2017年2月5日 放送内容出張DASH村 ~山形県鶴岡市 雪中軟白ねぎ~

今回の『出張DASH村』は、1月の大寒波のニュースが記憶に新しい日本海側、
山形県鶴岡市。
城島「一面 雪やね」
辺り一面雪に覆われた庄内平野。この日の気温は0℃。
この日お手伝いするのは、250年続く農家の11代目、35歳の伊藤和利さん。
元々、高校卒業後は車の整備士として働いていたが、
奥様が「農家になるのなら手伝う」と言ってくれたことで家を継いだ。
伊藤さんが作っているネギは、
達也「様子がおかしいな。まず、やっぱり気になるのは黒いシート?」
城島「普通は畝があって、数回土寄せをしてネギの白い部分を作るのでは?」
一般的にネギは生長すると、地面から出て陽に当たった部分が青くなってしまう。
そこでやわらかい白い部分を長く増やすため、生長に合わせて土を被せる、
『土寄せ』を行い、日光に当てないように栽培するもの。
そのため、畑は土が盛られたデコボコの状態。
しかし、伊藤さんの畑は、土が真っ平ら。
伊藤さん「通常のネギと品種は一緒。栽培方法が違うんです」
伊藤さん「黒いシートが『土寄せ』の代わりをしている」
まだ小さいネギを、この黒いシートで遮光することで、
日光の当たらない土の中と同じ状態に。
こうして育てる事で、やわらかくて白い部分ができるという。
黒いシートを剥がしてみると…
達也「不思議な感じ。普段ここ(白い部分)は、土に埋もれてる」
城島「これで出来るんですね、土寄せしなくても」
シート育ちのネギを抜いてみると、
達也「超キレイ!泥がはねなくていい」
ネギを収穫すると普通、泥が沢山付くものだが、土寄せをしていないので、
達也「キレイだねー。根の部分にしか泥付いてないんだぜ」
さらに、
達也「スーパーにあったらびっくりする長さ」
枯れた葉を剥くと、
城島「長いですね、白い部分」
白い部分は、一般的なネギよりも10cmも長い!
普通は、土寄せを収穫までこの作業を7回ほど行い、
やっと40cmほど遮光できるのだが、シートなら、
一回巻くだけで、幅50cmすっぽり覆い隠せるので、
他のネギより白い部分が長く出来る。
その違いは、見た目だけではなく、味にも。生で食べてみると
城島「甘いですね!これは美味しい!」
城島「今までかじった生のネギで一番さわやか」
伊藤さん「これを食べるとネギの概念が変わると思います」
伊藤さんの作る軟白ねぎは、辛味成分が少ないのが特徴。
そのため、生のままサラダ感覚で食べることができる。
城島「ちょっと葉っぱも見ていいですか?」
折ってみると、ヌルヌルとした液体が。
このヌメリの中には、フルクタンというネギの甘味の素となる、
糖質が豊富に含まれている。軟白ねぎはこれがたっぷり。
その理由は、平均気温約2℃という雪国ならではの環境。
ネギは、凍って枯れてしまわないよう、自らの身を守るため、
糖分を作り出し溜め込む。
軟白ねぎの特徴が一番分かる味わい方を教えてくれるのは、奥様の奈美さん。
奈美さん「レンジで3分温めたものなんですけど」
城島「甘いっすね!軟らかくて、とろみ成分がぶわっーっと」
マヨネーズ味噌をつけて頂くと、
達也「すげ~トロトロ!」
普通のネギよりも、よりトロトロに感じる。
伊藤さん「土寄せをしない分、軟らかく育つ」
これは土寄せをして育てるネギは、土の圧力がかかり実が硬くなってしまうが、
軟白ねぎはシートの中で伸び伸びと育つため、軟らかくなるという。
伊藤さん「雪の中で育って軟らかいので、雪中軟白ねぎといいます」
この黒いシートさえあれば、土は平らでも育てられる。それを見て思ったのは、
達也「新宿ネギ」
それは、東京都庁からわずか3kmにある TOKIOの畑!
屋上にあるため、重量制限で畑に入れられる土の量が制限され、
深さは15cmほどしかない。
でも、このシートを使えば、新宿の畑でもネギが作れる!
