2017年3月26日 放送内容DASH海岸 ~アイナメ~

2月下旬、関東一帯に大型台風並みの暴風が、
神奈川県では、2月としては4年ぶりの暴風警報が発令された。
台風がやって来ると、毎回、多くのゴミや漂着物が打ち上がる横浜DASH海岸。
後日、DASH海岸の被害状況を確認すると…
城島「風の影響があるかと思ったけど、そこまで無かった」
そのわけは、DASH海岸を囲む大きな工場。
南西から吹く強風を工場が遮る形となったことで、影響が少なかった。
影響が少なかったとならば、
城島「魚たちが風から逃れて避難しに来ているかも」
海が荒れると、風が当たらない穏やかな場所に逃げ込み、
嵐が過ぎるのを待ち続ける魚もいる。
そんな魚たちの様子を見るために、新兵器が!
城島「うみなかみるぞう君水中ドローンROV(アールオーブイ)!」
これまで、泳ぎの苦手な城島が使ってきた『うみなかみるぞう君』。
従来は、釣り竿の先にカメラがついている仕様だったが、
この最新型である『水中ドローンROV(アールオーブイ)』は、
パソコンで操作が可能で、可動式のフルハイビジョンカメラを搭載!
つまり、海の中を自由自在に動き、きれいな映像で観察できるハイテク装置!
早速、海に入れてその実力を確かめる!
第一発見は、体長1.2mのアカエイ。
昭和初期まで食用にされていたが、現在では獲っても捨てられてしまうため、
東京湾では大増殖中。
木村さん「泳ぎが苦手だから逃げてきたんじゃないですかね」
続けて、観測台の下には、クロホシマンジュウダイの群れ。
子供の時は体の縞模様が可愛らしく、観賞魚としても人気が高いが、
大人になると、体長30㎝を超える。
市場に並ぶ事はあまりないが、肉厚な身は甘味があり、塩焼きや刺身が美味しい。
観測台の下に集まっている理由は、風から逃げてきたということもあるが、
木村さん「上から襲われるのが嫌だから、逃げ込んできたんだと思います」
達也「上から襲うといえば、鳥ですよね」
それは、東京湾生態系の頂点のひとつ、カワウ。
マグロ並みの秒速5mの速さで泳ぐことができ、スズキなどの大型魚も襲う。
そんなカワウから逃れようとしているのは、魚だけではなく、
城島「DASH海岸のヌシ」
なぜかDASH海岸に棲みついた淡水のカメ、通称・ミドリガメで、
正式名をミシシッピアカミミガメ。
冬は冬眠をして春を待つが、ずっと眠り続けるわけではなく、
爬虫類のカメは、一週間に一度、水面に顔を出して呼吸し、肺に酸素を蓄える。
さらに、太陽の紫外線を浴びる甲羅干しを行い、
体内にビタミンD3をつくりだし甲羅が変形したり、柔らかくなるのを防ぐ。
続けて、向かったのは、TOKIO手作りの岩場。
そこにいたのは、マナマコ。
さらに、同じく岩の好きな大好きなクロダイの姿も。
木村さん「まだ暴風から逃げてきた魚が岩の間にいるはず」
そこで、流れてきた枝葉と調査用のカゴで作ったのは、高知県の伝統漁の籠網漁。
枝をデコレーションした大きなカゴは、魚にとって隠れ処いっぱいの岩に見え、
暗くて快適な場所を探すうちに自らカゴの中へ入ってく。
5日後、引き上げてみる。
クサフグ、マナマコ、イシガニ、ヒトデなどの中に交じっていたのは、
3年前、東京湾のど真ん中にある無人島、第二海堡で見たムラソイ。
キレイで豊かな海の象徴としても知られる。
城島「元々いた赤ちゃんがここまで大きくなったということですか」
実はDASH海岸で体長1.2㎝ほどの赤ちゃんを見つけたことが。4年前の冬の事。
産まれたては、外敵に見つかりにくいように体が透明だったのが、
この4年で体長20㎝にまで成長し、その体の色も茶黒く立派に。しかも、
達也「お腹が大きい。ぽっこりしてる」
木村さん「実は、カサゴの仲間は、卵を産まず、赤ちゃんになって生まれる」
一般的に魚と言えば、卵を産みつけるイメージだが、
カサゴの仲間は、お腹の中で卵を孵化させてから海へ放す卵胎生。
城島「感動やな」
横浜育ち、60歳の木村さんによると、
木村さん「子供だった頃は、ムラソイ釣りが当たり前だった」
かつての横浜は、沢山の根魚が棲む日本有数の豊かな漁場だったが、
昭和40年代には、日本有数の汚れた海になり、生き物がいなくなった。しかし、
木村さん「今、少しずつ、横浜の海にムラソイが戻ってきている」
現在、少しずつ生態系が再生し、様々な根魚が戻って来ているという。
その根魚の中でも…
木村さん「一時、東京湾で絶滅したと言われていた魚が、最近、少しずつ増えてきて、話題になっているんです。そいつは、煮魚の王って言われるくらい美味い」
城島「王、復活ですか」
そんな煮魚の王は、キロ5000円以上の高級魚!その姿をぜひ見たい!
その調査前に、元気な子供を産んで欲しいと思いを込め、ムラソイを海へと戻す。
達也「いっぱい増えてほしいなあ」
その3日後、煮魚の王を求めてDASH海岸を出発!
