2015年6月7日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

この日は朝から、石橋の作業を再開していた。
松岡「あの時の悲しみは今でもはっきり覚えてます」
それは、石橋のアーチとなる輪石を48個積み上げ、
最後の1列となる、要石をはめ込もうとした時だった。
城島「ガバガバやな…」
要石がぴったりハマらず、両脇には隙間が。
かといって、さらに輪石を入れる程の余裕もない。
5日がかりで積んだ輪石49個、全て下ろし、積み直しに。
隙間に合う細い輪石を入れようとも考えたが、石橋のプロは…
石工 河本さん「石の厚みは均一の方が弱い部分が出てこない」
本来、石は事前に加工しておくものの、設置する場所に合わせ、
一つ一つその場での調整が必要とのこと。
現場合わせと呼ばれる、最後の調整が足りなかった。
よく見ると、輪石と輪石の間にわずかな隙間が。
これが8段積み重なると大きな誤差となり、
要石が入らない原因となっていた。そこで、
石工 藤本さん「(輪石の)角度を緩めてやる」
輪石の側面を削り、アーチを作る角度を緩くすることで、
隙間は広がり、入る石も増える。
その角度の調整は、現場で積みながらしていくのだが、
藤本さん「1mm単位で、潰すように削る」
そのために、まず使うのは、“刃ビシャン"という道具。
この刃ビシャンで、側面の縁をあらかじめ削り、目安となる型を作る。
その型に合わせて、残りの部分を叩いてならしていく。
しかし、お互いの重さで支え合う輪石。
その角度が緩くなりすぎると、
土台の支保工を抜いた時に、要石が落ちかねない。
つまり、この刃ビシャンでの削りが肝となる。
一方は厚く、もう一方にいくにつれ、薄く削っていのだが、
その差はミリ単位。
ブレないよう刃ビシャンを持つ手の肘を膝に固定し、
一定の力で叩いていく。
藤本さん「コツは繊細かつダイナミックに」
外側を削ったら、今度は内側に向かって、
徐々に浅くなるように削っていき、最後は0mmに。
これでアーチの角度が決まる大事な作業。
そして、縁を落とし終えたら、
城島「この(縁の)深さで均一に残りを削るわけですね」
それに合わせて残りを削り落とせば、全体が同じ角度に仕上がる。
ここからは、石の面を叩いて平らにする道具、ビシャンに持ち替え、
その細かい突起で石の表面をつぶして、削っていく。
重さ1キロのビシャンを振り続け、1時間…。
面全体が目安に削った縁の深さまで削れたら、角度調整が完了。
わずかな差だが、これが追々効いてくる。
だが、これで終わりではない。
河本さん「もっと表面の凸凹が無くなるようにする」
表面のわずかな凹凸をより滑らかにするだけでも、
少しずつだが隙間が生まれる。
それが9段も積み重なれば、大きな隙間となってくる。
そこで、より細かい64刃のビシャンを。
叩き跡が細かくなれば、その分、面の凹凸も小さくなる。
松岡「やすりかけてるみたい」
叩くほどに表面の凸凹が細かくなっていくが、
場所によっては叩きムラが。
藤本さん「ちょっとしたムラで目地の接地が安定しない」
しかし、そこはドラマー・松岡。
スティックをビシャンに持ち替え、
細かな叩きで、粗い側面を滑らかに仕上げた。
輪石の現場合わせは、これで一通り済んだが、
城島「これを50個、残り99面しないと…」
これだけ手間ひま掛けて、仕上がったのは輪石の片面だけ。
ならば、さっそく作業に取りかからねば。
そして、その日の夕方、
いくつか石の加工が終わったところで、石積みを再開。
すでに、ピッタリと接しているように見える輪石も、
河本さん「目地の所をちゃんと着くように調整する」
体重をかけて輪石同士の接する面を目一杯押し当て、
支保工との間にできた隙間にクサビをかまして、高さも揃える。
大きいもので重さ約80kgの輪石。
石が欠けないよう慎重に積んでいく。
そして、この日、出来たのは全体の4分の1ほど。
1度目に積んだ輪石と比べてみると、その差は一目瞭然。
城島「表面の高さも揃ってないし、ガタガタで隙間がある」
一方、積み直しで手を加えた方は、
松岡「全然違う。揃ってるのが肉眼でもわかるね」
城島「やっぱりここにもプロの知恵があるね」
2度と失敗はしたくない石積み作業。石のアーチの完成が近づいた。
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