達也のおねだりで、伊藤さんから黒いシートを分けて頂いた。
冬の味覚を、収穫。
1ハウスには、およそ7000本の雪中軟白ねぎ。
一般的なネギは土に埋もれているので1本抜くのも大変だが、
雪中軟白ねぎは埋まっている部分が少ないので
城島「簡単に抜ける。楽やなあ」
達也「こんなにスポスポ抜けるの初めてだな」
しかし、軟らかいため、折れやすく、傷がつきやすい。
また、その長さゆえに、流通させにくい所が、たまに傷。
収穫したネギは、乾燥させずみずみずしいうちに、
出荷規格の72㎝の長さにカットし、外側の古い葉っぱを落とす。
さらに薄い皮は、高圧の空気を当てて、傷がつかないように剥いでいく。
これを、折れないように筒を使って袋詰め。
袋詰めされたあとは、関東のスーパーを中心に出荷されている。
雪国育ちの冬の味覚!地元ならではの食べ方で!
教えて頂くのは、地元の料理自慢の齋藤政子さん。まずは、一品目は、
齋藤さん「ねぎしゃぶ」
7枚歯のネギカッターを使って、一気に千切りに。
すると、甘みの素であるフルクタンがたっぷり溢れ出す。
葉も軟らかく食べられるのでまるごと3本分を。
鰹節&昆布のダシに、豆腐、山形の豚肉『米の娘ぶた』と共に頂く。
二品目は、切ったままのネギを水にさらさず、そのまま使って、
齋藤さん「軟白ねぎのサラダ」
ワカメ、ニンジンを混ぜ、酢・油・塩コショウで作ったドレッシングをかければ、
素材の美味しさが際立つシンプルな一品に。
城島「新鮮なのはここでしか食べられない」
三品目は、鶏もも肉とぶつ切りにしたネギ、交互に串に刺して、
達也「ねぎまちゃん」
七輪の炭火でじっくりと焼き、砂糖と醤油を煮詰めた特製タレにくぐらせ、
再度炭火で炙る。タレを塗り重ね、焦げ目ができれば完成!
達也「超いい匂いする!美味そう!」
四品目は、ネギの食感を生かしつつ、中まで火が通りやすくするために
竹を切ったような形に切ったネギに衣を絡めて180℃の油で揚げた、
齋藤さん「外はカリ、中はジュワっとしたネギの天ぷら」
城島「いい香り」
さらに、もう一品!
齋藤さん「ネギのあんかけ焼きそばです!」
地元で獲れたヤリイカ、ニンジン、シイタケを炒め、鶏がらスープに、
醤油、みりん、オイスターソースで味を調え、ネギは軟らかいので最後に。
片栗粉でとろみをつけたあんを、よく焼いた中華麺の上にかける!
城島「これは美味しそう!」
こうして出来上がったネギづくしを熱々のうちに!
塩を振って頂くてんぷらは、
城島「甘いし、とろっとろやな!」
続いては、ねぎま。
達也「天ぷらの火の通り方と食感が違うね。ねぎまの美味さがやっとわかった」
さらに、生のまま頂くサラダ。
城島「全然辛味がない。とろっとして、つるっといける」
伊藤さん「ネギ苦手な人でもこれなら食べられますよね」
城島「次はネギのしゃぶしゃぶ」
丸ごと2本分のネギをさっとダシにくぐらせて、豚肉と一緒にポン酢で頂く。
城島「これ美味しい!」
達也「とろっとして柔らかいんだけど、ザクッとした食感が残ってる」
城島「豚肉が脇役になってますよ」
そして、締めは、ネギの旨味エキスが詰まったあんをかけた焼きそば!
城島「すごくジューシー」
伊藤さん「調理方法でネギの食感が変わってきますね」
城島「普段、薬味とか味噌汁の具だけど、このネギは脇役じゃなくて主役」
伊藤さん「ひと通り食べたところで、いつものリーダーの一句ないですか?」
城島「そんなの言われたの初めて」
と、せっかく振って頂いたので…
城島「11代目じゃないですか?先代からずーっとやってきた、
先祖代々の苦労を"ネギ"らう」
伊藤さん「"ネギ"らうってことで、いただきましたー!」
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