2017年9月24日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

始まりは、去年の夏。393日前のことだった。
達也「鉄を溶かして作り直そうよ」
日々の開拓で傷んだ鉄の道具を、再び溶かして再生する。
この目的の為、電気もガスもない江戸時代に作られた鉄を溶かす炉、
世界遺産・反射炉をDASH島に建設する計画が動き出した。
建設地に選んだのは、島の南側の浜。
広い敷地が確保でき、木々に炎が燃え広がることもない。
しかし、反射炉の総重量は30t以上。
不安定な石の浜では、傾く恐れも。
そこで、まずは地盤の改良から。
浜の砂利を、硬く締まった砂の層まで掘り出し、17畳分の敷地を確保。ここへ、
松岡「次は杭打ち」
古くから、軟弱な地盤の整備に使われてきた杭基礎を。
深いほど固く締まる砂の層に杭を打ち込めば、
反射炉の重みにも耐える、強い地盤に。
作業の効率を上げるため、丸太で作った脚立と、
60kgの石で作った杭打ち機を使って。
ひたすら打ち込むこと、全部で126本。
最後の1本を打ち終えたのは、今年の5月。
さらに、100年経っても揺るがない地盤にするため、
本勝さん「もういっぺん丸太を引けば、より荷重が掛かっても大丈夫」
築炉士・本勝照雄さんは、築炉一筋60年。
全国に3人しかいない築炉マイスター。
プロの指導の下、杭に掛かる重さを分散する、梯子胴木を。
杭だけでは、重さのかかり方次第で、バラバラに沈む可能性が。
しかし、杭同士を丸太で繋げば力が分散し、不安定に沈むのを防ぐ。
杭126本に番線で固定し、丸太を張り巡らせる。
本勝さん「石と砂を全部戻して、てん圧します」
達也「また砂利戻すんですか!?」
地盤の工事は、まだ半ば。
そこで、スタッフ総出で、一度掘り出した砂利を戻す。
大きめの石の間に、目の細かい砂を入れて、隙間を埋め、基礎をより強く固める。
そして、8人がかりでおよそ半日、地面はできたが、
まだ砂が乗っているだけの状態。
そこで、丸太の重さを利用し、地面を押し固める道具・胴突きで叩き、
沈んだ分だけ砂が隙間に入り込み、地盤が固まる。
1列叩けば、差は明らかだった。
城島「結構(砂が)沈みますね。硬さが全然違う」
そして、地盤整備、96日目。
日々何度も押し固め、砂はほとんど沈まない。
城島「これで全部、締めたと」
冬に始めた作業がようやく一区切り、ここからレンガ積みへ。
本勝さん「まず一番下に赤レンガを敷く」
耐火レンガは火には強いが水には弱い。
建設予定地は、海に面した浜。
地下から潮が上がれば、海水が侵入し、耐火レンガが湿る恐れが。
その状態で火を入れ、高温になると、耐火レンガの水分が一気に蒸発し、
爆発の恐れも。
そこで、最も熱くなる反射炉の中心部分には、赤レンガの基礎を。
赤レンガが水分を吸収し、反射炉本体が湿るのを防ぐ。
しかし、ただ敷けばいいわけではない。
城島「(反射炉の)高さ出るから水平取れてなかったらアウト」
完成すれば高さ16m近くになる反射炉。
基礎が少しでも傾いていればバランスを崩しかねない。そこで、
本勝さん「ミリ単位で水平をとります」
つまり、整備した地盤にレンガを敷いていくのだが、このままでは、
人の目では測れないわずかな凹凸で水平がとれない。
そこで、水平な目印をつけ、そこに合わせてレンガを並べる。
レーザーを使えばすぐに水平は出るのだが、無人島にはない。
