2015年2月15日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

風が強いこの季節、DASH島の浜には様々な漂着物が。
城島「ドラム缶あった。探してたんや」
というのも、1年前の同じ時期のこと。
冷水を浴び、無病息災を祈願する大寒の願掛けに、
すぐ体を温めてくれるドラム缶風呂は欠かせない物だった。
しかし、城島の風呂として使われたそのドラム缶は、
今では一時的に水を溜める貯水槽として、水路橋の一部に。
新たなドラム缶を見つけた城島。さっそく湯を沸かし、
城島「今年は“大寒禊(みそぎ)"を行いたいと思います!」
それは、茨城県・鹿島神宮(かしまじんぐう)で、大寒に行われる、
1年間の無病息災などを祈願する行事。
掛け声を出しながら、舟を漕ぐ動作“鳥船"で体を温め、
エイ!と“雄詰(おころび)"で気合い一発、極寒の池に浸かり、
禊の祝詞(のりと)を読む。
これにならって、まずは鳥船で体を温め、雄詰で邪気を断ち斬り、
いざ、44歳!体にムチ打ち、気温3度、極寒の海の中へ!
城島「無病息災!五穀豊穣!今年もTOKIOとDASH島が、
平和でありますように!」
と、無事に禊は終えたが、冷えは禁物。
すぐに、熱めに沸かした45度のドラム缶風呂で体を温めるが、
城島「あちゃ、あちゃ!上は寒いけど、下は熱い!」
そして、この男を中心に、新たな計画が動き出す!
この日、トロッコで水を運んでいる時、ある問題が。
達也「慎重に(仮設橋)渡らないと、砂利が崩れそう」
というのも、去年の夏、DASH島を襲った台風11号。
強い風と波で、土台の砂利が流れ出し、線路が宙に浮いた状態に。
そこで、富山・黒部の保線マンの知恵を借り、
枕木を組み上げ橋脚を設け、レールを束ね地面代わりの橋桁を作り、
トロッコが走れるよう橋を架けたが、まだ仮設の状態。
海が荒れれば、いつまた崩れても、おかしくはない。
達也「これ、次にザバーンと波が来たらやばいよ」
確かに、黒部でも災害時には、手に入る材料で、
一時的に仮設の橋などを作るのだが、
次の災害に備え、より強い設備にできるだけ早く作り替える。
しかも、今後は水路も通さなければならない場所。
波風に強く、重さにも耐えるものを作らなければ。
そこで、城島が向かったのは、長崎。
城島「台風に備えて屈強な石橋がいるな」
ここ長崎は、多くの石橋が集中している街。
中国から伝わった石橋は、長崎から全国へと広がった。
それまでは、木造の橋が主流だったが、
傷みやすく、水害に弱いのが難点。
しかし、江戸時代に強くて重い石橋が普及すると、
水害などによる被害は格段に減った。
その石橋の本場・長崎。
中でも、最も多くの石橋が架かる中島川(なかしまがわ)へ。
城島は、ここで石のプロと合流していた。
石工一筋・25年の藤本さんは、全国でも数少ない、
国の認定を受けた、重要文化財の修復技術員。
その石のプロが「最も頑丈だ」と言い切る石橋へ。
藤本さん「江戸時代から架かっている“眼鏡橋(めがねばし)"」
水面に映るアーチが、眼鏡の様に見えることからそう呼ばれる。
現在は、観光地として知られる眼鏡橋だが、
架けられたのは、400年ほど前。
地元の石を切り出して加工し、
セメントなどで固めることなく、その石を積んだだけの造り。
藤本さん「石橋は石自体が競り合う力で保っている」
過去最悪の被害が出たという、33年前の長崎大水害のときも、
同じ川に架かるほとんどの石橋が流されてしまったにも関わらず、
この眼鏡橋だけは、一部を流されただけで、崩れずに持ちこたえた。
その強さを生み出すのが、
藤本さん「アーチ部分の“輪石(わいし)"。石橋は輪石の重さで支えてる」
つまり、下から順に石を積み上げ、最後にアーチの真ん中に“要石(かなめいし)"。
これがピッタリとハマれば、
それぞれの石の重さが隣の石へとかかり、安定して崩れない。
さらに、アーチの上に積まれた“壁石(かべいし)"は、
通路の部分になるだけでなく、
安定した輪石にさらに重さをかけることで、
より強固で崩れにくくする、重りの役割も果たしている。
ならば、DASH島にも輪石と壁石で、石橋を造りたい。
だが、その石をよく見ると、四角く加工してあるように見える。
城島「DASH島にこんな四角くて大きな石はない」
確かに島にあるのは、不揃いな形の石ばかり。
そこで、職人・藤本さんの案内で、
DASH島でも使えそうな形の石橋があるという場所へ。
南島原市北有馬(きたありま)町、その田園地帯の一画に、小さな石橋が。
それは、見事に自然石を積んで作られた“面無橋(おもなしばし)"。
江戸時代末期、田畑を行き来するため、地元の人々によって、
架けられたというが、今も崩れることなく、
300年近くも生活に欠かせない橋として使われている。
城島「(噛み合う石を)試しながら組んでいったんですね」
DASH島でも、噛み合う石を積んで舟屋の基礎を作った。
形・大きさがバラバラの石を組み合わせた野面積み。
石同士をパズルのようにうまく噛み合わせ、
崩れることのない石垣に仕上がった。
ならば、石橋もDASH島で石を選び、地道に積み上げれば…しかし、
藤本さん「輪石だけは、ちょっと加工してある」
それぞれの重さがかかって安定している輪石だが、
表面に凹凸がある場合、力がかかるとズレが生じ、
崩れてしまいかねない。
一方、互いにピッタリと接していれば、
力がかかっても、ズレることはない。
つまり、壁石は、DASH島にある自然の石でまかなえるが、
輪石は、重さに耐える硬い石を加工しなければ。
そこで、眼鏡橋に使われている石の採石場へ。
諫早市(いさはやし)の特産・帆崎石(ほざきいし)の採石が始まったのは、江戸時代。
当時は、人の手で石を削り、運び出す、
時間と労力を要する大仕事だった。
しかし、その石の質は硬く重いため重宝され、
佐賀城などの石垣にも使われている。
では、少しばかり、その歴史ある石を採石させて頂く。
硬さが自慢の帆崎石、どう崩すのか。
と、採石場の奥には、城島をシビれさせる代物が。
掘削作業などを行う重機“ブレーカ"。
アームの先端が、1秒間に15回ピストン運動、
5tもの圧力で岩を砕く。
重機歴13年の城島は、操縦せずともその経験から強さを感じていた。
というのも、城島がいつもDASH島で使う重機と比べると、
パワーは15倍、その値段は4000万円の超大型!
