2018年6月10日 放送内容DASH海岸

5月の横浜DASH海岸で、城島と木村さんが探していたのは、
城島「大きくなって、ちゃんと棲んでくれてるかな?ウナギちゃん」
今、何かと話題の絶滅危惧種のニホンウナギ。
かつては、江戸前の代名詞といわれ、庶民の大事なスタミナ源だった。
しかし、今や数が激減。特に、今年は全国的に歴史的不漁に見舞われている。
そんな貴重なウナギの赤ちゃんを、DASH海岸で発見したのは、昨年の春の事。
さらに、遡ることをその2年前には、体長70㎝のウナギも発見していた。
こうして、DASH海岸にやって来てくれたウナギが、
その後、しっかり棲みついているか調査する事でこの海の健康診断もできるという。
木村さん「ウナギは環境にすごく敏感で、環境の変化ですぐにいなくなる」
ウナギは、鼻の穴が4つあり、魚の中で最も嗅覚が発達していて、人間の1000万倍。
わずかな汚れも感知するため、汚い海では生きてはいけない。
ウナギを捕獲するために、木村さんが持ってきた秘密兵器が、
ワンタッチで折り畳むことができるカゴ網、その名も『六角網』。
側面6つの全ての面に入口があり、そこから生き物は簡単に中に侵入できるが、
一度中に入ると、外に出る事ができない仕組み。
城島「いいですね!これ、ネットで売ってるんですか?」
木村さん「ネット(網)だけに」
手軽に買うことができるが、設置には自治体の許可が必要なので要注意。
木村さん「ウナギの大好物のエビに入ってもらいたい」
そこで、まず六角網の中にワラを入れて、エビに棲んでもらう。
エビやカニなど小さな生き物は、狭い隙間が大好き。
そして、ウナギはそんな場所を見つけては、狩りをする。
この時期、冬眠から醒めたウナギは、エサをドカ食いするという。
城島「ウナギちゃん、いてほしいなあ」
DASH海岸の岩場に設置して、8日後。やって来たのは、桝太一アナウンサー。
桝「楽しみですね。ついにDASH海岸ウナギが、と思うと、感慨深い」
城島「ウナギ調査と言えば、桝さんだもんね」
東京大学大学院で海の生き物を研究していた桝アナ。
卒業論文は、「東京湾のアナゴについて」。そのアナゴもまた、ウナギの仲間。
7年前から勝手にやって来ては、ウナギを探しているが、未だ対面は叶っていない。
六角網を上げると、中にはケフサイソガニやイソガニが。
そこに混じっていたのは、南の海に棲む、タイワンガザミ。
「台湾」と名がつくが、昔から東京湾にいる在来種。
艶やかでつやっぽい見た目から“花魁"と呼ばれるが、青くなるのはオスだけ。
その身は旨味が強く、甲羅からは極上の出汁がとれる。
そいつが、六角網の中にはたくさん。
桝「こんなに生物量が多いとは…。ものすごく豊かなDASH海岸になってる」
続けて、2つ目の六角網を上げると…
桝「きた~すげえ!しかも立派!」
体長40㎝のニホンウナギが!
つまり、以前の捕まえたデカいウナギは、決してまぐれの一発
というわけではなくこんなサイズが住み着いているということ。
お腹が黄色いのは脂が乗っている証拠で、このサイズなら市場で1万円の値がつく。
城島「ウナギの赤ちゃん見つけたのは、いつやっけ?」
スタッフ「去年の春です」
さすがに、1年で40㎝の成長は早すぎる。
養殖物は、24時間、温度管理されて栄養満点なエサもたくさん食べられるため、
1年で30㎝成長するが、厳しい自然環境に生きる天然物は、1年で15㎝程度しか
育たない。
城島「じゃあ、以前から棲みついている」
木村さん「だとすると、結構な数のウナギがDASH海岸にいるんですよ」
日本中で絶滅危機が叫ばれている希少種が、ここで増えている可能性が。
そして、木村さんによると、
木村さん「東京湾の入口で、似たようなニョロニョロのウナギの仲間が増えている」
それは、英語でCutthroat Eel、すなわち「人殺しウナギ」と呼ばれる、
1m越えで、でっかい口に不気味な姿のヤバいウナギだという。
そこで、向かったのは、三浦半島の神奈川県三崎町。
今回もお世話になるのが、大物を求めて42年の大物ハンターの小菅さん。
TOKIOとの付き合いは4年。昨年はサメ捕獲にも協力いただき、
巨大ザメも恐れぬ船長さんだが…
小菅さん「人殺しウナギ、狙いますか…」
と、顔が曇る。
そして、向かったのは、東京湾の深海・東京海底谷。
人殺しウナギは、この最大750mの深海に潜んで、急激な斜面の下でエサが
落ちてくるのを待っているという。
そんな人殺しウナギを捕まえるために、小菅さんが用意したのが、マグロの胃袋。
船長の地元・三崎はマグロの町。胃袋は、シコシコの食感で大人気。
これをエサにすると、強いニオイに人殺しウナギが寄って来る。
マグロの胃袋を付けた針を落とすのは、水深370~420m。
城島「DASH海岸史上最深」
仕掛けを落とし、しばらくすると、当たりが!