本勝さん「箱型の水盛箱を使って水平を出す」
江戸時代には使われていた、水平を測る道具・水盛箱。
まずは板で箱形を作り、反射炉の敷地へ。
そこに、水を張って水面が落ち着けば、地球の重力で、水平な面が。
この水平を、糸を使い、一度水盛箱より上にコピーする。
そして、水盛箱をどかし、今度はレンガを置く高さに、水平な線をコピー。
この線に沿ってレンガを置けば、水平に敷ける。
まず、水盛箱の上に水面と並行に糸を張る。
そのために、差し金の端を水面に合わせ、両側同じ高さなるよう糸を張る。
これで、水面を基準に水平な糸が張れた。
今度はレンガを置く高さに水平な糸を移動させ、レンガの上っ面を、
目安の糸に合わせて並べていく。
叩いて高さを微調整し、低ければ砂でかさ上げ。
これで水平はとれたが、まだ固定されていない。
ここからが、レンガ積み要の作業だった。
達也「モルタル塗るの難しいよ」
レンガ同士をくっ付ける接着剤、モルタル。
材料は、レンガの街・岡山県備前市で頂いていた。
かき集めた古い耐火レンガを、砕いて潰した粉末。
これをDASH島で取れた粘土質の土と混ぜ、水を入れて、粘りを出す。
耳たぶほどの硬さになったら、十分。
モルタルを塗り、レンガを固定する。
塗るときは、真ん中は同じ厚さ、淵の部分は多めに。
というのも、隙間が出来るのは禁物。
押し付ければ、多めに塗ったモルタルが隙間に入り込む。
はみ出した部分は後で削り取ればいい。
棟梁達也も、この仕事は初めて。
素人・松岡ならなおさら上手くできない。
城島に至っては、塗りがまばらに。
これでは水平をとるのに、何度も叩かねばならず、時間がかかる。
そして、レンガ積み2段目。
シビアな水平が求められる基礎、一目で分かる道具を作っていた。
古代エジプト時代から、石積みに使われていた、垂直定規。
長方形の板の中央に目印の直線と糸で吊るした錘が。
これをレンガの側面に当て、傾いていれば、糸と直線がずれ、水平なら一致する。
1段目は水平だが、モルタルの厚みにムラがあれば、
本勝さん「これは(レンガの)左側が高いね」
その角度分だけ左側が高い状態。
そこで、左側を叩いて水平に戻す。
いくつか積んだら、こまめに確認を繰り返し、半日ほどで、
本勝さん「全部で200個くらい積んだ」
達也「これ(完成まで)全部で何個くらいレンガ使うんですか?」
本勝さん「3万個」
途方もない数字だが、もはや頼れるのは自分だけ。
しかし、そんな時、頼もしい男たちが。
DASH島に来て2年、元ボディビルダーのAD佐藤は、
杭打ち作業でも、そのパワーをいかんなく発揮。
一方、DASH島歴5年、先輩AD足立は、筋肉に頼り、
力任せになりがちな後輩をフォロー。
2人の成長でペースは格段に上がった。
作業の手を休め、夏の恒例行事。
松岡「この時季がやって来ましたよ!」
というのも、毎年、浜に流れ着いたもので、パターゴルフやウェイクボード、
スイカ割りと、年に一度の男だけの海遊びを満喫していた。
そして、今年もこの男が口火を切った。
松岡「本当にTOKIOはバック転できんのかと」
バック転とは、ジャニーズアイドルなら出来て当たり前。
体を斜め後ろに浮かせる筋力とバネ。
そこから、体を回転させるには柔軟性が不可欠。
TOKIOも20年前は軽く出来ていたが、平均年齢も40を過ぎると、
足腰は弱り、体もガチガチに。
長瀬「5時間ストレッチさせて」
そこまで待ってはいられない。

