2017年1月22日 放送内容DASH海岸 ~多摩川 アユ~

昨年1月、DASH海岸で見つけた、体長1㎝程のアユの赤ちゃん。
そんなアユたちが、多摩川を上って、海から14㎞の田園調布あたりまで
やって来たのは、それから4か月後の5月のこと。
DASH海岸で見た時から5倍の5㎝程に成長し、
夏に向けて、さらに上流を目指し、良質なコケを食べて立派な大人になる。
しかし、昨年の夏は、観測史上最多の台風が上陸し、
その影響は、アユたちが上る多摩川にも。
普段は穏やかな多摩川も月の半分以上が濁流となった。
そんな流れの中、あのアユたちは無事に育っているのか!?
台風が収まった10月、調査に向かったのは、海から61kmの東京都あきる野市。
達也「アユ、いないな」
2年前の調査では、この場所でたくさんのアユを発見できたが、
川の流れの中に、アユの姿は見当たらず。
共に調査をする江戸前アユに人生をささげる東京都の職員・安齋さんによると、
安齋さん「流れの中じゃなくて溜まり場にいるのかも」
その溜まり場を網でさらってみると…
達也「え?ウグイ!?」
城島「アユにとっては大切な仲間ですよね」
というのも、ウグイは、アユのエサとなるコケを食べる川虫が大好物。
つまり、アユのライバルを、このウグイが食べてくれることで、
結果、アユの大好物のコケが増える。
さらに、溜まり場にいたのは、シマドジョウ。
木村さん「最近、本当に珍しんですよ」
砂に隠れて外敵から身をひそめる習性から、別名をスナモグリとも言われ、
キレイな砂地を好み、かつての多摩川に当たり前のように棲んでいた。
川魚特有の臭みがないことから、昭和初期までは大事なタンパク源に。
しかし、川の汚染により準絶滅危惧種に指定され、今では、
安齋さん「ペットショップでは500~600円する」
その後も、溜まり場をくまなく探すが、見つかるのはカジカやキバチばかりで、
目的のアユは姿を現さず。
そこで、石で川の流れを遮る人工的な溜まり場を作り、
本流の強い流れに疲れたアユが休憩しにやってくるのを待ち受ける作戦に。
城島「あっち行ったりこっち行ったり、“寄り道"って時には大事なんですよね」
達也「俺たち、年間でどれだけ石運んでるんだろう?」
※スタッフが調べてみると、2016年にTOKIOが運んだ石は約16トン。
石を積み、アユに警戒されないように、その場から離れて待つこと15分。
やって来たのは…
城島「キレイ!ヤマメですね」
綺麗な川にしか住めない、別名「渓流の女王」のヤマメ。
その体には、サケ科の魚の特徴でもある模様のパーマークもしっかり。
通常、このパーマークは、子供の頃は浮かび上がり、大人になったら消えるが、
ヤマメの場合は残り続け、はっきりくっきりするほど強さのアピールに。
30㎝を越えるものは、尺ヤマメと呼ばれ、渓流釣りでは憧れの魚。
さらに、
達也「なにこれ?」
石に食いつくようにくっついていたその生き物の正体は、
2年前にも同じ多摩川で見つけていた貴重なスナヤツメ。
木村さんでも図鑑でしか見たことがなく、まさに伝説級の発見だった。
体に7つのエラがあり、目を入れると8つあるように見えることから、
その名がついた。
一般的に目は退化して開かないとされるが…
木村さん「すごい!しかも目がある!」
2年前発見した時は目がなかったが、今回捕まえたものには、大きな目が。
木村さん「産卵の時だけ目ができる。本当に本当にレア!」
卵から孵化したスナヤツメは3年間、砂の中で生活。
4年目になると産卵のため、砂から出てくると、この時、初めて目が開く。
卵を産むと死んでしまうため、この姿が見られるのは4ヶ月間だけ。
この伝説級に2回も出会えたと言うことは…
安齋さん「アユだけではなく、スナヤツメも生息できる川の環境に戻った」
