、昔からある品種ですね」
ファーストは、品種改良されていない昔ながらのトマト。
栽培が難しく、先がとがっており、箱に入れずらいため、流通に不向き。
最近では、栽培する人が少ないというが、このトマトを作り続ける理由は、食べてみて分かった。
太一「うまい!味のバランスが最高!」
永田さん「コクもあるんで、食感が普通のトマトと違います」
甘さだけでなく、トマト本来の酸味や旨味が濃い。これこそが、大島トマトの最大の特徴であり、このトマトを作り続けている理由!
しかし、なぜ、造船所でこのトマトが作られているのか?
永田さん「大島造船所が不況の時に、トマトの栽培が適しているんじゃないかと始まったんです」
昭和63年頃、大島造船は不況の中、仕事がない社員で溢れていた。
そこで始まったのが、造船所の敷地内にあった空き地を利用したトマト栽培だった。
今では、トマト栽培を専門にする部署までである農産グループができ、永田さんのようにトマト作りを目指して造船所に就職する人もいる。
そんな大島トマトを眺めていると、太一が気づいた。
太一「線がはっきりしてますね!」
太一の言う線というのは、トマトのお尻にある放射状の線のこと。
実は太一、出張DASH村で熊本県を訪れた際に、この放射線状の線が濃いほど、トマトが甘いということを学んでいた。
大島トマトの糖度を計ってみると、一般的なトマトは5度前後だが、
長瀬「すごい!14.4度」
これは、メロンに匹敵する甘さ!
ちなみに、糖度が高いと実が締まって重くなるので、水に入れると沈む。
さらに、糖度が高い理由は、切った時の断面でもわかる。
永田さん「一般のトマトに比べると、大島トマトはゼリー部分が少なくて実が締まってる」
トマトの透明なゼリー部分は、酸味を感じるクエン酸。
つまり、このゼリー部分が少ないほど、甘く感じるという。
さらに、
太一「やっぱり、土カラカラだよね」
触ると、まるで砂漠のように乾燥した土。
永田さん「トマトの原産地がアンデスなので、その環境を作っています」
トマトの原産地は、南米アンデス地方の標高2000mほどの高地。
その環境を再現するため、水は1ヶ月半あげないことも。
永田さん「死ぬか生きるかのギリギリで栽培します」
水分を限界まで絞ることで、甘みがギュッと凝縮された大島トマトになる。
水を与えてもらえず、追い込まれた大島トマトには、ある特徴が…
太一「トマトって毛、生えてないよね?」
永田さん「これは、トマト自身で空気中の水分を吸ってやろうと、毛を生やすんです」
これは、毛耳(もうじ)と呼ばれ、毛を伸ばし、空気中の水分を吸収して生き延びようとする、トマトの自己防衛本能。
いよいよ、厳しく育てたからこそ甘くなった大島トマトを収穫!
ここからは、「優しく丁寧に」が基本。
まず長めに茎を切り、次にトマトと茎の間をハサミでカット。
そして、切ったトマトは箱に1個ずつ、重ねずに並べていく。
太一「これ1個で、どのくらいの値段するんですか?」
永田さん「1個300円くらいですね」
収穫されたトマトは、出荷作業場に運ばれ、そこでセンサーにより糖度を自動的に計測し、各糖度ごとに振り分けされる。
永田さん「糖度8度以上から、大島トマトとして出荷します」
その大島トマトの中でも、糖度9度以上だけを厳選して詰めたのが、
一級品の「ルビーのしずく」。
一箱3600円の高級品!
その箱詰めを任されているのが、選別歴12年の大ベテランの尾崎さん。
堅さだけではなく、どんな小さな傷も見逃さない。
こうして、厳しいチェックを突破したものだけが、大切にクッションで保護されながら、全国へ出荷される。
こうして、大島トマトの秘密を知った後は、いつものお楽しみの時間。
今回は、糖度は十分だが、残念ながら傷があって落選してしまったトマトを使って、地元ならではの絶品料理を頂く!
教えて頂くのは、地元の料理自慢、浜田さん。
浜田さん「ピザです」
薄く生地を伸ばし、そこへ乗せるのは、玉葱、ニンニクを炒め、そこに湯むきした大島トマトを加え、塩と酢で味付けし、水を使わず、トマトの水分だけで20分煮詰めて作った、トマトの旨味が凝縮した特製トマトソース。
そこへ、トッピングのチーズ、輪切りにした大島トマトを乗せて、オーブンで10分焼き、仕上げにバジルを乗せて、特製ピザの完成!
さらに、もう一品。
浜田さん「トマトグラタンです」
トマトの中身をくりぬき、その中に、固めに仕上げたホワイトソースとマカロニを入れ、チーズとパン粉を乗せたら、そのまま、トースターで15分焼いて完成!
長瀬「うまそう!」
こうして出揃った大島トマト料理を頂く!
まずは、ピザから…
長瀬「トマトの酸味最高!」
太一「トマトだけで十分美味しい!」
続いて、グラタンは、トマトの器を崩しながら…
長瀬「香ばしい感じが良い!」
太一「ジューシー!」
作る人の知恵と工夫、そしてトマトの生命力により、極限にまで美味しくなった、大島トマトの味に大満足の2人だった!
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