2014年10月19日 放送内容出張DASH村 ~種子島 安納芋~

今回の出張先は、九州本土から南に約40kmの太平洋に浮かぶ鹿児島県種子島。
日本に初めて鉄砲が伝来した地であり、10月7日に、気象衛星・ひまわり8号
が打ち上げられた、種子島宇宙センターがある、「ロケットの島」としても有名。
島のすぐ横には、世界自然遺産の屋久島。
ほぼ全域が険しく切り立った屋久島は、1,900m級の山々が連なり、
原生林が広がっているが、種子島は高い山がなく、ほとんどが平地。
そんな種子島で作られているのが、安納芋。
島にやって来た城島と長瀬が、この日お世話になるのは、安納芋農家の
中園正男さんと、その娘めぐみさんの婿、沖田浩司さん。
沖田さんは、農業経験がゼロだったが、11年前、農家の娘だっためぐみさんと
の結婚後、義理の父、正男さんが真剣に作物を育てる姿を見て、自分も一から
学ぶ事を決意。今では、安納芋の品評会で金賞を取るまでに!
そんな義理の父と、娘婿が作る安納芋は、
長瀬「綺麗な色ですね」
皮の色が、普段見慣れているさつまいもに比べると、淡いピンク色。
安納芋の名前の由来は、
中園さん「安納から種子島中に栽培が広がったから、安納芋」
城島「安納って地名だったんですね!知らなかった!」
島の北東の安納地区で生まれ、平成19年にブランド化された、安納芋。
元々は、第二次世界大戦で、スマトラ島へ渡った兵士が、
安納地区へ帰還する際、持ち帰ってきた1つの芋を育てた所、驚くほど甘く、
とろけるような芋ができたのが、始まりとされている。
畑の土を見て、城島がある事に気が付いた。
城島「土がふかふかだわ」
中園さん「種子島は、火山灰土なんです」
今から7300年前、約60km離れた鬼界カルデラの火山が噴火。
その火山灰が積もってできたのが、この種子島。
火山灰の土は、水はけが良く、水分が芋に吸収されないため、
芋に甘さが凝縮されるという。
そんな環境で育てられた安納芋は、どれほど甘いのか?
沖田さんが用意してくれたのは、種子島に打ち上げられたサンゴ片で
2時間じっくり焼いた、安納芋の焼き芋。
糖分が多いため、中から蜜が溢れ出し、手で持つだけでベタベタするほど。
城島「うわ~!甘い!すでに完成されたスイーツ!」
糖度を計ってみると、34.4度!これは砂糖を使ったジャムに匹敵する甘さ!
中園さんによると、安納芋の栽培には、種子島が最適だという。
種子島は360度海に囲まれ、安納芋畑のすぐ目の前は海。
その海のミネラルが潮風によって運ばれ、常に畑に降りそそぐ。
さらに、年間平均気温19℃という温暖な気候により、光合成がたくさんできる。
その結果、安納芋が甘くなる。
城島「色んな条件が重なっているからこそ、この甘さが生まれるんですね」
中園さん「安納芋は種子島の宝です」
そう言う中園さんの畑に植える安納芋の苗は、全て島の高校生が作ったもの。
県立種子島高校では、生物生産科3年生の生徒達が、授業の一環として、
安納芋の苗づくりを行っている。
生徒たちが行っているのは、病気に侵されていない無菌状態の安納芋の苗を
切り分け、それぞれ栄養を含んだ寒天に植えて育てられる。
生徒たちが数ヶ月かけて育てた苗は、病気にかかりにくく、
質の良い安納芋がとれると評判で、毎年、安納芋農家へと届けられる。
安納芋は、この島ならではの環境、めぐり合った親子、
そして、島に生まれ育った高校生達によって作られた、まさに奇跡の芋!
そんな安納芋の収穫方法も、普通のさつまいもとは違っていた。
沖田さん「繊細なんですよ、皮が」
安納芋の皮は、とても薄く、傷がつきやすい。
傷がつくと、商品価値もなくなってしまうため、収穫も慎重に行われる。
まず、つる切機で、地上に出た芋のつるをカット!
つるを切った後は、芋掘り機で、地中の芋を掘り起こす。
芋が埋まってるスレスレに刃を入れ、芋を地面の上に掘り出すのだが、
刃の位置が浅いと、芋自体を切ってしまう。
逆に刃が深すぎると、芋を完全に掘り起こす事ができず、
さらに、手で掘る手間を増えてしまう。
芋を掘り起こしたら、傷つけないように、全て手作業で回収し、
ハサミでつるや根を切り落として、収穫作業終了。
収穫した安納芋は、泥が付いたまま出荷場へ運ばれ、
表面についた泥を落とす洗浄作業が行われる。
以前、出張DASH村で見た、『紅さつま』は、自動洗浄機によって、
水で泥を洗い流していたが…
沖田さん「安納芋は、水で洗いません。水で洗ったら皮もむけてしまう」
そのため、ガラスを拭くときに使う柔らかいスポンジで、
優しく、なでるように泥を落としていく。
長瀬「難しいよ」
泥を落とした後、さらにもうひと手間。
湿度80%以上、室温およそ14℃の熟成庫で1ヶ月以上熟成させる。
寒さに弱い安納芋は、生きるための自己防衛本能で芋に含まれるでんぷんを、
エネルギー源の糖分に変え、さらに甘い芋にさせる。
長瀬「熟成させるから、割った時に黄色い蜜が固まったような芋になるんだ」
こうして、熟成を終えた安納芋は、全国へ出荷されていく。
安納芋の収穫から出荷までをお手伝いした後は、
中園家に地元ならではの料理を作っていただく!
長男・大輔さんが焼いた安納芋を使って、中園さんの奥様明子さん
が作ってくれたのは、特製コロッケ。
明子さん「味がしっかりしているので、全然ソースとかもいらないですね」
黒豚、玉ねぎと混ぜて、小麦粉、卵、パン粉をからめ、
きつね色になるまで揚げる。
さらに、中園家次男・昌吾さんの奥さんの晴菜さんが作るのは、タルト。
蜜たっぷりの芋をよくすり潰し、生クリーム、バターを加え、タルト生地へ。
砂糖は一切使用しない。
そこに、茹でた安納芋を棒状に切り、飾り付けし、
仕上げは溶き卵とハチミツを塗り、光沢をつけ、それをオーブンで焼いて完成!
安納芋づくしは、まだまだ!
生の安納芋を棒状に切り、塩、小麦粉、水、じゃこを加え、油で揚げれば、
安納芋とじゃこの天ぷらの完成!
長瀬「美味しそう」
さらに、長女のめぐみさんが作ったのは、特製スムージー!
安納芋のペーストに、牛乳と生クリームを加え、ミキサーにかけて完成!
こちらも砂糖は一切使用していない。
こうして、揃った安納芋づくし料理を、中園家と頂く!
まずは、安納芋のコロッケ。
城島「安納芋の甘味と黒豚の肉の旨味が出てて美味しい!」
明子さんお手製の安納芋の黒豚汁、オリジナルレシピの安納芋のじゃこ天、
蜜がギュっと凝縮された安納芋のタルトを次々と平らげていく!
長瀬「蜜の美味しい部分がぎゅっと詰まってる」
城島「安納芋の美味しさには、アンノウ(OH!NO)!!ですね」
種子島の環境と、島の人たちの生んだ安納芋は、
まさに奇跡のような美味しさだった!
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