そんな貴重な生き物には出会えたが、未だにアユは発見できず。
安齋さん「産卵のために川を下っちゃったかもしれない」
秋に水温が下がると、アユは産卵のため一ヶ月かけ、30kmほど川を下るが、
今年は台風の影響で水温が低く、例年より早く下ってしまった可能性が。
そんな下りアユを捕まえる名人が、以前にもお世話になった、
川漁師の安永さんと小峰さん。
そんなお二人が行っているのが、江戸時代から続く、瀬張網漁。
おかざりと呼ばれるナイロン製のヒモを使い、
これを天敵の大型魚と間違えたアユが逃げるように横に移動していき、
その先に仕掛けてある網のほうへ。
さらにその網の下には、もじと呼ばれる筒があり、その中にアユがピットイン。
針を使わないので傷のないアユを取ることができるため、
江戸時代には、「多摩川アユ」として将軍家へ献上された。
結果、この日かかったのは4匹と数は少なかったが、
いずれも約30㎝と例年にはない大物ばかり。
安齋さん「台風が多くて、新鮮なコケがついて、いい状態だったんだね」
昨年は台風が多かったが、その度に古いコケが洗い流され、
常に新鮮なコケばかりとなった。
新しいコケほど栄養価が高く、アユの身が上質になる。
そんな多摩川のアユは、昨年、日本三大清流の四万十川や長良川など、
全国56の川のアユたちが集まり、年に一度、一番美味しいアユを決める、
「清流めぐり利き鮎会」に参加。
その中で、初の準グランプリに輝いた。
そんな貴重な一匹を頂くことに。
食べ方は、アユならではの塩焼きで。
川がキレイであるほど、ワタ(内臓)も美味い。
達也「うまい!ワタがコケの香りがふわっとして」
城島「身に甘みがある」
その美味しさの一方で、
木村さん「これだけ美味しいアユだから、いろんな外敵に狙われる」
去年、多摩川下流で遡上が確認されたアユは700万匹。
しかし、上流まで上り、ここまで大きくなるのはほんのわずか。
その原因は、タヌキやアオサギ、ブラックバスなど多摩川にいる天敵たち。
中でもここ数年、増え続けている危険なヤツがいるという。
そこで、城島が向かったのは、海から25㎞の世田谷区。
城島が会いに来たのは、以前もお世話になった、
アユだけではなく、多摩川の在来種復活のために力を注いでいる竹本さん。
竹本さんがアユの天敵を目撃したのは、
本流から100m離れた雑木林の中にある池。
城島「多摩川にこんな場所あったんですか。ため池みたいになってますね」
そこで、獲物となるカエルの味に似た鶏のささみを使い、
その天敵がかかるのを待つことに。気配を殺すこと20分後、
城島「なんかいる!!!」
鶏のささみに食いついたのは、体長70㎝、重さ3㎏の外来種のライギョ。
東南アジア原産で観賞魚として輸入されたが、飼いきれず川に捨てられ、
全国で繁殖。
それ以来、アユやウグイなど在来魚を次々襲い川の漁師さんを悩ませてきた。
そこで、このライギョを間引くため、美味しく頂くことに。
3時間泥を吐かし、三枚に下ろしたライギョに、
魚のハーブとも呼ばれる、地中海原産のハーブのディルで香りづけし、
ほう葉で敷いた鉄板で焼いて、『ライギョの香草焼き』の完成。
城島「むちゃくちゃ美味しい!ちょっとスズキっぽい」
残った半身で、もう一品。
三等分にしてフライにし、そこに特製のタルタルソースをかけ、
バンズ、レタスにに挟んで『ライギョバーガー』に!
そして、その1週間後、ライギョが減った世田谷付近では…
城島「ちょっと見てみますか」
川底にカメラを設置し、その様子を観察していると、
オスのアユがメスを取り囲んで、産卵行動に!
その場所を見てみると、川底の石にわずか1㎜の卵を発見!
城島「これでDASH海岸に来てくれるといいですね」
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