2017年7月30日 放送内容新宿DASH ~大都会に人と生き物たちが一緒に暮らせる未来の街をつくれるか!?~

東京都庁からわずか3kmにあるTOKIOのベース基地。
5月になり、基地の畑では、明雄さんから受け継いだカブが花を咲かせ、
その2週間後には、種が詰まったサヤが。しかし、
太一「種が全部食べられてないですか?」
サヤがボロボロになり、中身の種が空っぽになったカブがいくつも。
種を食べた生き物の正体を探るために、観察カメラを設置。
3日後、撮影された映像には、一羽の鳥が。
川上さん「カワラヒワですね」
クチバシでサヤを割り、搾り取るように種を食べていた。
城島「器用に種を食べてるなあ~」
カワラヒワは、その名の通り、河原を好み、雑草の種をエサにする鳥。
ベース基地の横を流れる神田川はかつて、河原に草原が広がり、
たくさんのカワラヒワが生息していたが、今から50年前頃に、
コンクリート張りになり、その結果、カワラヒワも数を減らしてしまったという。
映像の確認を続けていると、「キリリリ」という独特の鳴き声が。
そして、その鳴き声に誘われたように、もう一羽のカワラヒワが。
川上さんによると、身体の色でオスメスの識別ができ、
最初の一羽はメスで、後から来たのはオスだという。
太一「カップルかな?」
さらに、その二羽に近くには、ヒナの姿も。
つまり、カップルではなく、カワラヒワの親子。
カワラヒワは、木の上に巣を作り、春先から子育てシーズンを迎える。
産まれたヒナは、親から口移しでもらった種を食べて育ち、
一ヶ月程で、巣立つ準備を始める。
つまり、子どもの独り立ちのため、エサを食べる練習に来ていたらしい。
城島「種が実る場所を残してあげたいね」
そこで、また植えるのに必要な分だけの種を取ることに。
太一「明雄さんの種だもんね。大事にしなきゃ」
残りは、カワラヒワの家族のために残しておく。
その一方で、
カブの隣で大きく生長中なのが、オオイヌタデ。
江戸時代の大名屋敷の池の泥の中に眠っていた種から芽吹いた可能性が高く、
芽吹いてからわずか2週間で大きく生長。
このまま生長すればおよそ5000粒の小さな実がなり、その中には種ができる。
その種もまた、カワラヒワの大好物。
種ができるために必要なのは、花粉を受け渡す“ポリネーター"の存在。
蜜を吸う際、体についた花粉を他の花に運び、
交配することで実や種をつくる役割がある
しかし、オオイヌタデは、蜜が少なく、甘い香りもしない。ならば、
太一「やっぱり、ニホンミツバチに頼もう」
ニホンミツバチは蜜が少ない花や小さい花などおよそ500種類の花を訪れ、
実や種をつくる最強のポリネーター。
古くから日本に棲む野生のハチがベース基地にやってくれば、
種をつける植物がさらに増え、生き物も増えるはず。
しかし、ニホンミツバチは、緑豊かな環境にしか棲めず、
世界的な大都会・新宿では、幻とも呼ばれる存在。
太一「ニホンミツバチが来る環境づくりはした方がいいね」
というのも、一週間前、ニホンミツバチが飛んで来る可能性がある
3km圏内の新宿御苑に、ニホンミツバチの貴重な群れがいることを
突き止めていた。
改めて、その棲み処の巣を確認すると、「王台」と呼ばれる巨大な巣穴を発見。
この巣穴のフタが閉まっているという事は、中にいる新女王バチが
サナギになり、もう少しで羽化する証。
太一「もうすぐ分ぽうしますよね」
分ぽうとは、新女王バチが巣穴から出てくる直前に、旧女王バチが、
群れの半分を引き連れて新たな棲み処へ引っ越すという習性のこと。
その引っ越し先の候補は、元の棲み処から3㎞圏内。
新宿御苑から3kmのベース基地に群れごと引っ越して来て欲しい!