電動リールで巻き上げると、姿を現したのは、ドンコ(チゴダラ)。
ドンコのドンは“どんくさい"の意味で、泳ぎは遅いが、嗅覚は鋭く、
暗闇の中でエサを探すのは得意。
昔は、外道として捨てられていたが、最近は大人気で、その肝はクリーミーで
コクがあり、薬味と和えた漁師飯なめろうは絶品。
続けて、桝の竿にも当たりが!それは、深海では敵なしの王者のフトツノザメ!
僅かな光も逃さぬ大きな目と背びれ2か所にある毒針が特徴。
小菅さん「深海のサメの中でも美味しい。巷でブームになってるよ」
その美味しさから、各地でご当地食材として猛プッシュ。なので…
小菅さん「うちで食べさせてもらいます」
続けて、3本の竿に同時にかかったのは、真っ黒な体が特徴のクロシビカマス。
色が黒く、頭は太刀魚、体はカマスに似ているクロタチカマス科の魚で、
昼間は深海、夜は海面まで上がって狩りをする。
かつては金目鯛釣りの外道として嫌われ、捨てられてきたが、
ここ最近は、その美味しさからすぐに売り切れる人気の魚で、
「幻の外道」とも「外道の王様」ともいわれている。
しかし、小菅さん曰く、クロシビカマスは「海のハイエナ」と呼ばれる。
その訳は、群れで行動し、泳ぎが上手で嗅覚も敏感で、
エサがあると分かれば集団で待ち伏せし、人殺しウナギより先に食いつく。
そのため、その後も仕掛けにかかり続け、結果はなんと13匹!
結局、増えているはずの人殺しウナギの姿を見ることはできなかった。
人殺しウナギ、その正体は、
木村さん「イラコアナゴっていう、深海性のアナゴです」
1mを超える巨大な深海アナゴで、大きな口と不気味な顔からヨーロッパでは、
人殺しウナギと呼ばれ、自分と同じ大きさのサメも襲い、深海の巨大イカも食らう。
東京湾では、その不気味さから獲っても逃がしてしまい、数が増えているが
ジューシーで旨味が強く、東北や北海道では名産品として売り出されている。
今回は、たくさん獲れたコイツで…
桝「クロシビパーティーします?」
城島「賛成です!」
小菅さん「友人の板前が港で待ってるので、皆で食べましょう」
港で男たちを待っていたのは、地元三浦市三崎の日本料理「蔵」で、
包丁を握る、弱冠34歳で料理長5年目の福本さん。
小菅さん曰く、捌けない魚がないという天才。
まず一品目は、三枚に下して、クロシビカマスには無数の骨があるため、
スプーンで身を削ぐ。そして、削いだ身をバーナーで軽く炙って『炙り刺し』に。
さわやかなスダチを絞って頂く。
城島「美味しい!脂がのってるけど嫌な脂じゃないし、コクがあって、旨みがある」
桝「炙った所の香ばしさと生の所のミルキーなコクのアンサンブル」
二品目は、鱧切り包丁を使って、クロシビカマスの骨を巧みに細かく断ち切り、
梅干しと紫蘇の身の間に挟み、天ぷら粉をつけて油で揚げた『梅紫蘇天』。
桝「圧倒的に美味い!」
木村さん「いい仕事しますねえ!」
福本さん「ありがとうございます!」
そして、三品目は、骨切りした身を串に刺し、一杯醤油(酒と薄口醤油を混ぜたもの)
を塗って、脂がしたたり落ちるほど、炭火でじっくりと焼いた『白焼き』。
柚子胡椒をつけて頂く。
桝「こんな奇跡の魚を育んだ、東京湾に感謝したい!」
城島「(美味しすぎて)クロシビカマスが築地を変えますよ。」
桝「地下アイドルじゃもったいない。メジャーでセンターに立てますよ」
小菅さんも思わず儲かるぞとニンマリ。それを見た城島がすかさず、
城島「算盤弾く音が聞こえましたよ。なかなか“かます"なあ」
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