この夢のような重機で、岩を砕きたい…しかし、
そのためには、解体作業の免許が必要ということで、
城島は、作業場所まで移動する運転だけで我慢。
そこからは、ブレーカ歴24年・横田さんが、
2本のレバーを細かく操作し、アームを自分の手のように操る。
職人・横田さんは、石の「め」と呼ばれる、割れやすい場所を狙って、一気に砕く。
城島「石の面がキレイですね」
帆崎石は、硬さだけでなく、キメの細かさも特徴。
ここから、帆崎石を輪石に加工していくのだが、まずは、
藤本さん「これを半分くらいのサイズに割る」
つまり、ボストンバッグほどの大きさに仕上げるが、
そのためにまずは、石を真っ二つに切り分ける。
それには、“大矢(おおや)"と呼ばれる石割り用のくさびの一種を使う。
まずは、江戸時代からのやり方で、
石ノミを使って大矢を入れる穴を掘る。
慣れない城島には、かなりの重労働。
代わる代わるで、職人・藤本さんにも手を借りつつ、
適度な大きさの穴が開いたら、そこに大矢を打ち込む。
彫った穴よりも太い大矢を入れていくことで、
裂けるように石が割れるのだが、
それに使うのが、先端が15kgにもなるハンマー“矢締(やじ)め"。
この重さを振り下ろせば、大矢を強く打ち込める。
グミの木で出来た柄の部分は、粘りがあって、適度なしなり。
打ったり振ったりの衝撃に強いグミの木は、
古くから金槌やノミなど大工道具に使われる。
城島「重たっ!」
悲鳴をあげながらも、幾度も矢締めを振り下ろし、
大家を石に打ち込んでいく。
すると、深く打ち込んだ部分から、きれいに真っ二つに。
藤本さん「キレイに割れましたね」
しかし、本格的な加工はこれから。
藤本さん「四角い石にならないといけない」
というのも、接する面に凹凸があると、
輪石で組んだ時に、力が掛かればズレてしまう。
そこで、側面を凹凸のないキレイな平面に仕上げる作業。
まずは、ノミの一種“こやすけ"をハンマーで打って、
石の余計な部分を、直線状に落としていく。
しかし、城島がいくら打っても石は割れない。
藤本さん「城島さん、姿勢が悪いですね」
見かねた藤本さんが打つと、一発で石が削れていく。
二人の違いは、こやすけの角度。
城島のように、石に対して垂直に打つと、
石の硬さで、こやすけが跳ね返されてしまうが、
職人・藤本さんのように、こやすけを持つ手の肘を膝で固定し、
鋭角に打てば、力は石の厚みが薄い方へ加わり、跳ね返されない。
これで、余計な部分は落としたが、
まだ側面には小さな凹凸が。もっと平らにせねば。
まずは、石ノミで粗方、出っ張りを削ったら、
“びしゃん"という肉たたきのような先端を持つハンマーで、
細かな凹凸を潰し、滑らかに仕上げていく。
作業は、職人たちの手も借り、一気に進んだ。
そして、3時間後、いくつかの輪石が仕上がった。
城島「この輪石で小さな橋を組んだりできますかね?」
藤本さん「最低限のアーチは組める」
そのために必要なのが、石橋を組むのに欠かせない土台“支保工(しほこう)"。
この上に石を積んでいき、最後に抜く。
それまでは崩れぬよう、職人達の身も守ってくれる。
石の重さが架かる場所、しっかりと木の板を組む。
出来上がったのは、2mほどの支保工。
約60kgの石を一つずつ土台に載せていく。
一つ目は、全ての輪石の重さを受け止める基礎の石に当てる。
ここから、位置や角度を調整しながら、
次の輪石をズレることがないようピッタリと。
僅かなすき間が崩れる原因になるため、
慎重に位置を調整し、アーチの逆側からも積んでいく。
そして、最後の一つ、要石も無事はまり、
藤本さん「なかなかいい出来じゃないですか」
輪石が噛み合っていれば、支保工を抜いても落ちないはずだが、
城島「自立してる!」
土台を抜いても、そのアーチは保たれていた!
ならば、その強度はどうか?
確かめるべく、恐る恐る、石橋を叩いて渡る城島。
城島「要石のとこも、ビクともせえへん!」
こうして、石橋の輪石となる石材をDASH島に運び入れたが、
さらなる試練が待ち受けていた…!
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