2015年2月22日 放送内容DASH海岸

真冬のDASH海岸に大繁殖したもの、それは、
刺身のツマとしてもおなじみの海藻の仲間、オゴノリ。
1年前に比べ、その面積は1.5倍に!
城島「こういう海藻類が海をキレイにしてくれるんですもんね」
海藻は、生き物の棲み処となるだけではなく、海の汚れを吸収してくれる。
さらに、石が点在している所では、青海苔の原料のアオサも。
嬉しい反面、ある懸念も…
城島「春、暖かくなってヘドロ化したら困りますね」
海藻は、水温が15℃以上になると腐り果て、ヘドロになる。
そのため、砂地にいるアサリやエビなどは呼吸ができずに死んでしまう。
このような海藻の大量発生は「緑潮」といわれ、
実は、DASH海岸がある東京湾各地でも大問題になっている。
生き物が食べたり人間が食べる事で、生態系のバランスを守らねば!
そこで、まずは海藻をとって、数を減らす間引き。
化学肥料が普及するまで、これらの海藻は畑などの肥料に使われていた。
間引いた大量の海藻を前に、
城島「これ、どうしましょう?」
すると、海の専門家の木村さんが、あるアイデアを提案。
木村さん「せっかくなので、冬の高級魚を釣ってみませんか?」
一般的に魚は肉食性だが、木村さんによると、
海藻が大好きなベジタリアンでしかも寒い冬に旬を迎える、
高級魚がいるという。
そこで、やって来たのは、東京湾の入り口、三浦半島の突端にある城ヶ島。
待っていたのは、海藻を使った伝統漁法の名人の菅さん。
菅さん「まずは、コマセを作ります」
コマセとは、魚を誘き寄せる為にまく餌の事。
刻んだ海藻の匂いを海底まで届けさせるために、混ぜて使うのは砂。
砂を混ぜる事で団子になり一気に海藻が沈む
岩場などの棲み処にいるベジタリアンを海藻の団子(コマセ)で誘き寄せ、
そこに、ひと際大きな海藻がついた針を投げる事で、
海藻大好きなベジタリアンを捕まえる。
これが、城ヶ島に伝わる伝統漁法。
隠れていそうな棲み処にエサ付きのハリを入れると、黒くて大きな魚が!それは、
木村さん「メジナ。寒メジナって言って素晴らしくウマい!」
このメジナこそ、冬が旬の高級魚!
メジナは、夏場は肉食生活を送るため、「磯臭い」と見向きもされないが、
冬になると海藻を食べ、その臭みがとれ、美味しい高級魚に変身する。
目と口が近い事から、目近魚(メジナ)と呼ばれるようになったとされ、
関西では「グレ」、九州では「クロ」とも呼ばれ、
冬はマダイより珍重される。
その後、城島に続き、木村さんも大物の40cmの寒メジナを釣り上げ、
この日の収穫は、合計2匹。
その獲れたてを調理してくれるのは、「民宿 さんご荘」の青木さん。
まず、三枚に下ろすと、脂がたっぷりの身が!
海藻を食べる事で良質な脂がのるという。
さらに冬だけの珍味が白子。「フグの白子より美味しい」と言う人も!
そんな旬の寒メジナの真骨頂の食べ方は、ちり鍋!
香りを出すために火で炙ったアラを煮込む事で、
コラーゲンと旨味が溶けだした極上の出汁に!
白濁した濃厚な出汁に、ぶつ切りにしたメジナの身と野菜を加えれば、
寒メジナの骨の髄まで味わえる名物、寒メジナのちり鍋の完成!
城島「割烹で上品なお鍋を頂いているような味!」
今の時期でしか楽しめない白子も絶品!
さらにもう一品が、生唐辛子を添えた、寒メジナのべっこう寿司。
皮の旨味を味わうために、湯引きした身を冷水で締め、
身を皮ごと切り、島唐辛子、醤油などで風味付けしたタレに漬けたもの。
漬けることで、身の水分が抜け、旨味が凝縮される。
その漬け込んだ刺身を酢飯で握り、薬味はワサビではなく、唐辛子で。
城島「皮が旨味がある!美味しい!」
達也「身がすごく柔らかい!」
DASH海岸で増えた海藻をうまく活かし、
知られざる冬の味覚に出会う事ができた。
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