太一「山口さん出来るんじゃないの?」
20年前は、運動神経抜群だった達也だが、45歳にもなると、
とっさの受け身が取れなくなる。
しかも、斜面の浜での着地は体重移動が難しい。

だが、そこはさすが達也。 一発で感覚を思い出し、バック転をやってのける。
太一「でも、やっぱり歳は感じるね」
確かに、20年前と比べると、バック転もどこかもっさり。

ならば、最年少の38歳の長瀬はどうか。
ここ数年は、しっとり歌いあげるパフォーマンスが増えてきたが、
長瀬「うわ、怖いね…!」
そう言いながらも、183cmの長身を生かした、ダイナミックな回転で、無事成功。

続いて、メンバーいち身軽な太一。
だが、ちょっと反っただけで、ポキポキと骨が悲鳴を。
新婚の家族に無駄な心配を掛けたくもない…。
と、踏切る寸前、そんな不安が頭をよぎり、ビビッたのか、
半身で逃げて、あえなく失敗。

続いて、この男は、
松岡「前宙やるよ」
10代の頃の代名詞は、手を付かずに前に回転する前宙。
バック転より難しいとされるこの技を得意としていた。
あれから22年、10代の頃のイメージで踏み切ったが、
体がついて行かず、お尻で着地。

残るは、46歳の城島だけだが…
松岡「リーダーは危ないからやめとこ」
では、遊ぶ道具探しを再開。
見つけたのは、5mほどある塩ビパイプ。
長瀬「リンボーやってみる?」
トリニダードトバゴ発祥のリンボーダンスは、
水平の棒に触れない様に上体を後ろへ反らし、くぐり抜ける。
体の柔軟性と反った状態を支える筋力勝負。
これを高さ1m30㎝で。
まずは、未だ柔軟性を保っている最年少、長瀬。
しかし、高身長がアダとなったか、重心が崩れて、くぐり抜けられず。

続いて、バック転回避で体力に余裕がある最年長、城島。
鬱憤を晴らすように、リズミカルに体を反らすも、
城島「あ、痛ててて…腰痛い」
気持ちで抑え込んでいたものの、腰の痛みには勝てず。
太一「顔で棒を押し上げてたよ」
漂着物探しは、紫色の何かが入ったペットボトルを発見。
長瀬「服?何でペットボトルに入れるの?」
中身を取り出してみると、女性用の下着3点セット。
さらに、ヤバい瓶も流れ着いていた。
中には、松岡が最も恐れる生き物、ヘビが。
考えられるのは、マムシ酒か、ハブ酒。
しかも、まだ酒らしき液体も残っている。
一応、下着3点セットと一緒に持ち出す。
その先にあったのは、ボウリングの球。
しかし、よく見ると、指を入れる穴がない。
長瀬「マイボール作る前のサンプルの状態だよ」
ボウリングのボールは、水に浮く軽い樹脂の中に、
アンバランスな形の重りを入れて、重心をずらしている。
重心の上に穴を開け、そこに指を引っ掛けて投げる事で、
自然に回転が生まれ、強いカーブを描く。
しかし、穴がなければ、まともに投げられない。
その前に、砂の上では転がらない。
太一「砲丸投げやる?誰が一番遠くに飛ばせるか」
長瀬「島リンピック開催!」
スコットランドの大男たちが、石を投げて力比べをしたのが起源と言われ、
現在では、直径11cm重さ7㎏の鉄球の飛距離で争う競技。
世界記録は23m12cm。
これを鉄球より軽いが、投げにくいボウリングの球で。
優勝者には、先ほどの瓶に入った、勝利の美酒。
まずは、DASH島いちの腕っぷし達也。
自慢の上腕二頭筋で放たれた球は、10m!
鉄球だったら、高校生の全国大会レベル。
続いては、右肩が上がらないため、利き腕じゃない左腕で挑戦の城島。
予想通り、達也を抜けるはずもなく、8.5m。

続いては、島一番の細腕、太一。
力仕事はめっぽう弱いが、意外と飛んで11m。
フライング気味ではあったが、達也の記録をわずかに超えた。
そして、馬鹿力に定評のある男、長瀬は、長身を生かした高い位置からの投てきで、13mと圧倒的な記録!