今回、お世話になるのが、横浜育ちの内田信吾船長。
地元・横浜本牧に、釣り具店を経営する傍ら、東京湾のヌシを狙う大物ハンター!
向かったのは、オシャレなデートスポット、横浜みなとみらい!
達也「こんな都会に、煮魚の王がいるわけですね」
内田船長「元々、横浜は埋め立てでできた街なので、防波堤や岸壁は魚の寝床」
みなとみらいのシンボルでもある横浜ベイブリッジの下に、
新兵器の『うみなかみるぞう君』を投入し、その様子を確認してみると、
達也「岩がゴロゴロ!」
海底には、根魚が大好きな岩場が広がり、その上にはウミタナゴの群れも。
ウミタナゴは、目的の煮魚の王ではないが、
内田船長「ウミタナゴはエサ取りで、王のエサを食べてしまう」
煮魚の王は、海底の大きな石の奥深くに潜んでいるという。
その場所をピンポイントに狙うには、内田船長の手作りの、
内田船長「ブラクリ仕掛け」
一般的な重りの上に糸がだらりと出た仕掛けでは、岩の凹凸にひっかかり、
すぐに根がかりしてしまう。
一方、このブラクリ仕掛けは、針がふらつくことなく岩の隙間奥深く、
煮魚の王までストンと届く。
内田船長「根魚を釣るために、横浜で生まれた仕掛けなんです」
エサの岩イソメをつけ海へ投入!
木村さん「どうしても釣りたい!釣れたら35年ぶりなんです!」
そんな木村さんの竿にかかったのは、目当ての王ではなく、クサフグ。
ウミタナゴより食欲旺盛で、エサを見れば迷い無く食いつく。
皮と内臓に強い毒を持ち天敵がいない為、警戒心が薄い。
その後も仕掛けにかかるのはクサフグばかり。
内田船長「フグ地帯から離れましょう」
場所を変えて、再度挑んだ達也の竿に、念願の当たりが!
木村さん「ついに来ました!」
内田船長「煮魚の王です!」
煮魚の王の正体、それは、「愛魚女」と書いてアイナメ!
達也「なんてロマンチックな名前なんだ」
元々、江戸前を代表する魚だったが、近年、その姿が激減し、
東京湾産は、幻の絶滅危惧種扱い。
築地市場に並ぶ多くは東北産で、7000円を超えることも。
そして、続けて城島が釣り上げたのは、40㎝超えの超大物!
根魚の中でも特に大きくなるアイナメの最大サイズで「一升瓶」と呼ばれる。
内田船長「東京湾産のこのサイズは築地に出ないんじゃないですかね」
まさに記録的サイズ。さらに気になったのは、その体の色の違い。
達也が釣り上げたのは赤っぽく、城島のものは黄色っぽい。
アイナメは、擬態の名人で、棲んでいる岩や海藻の色に変化させる。
そして、木村さんに待ち望んだ当たりが!
木村さん「やった!35年ぶり!うれしい!」
内田船長「鮮度がいいアイナメは、タイより美味い」
獲れたては旨味の塊だが、味が落ちやすいのが欠点。
鮮度が落ちるとその値段もガクッと落ちる。
そこで、急いでDASH海岸に戻り、美味しく調理!
実は、釣りの腕だけでなく、料理の腕前もプロ級の内田船長に、
その美味しい料理を教えて頂く。
まず、一品目。
素早く身を三枚におろし、刺身に。
その身は、東北などでは「あぶらめ」と呼ばれるように、脂がたっぷり。
そんな刺身にひと手間を加え、さらに美味しく。
内田船長「昆布〆風にします」
昆布を白身魚に巻きつけて寝かせることで、その旨味を引き出す、
富山県で生まれた保存食。
今回は、水に溶かした昆布茶に20分つけて、昆布〆風の旨味を引き出される。
ごま油と塩をつけて食べるのが、内田船長おススメの食べ方。
城島「甘い!もっちりしてて、脂乗ってて!」
達也「食感はレバ刺しみたい」
続いては、アイナメの真骨頂の煮付け。
味が中まで染みこむように、皮に飾り包丁を入れたアイナメの身を、
内田船長のおばあちゃん直伝の、砂糖、醤油、みりんのみで味付けをした汁に
入れて、その煮汁がなくなるまで、コトコトと煮込んだ。
達也「身に味が入ってて、超、体に沁みる!」
城島「これは美味しいですね!」
さらにもう一品は、
内田船長「ブイヤベース」
魚介類を香味野菜とハーブで煮込んだフランスを代表する漁師飯。
内田船長のお友達が作った色とりどりの野菜、
オリーブオイルでソテーしたアイナメ、DASH海岸で間引いたアサリを煮込み、
香り付けには、香草を束ねたブーケガルニとニンニクを使った絶品!
そのブイヤベースを、ニンニクを塗りこんでオリーブオイルに漬けて焼いた、
ガーリックトーストの上に乗せて頂く!
達也「香りも仕上がりも最高!これ美味い!身がフワフワしてる!」
煮魚の王アイナメの美味さを十二分に味わってつくづく感じることは、
木村さん「よくぞ東京湾にアイナメが増えてくれた」
内田船長「魚に感謝ですね」
達也「DASH海岸にも来る可能性があるもんね。それを目指さないとなあ」
城島「楽しみやなあ。来てくれたらいいなあ」
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