そのために欠かせないのが、巣箱の材料となる木材。
そこで、向かったのは新宿御苑から約200m離れた創業140年の
老舗材木店「遠藤材木店」。
ミツバチがその匂いを好む杉の切れ端を分けて頂いた。
新宿で集めた杉を使って巣箱づくり開始!
入り口の大きさは、鉛筆の太さ程の7mm。
ニホンミツバチがギリギリ入れるサイズで、7mmを超える外敵の侵入を防ぐ。
さらに、暗い空間を好むニホンミツバチのために、DASH島の
水路づくりの経験を生かした接着剤を使わない「雇い実継ぎ」で
杉の切れ端を一枚板にし、隙間を無くす。
太一「これ、ニホンミツバチ来るよ」
さらに、防水効果の高い杉の皮で屋根を作って雨対策を施し、
より居心地をよくするため、ベース基地の中でも北風が入り込まない、
場所に設置し、入り口を新宿御苑に向ける。
これで、ニホンミツバチを迎える準備は整った。
肝心の新宿御苑のニホンミツバチの様子はどうか?
棲み処を確認してみると、しきりに働き蜂たちが出入りしている。しかし、
太一「この時期は、足に花粉をつけているはずだけど」
子育てシーズンのこの時期は、蜜と同時に花粉を集め、それを団子状にし、
棲み処に持ち帰り、幼虫のエサにする。
しかし、新宿御苑のニホンミツバチたちには、その花粉が見あたらない。
太一「偵察する専門のハチ」
新女王バチが育ち、分ぽうが近くなると、働きバチが引っ越し先の偵察に出る。
花や緑など周辺の環境と、新しい巣の安全性、居心地のよさを確認し、
気に入れば巣に戻り、新しい巣の場所をダンスで伝え、
仲間と一緒にもう一度偵察へ。
より多くの仲間が気に入った巣が多数決によって引っ越し先に決まる。
川上さん「あとは、ベース基地に偵察に来てるかどうかですね」
しかし、ベース基地には1つ問題が。
今年は、6月上旬ですでに30度を超える真夏日を記録。
ニホンミツバチの子育てに最適な温度は33~35度、
日光を遮るものがないベース基地は、35度を超える。
太一「真夏だとこれ以上になる…。対策が必要ですね」
そこで太一のアイデアが。
太一「ヘクソカズラ。ツルになりそう」
池の底に埋まっていた江戸時代の種から生えたツル性植物のヘクソカズラ。
同じく、畑で芽を出し育ち始めた、正体不明のウリ科の植物。
これらの植物と、新男米の藁縄で、グリーンカーテン作り。
日光を遮るだけでなく、暑くなると植物が自分の中の水分を
蒸発させることで温度を下げる、まさに天然のクーラー。
太一「来ますね、偵察バチ」
そして、わずか1週間で、ツルが伸び、日陰を作ることで巣箱の温度を
33度にまで下げていた。
さらに、ウリ科の植物にできた蕾が膨らみ、黄色い花が咲いていた。
太一「これは、キュウリかなあ?」
達也「スイカじゃない?」
実になって初めて、その正体がわかる。
達也「ドキドキだね」
そして、その黄色い花に止まったのは、
太一「シジミチョウだ!」
シジミチョウは、ちょっとした雑草があれば生きていけるため都会で
最もよく見られるチョウの1つ。
達也「グリーンカーテンして良かったね」
太一「日陰を作って、花に生き物が来て、一石二鳥だね」
さらに、一匹のハチが黄色い花に止まった。それは、
達也「クマバチじゃん」
クマバチもニホンミツバチと同じ日本固有のハチで、花の蜜を吸うポリネーター。
しかし、体が大きなクマバチはオオイヌタデのような小さな花にとまれず、
受粉はできない。
だが、肝心のニホンミツバチはまだやって来てくれず。
新宿御苑のニホンミツバチたちは、TOKIOオリジナルの巣箱に
やって来てくれるのか?
↑ページTOPへ