トリは、負けず嫌い、ヘビ嫌いな男、松岡。
優勝賞品はヘビ入りの瓶。
勝っても負けてもいい気はしないが、やるからには勝つ!
長瀬の記録、超せるか!?
すると、記録14mを叩き出し、負けず嫌いのヘビ嫌いが王者に!
では、勝利の美酒を贈呈。
さらに、ゴルフの勝者に送られる、グリーンジャケットの要領で、
下着3点セットの一枚、パープルパンツを。
太一「全体のMVP決めたいね」
それなら、全会一致で、松岡。
では、最後は前宙でビシッと夏を締める。
踏み切り台代わりにビート板を置いて、ジャンプ!
…が、やはりお尻着地で、
松岡「また来年!」
一方、反射炉の作業は、基礎のレンガを敷き終え、
ようやく世界初の試み、炉の本体へ。
本勝さん「炉の熱が逃げないようにトンネルを作る」
韮山反射炉の下にはアーチ状の空間が。
四角いレンガを積み重ねて、アーチで屋根を作り、
空気が入るトンネルを設けている。
それなら棟梁・達也、石やブロックを曲線に積む方法を心得ていた。
アーチを作るときの、一時的な土台・支保工。
島の石橋も、この土台を使って輪石を積んだ。
支保工も、2度目となれば、慣れたもの。
余った板で手際よく作ると、それを基礎の上へ。
そして、ここに並べるレンガを太一と城島が。
刃のような先端でレンガを削る道具・両刃で、
下が細くなるよう、両幅を5mm薄く削り落とす。
このわずかな角度の積み重ねが、アーチの曲線を生む。
城島「石橋やっててよかったね」
というのも、石橋の輪石を削った時は、肉叩きのような道具で叩き、
1面を削るのにおよそ1時間。
しかし、軽く柔らかなレンガなら、擦るだけで平らに。
これを並べていくのだが、
本勝さん「目地(モルタルは)1.5~2㎜以内の厚さで」
モルタルは乾燥して固まる時、水分が抜け縮む。
厚く塗りすぎると、乾いて縮んだ時に隙間が生まれ、崩れ落ちる可能性が。
これまで以上に難しい仕事。
そこで、強力な助っ人が加わった。
本勝さん「うちの息子」
本勝雅博さんは、父と同じ一級築炉士。

元々は商社の営業マンだったが、20年前、築炉の世界へ飛び込んだ。
太一「何かスポーツやってたんですか?」
雅博さん「野球やってました。甲子園ベスト8で」

ピッチャーだった雅博さん、県大会決勝でリリーフ登板、
持ち味のコントロールで甲子園出場を決めた。
ベスト8まで進んだチームのエースが、元メジャーリーガー、
長谷川滋利投手だった。
その雅博さんでも5年かかったというモルタル塗り。
プロとTOKIOの塗りの差で、モルタルの厚みにばらつきが生まれ、
最後のレンガ1枚が入らない隙間が出来た。
城島「またこんなことになったね…」
2年前のトラウマが思い出される。
石橋、最後の輪石を据えようとしたものの、本来、
ぴったりハマるはずだったのだがハマらず、この時はいちからやり直しに。
しかし、レンガのプロはやり直さない。
刃先が尖った、目切りという道具で、縦に半分に割った、
はんぺんと呼ばれるレンガをハメて、中途半端な隙間を埋める。
これで1列が完成し、あと20列。
要領がわかったら、島に通えるメンバーが交代で作業を進め、
1か月で全21列のアーチが完成。
そして、モルタルが乾くのを待ち、
達也「(支保工)抜けるか、抜けないか」

またも、苦い記憶が甦る。
石橋の支保工を外そうとした時のこと。
引っ張れば、抜けるはずだったのだが、石が噛み合い引き抜けず、
叩き壊して、外すしかなかった。
レンガは、石橋の石より遥かに軽く、やわらかい。
強引に引き抜こうものなら、崩れるかもしれない。
支保工は、クサビと角材で持ち上げている。
これを外せば、支保工が落ちて、引き抜けるはずだが。
しかし、クサビを抜いても支保工が落ちない。
達也「モルタルが垂れて固まってる可能性もある」
城島「(レンガと)くっ付いてる場合、ズレて崩れたら怖い」
そこで達也は、支保工を細かく叩き、振動でモルタルを剥がす。
アーチに力を加えぬよう、加減しながら。
すると、わずかに出来た隙間から、松岡が手助け。
松岡「抜けた!石橋の時と同じ感動があるね!」
地盤の整備に、4か月。
アーチ完成まで、3か月を要した。
半年以上かけ、まだ全体の2割ほど。
松岡「これで(レンガ)4000個」
達也「まだあと(完成まで)2万6000個」
しかし、その数日後、まだ、モルタルが乾かぬうちに、DASH島に大型台風が。
激しい風と雨が、容赦なく打ちつけ、数日後、
スタッフが確認に行くと、7か月かけて出来上がった
アーチ最後の3列が崩壊。
大きな爪痕を残した。
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