2018年7月22日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

日に日に暑さ増す中、舟屋では漁の準備が進んでいた。
城島「この時期、この島ならではの…」
長瀬「ショウジンガニ。美味かったね」
それは、3年前から夏の岩場で狙う獲物。
あの上海ガニの仲間で、身は少ないが、いい出汁が出て、味噌汁が格別。
その塩茹では、島随一の贅沢料理。
城島「その時も、このひっこくりで捕まえた」
東伊豆では、カニ取りの定石のひっこくり。
手元のヒモで輪が縮まる竿先を岩陰などに入れ、カニを待つ。
餌に誘われ輪に入ったら、ひっこくるだけ。
ショウジンガニは、内臓など強い匂いに反応するため、
イワシの頭など、匂いのキツいものを餌に使う。
そこで、DASH島では、匂いのキツい漂着物のねぎの漬物を使った。
その時残った分は、ちゃんと瓶に入れたまま舟屋にとっておいたが…
城島「カラカラになってるで…。瓶のふたがゆるゆるで密閉されてへん」
開け閉めで擦れた部分から、サビで劣化したのか、
中身のネギも乾燥してきってしまい、匂いも嗅げるほどに。
城島「これじゃカニも食わへんよ」
長瀬「なんか臭いの他にないの?」
しかし、他の瓶も乾燥している恐れが。すると…
城島「これ、何かあった時用に、秘蔵コレクション」
それは、城島が島での日々の作業の合間に見つけていた漂着物の数々。
浜を歩いて拾ったのは、キムチらしき容器ばかり。
というのも、キムチはもともと、野菜の発酵食品。
栄養豊富な上に日持ちするため、長い船旅で新鮮な野菜や果物を
摂りにくい船乗りたちにとって貴重な食材。
それが、なんらかの理由で海に落ち流れ着いたと考えられる。
流れ着いたということは密閉状態。匂いも漏れていないはず。
長瀬「こんなのコレクション“してんの"?」
城島「匂いの“四天王"」
このコレクションの中からカニの餌選び。
早速、一つ目を開けて匂いを嗅いでみるが…
長瀬「そんなに破壊力ないね」
城島「らっきょうの香り」
続けて2つ目。
城島「原型が分からないところが良いね」
肝心の匂いは…
長瀬「ズドーンって来る感じじゃないけど…」
城島「ちょっと、くさや系に似てる…」
そして3つ目。
長瀬「これスゲエな!古いエンジンとかを開けた時の、燃料系の…」
城島「ガスが充満してる感じ。二次発酵みたいな感じ」
調べたところ、白菜に含まれるイソチオシアネートという成分は、
ワサビなどにも含まれる、ツーンとくる辛味の素。
それが、酸素に触れることで揮発性の成分に。
時間が経つほど進み、ガスの匂いに近づく頃には液状化する。
そして、最後の一瓶。
城島「これ、臭いわ!これだ!」
長瀬「一周して、パンみたいな匂いしない?」
キムチには、パンを膨らませるためパン生地にも入れる酵母の仲間が含まれる。
発酵が進むにつれ、酵母は増えるため、古いキムチはパンのような匂いが
することがある。
長瀬「これだったらつまめるからいいかもね」
餌となるキムチも決定し、ショウジンガニを求めて岩場へ。
長瀬「あの海藻の中にいるんだな」
ショウジンガニは、岩場の隙間に海藻に紛れて身を潜めている。そこへ
長瀬「とりあえず、エサをぶっこもう」
キムチの匂いで、海藻と岩の隙間に隠れるカニをおびき寄せる。
城島「匂いがキツイから、いきなり来るかもしれんよ」
しばらく様子を見ていると…
長瀬「何かが棒を突っついてるんだよな。なに?魚がいる?」
それは、高級魚・ギンポの仲間のダイナンギンポ。
肉食だが、臆病な性格で、ショウジンガニと同じく岩陰に隠れている。
そもそも魚は、えびなどに多く含まれるアミノ酸の匂いに興味を示す習性があり、
このギンポもキムチから染み出たアミノ酸におびき出されたと思われる。
さらに、推定25㎝の大物が、餌のキムチをパクリ!
その正体は、メバルの仲間、ムラソイ。
大きいものは1000円を超える高級魚。
周りの環境に合わせて体の色が変わるため、赤いムラソイが棲むこの辺りは、
赤い海藻や岩が多い。つまり、赤いショウジンガニも、隠れやすい。
別の岩の隙間にカニを発見し、キムチを近づけてみるが…
長瀬「キムチには全く反応しないね。むしろ逃げていく」
その原因は、隣でカニを探している城島の所に。
城島「なんか出てきた!」
長瀬「リーダー、タコだよ!それ」
岩の隙間から出てきたのはカニではなく、マダコ。
マダコは、ショウジンガニと同じく岩の隙間を好む上に、カニに目がなく食欲旺盛。
ショウジンガニは、この気配を感じ、身を潜めた可能性が。
長瀬「タコ釣っちゃおうよ。タコ食いたいよ」
というのも、マダコは今が旬。身の締まりが良く、旨味が凝縮した高級タコ。
このまま逃す手はない。そのままひっこくろうと試みるが、
体が輪に通っていなかったせいか、隙間から逃げられてしまった。
岩場に隠れたタコをおびき寄せる作戦に出たが、警戒しているのか、
輪を避けるように餌を引っ張っていく。
このままだと、岩の隙間に逃げ込まれてしまう。
そこで、長瀬が素潜り漁で使うカギ棒を使い、タコの体を引っ掛けて捕まえた!
長瀬「いいサイズ」
城島「メスだ。吸盤が均一」
というのも、縄張りを守る雄ダコはいびつな岩に強くしがみつく。
そのため、吸盤の並びと大きさがまばらに進化したと言われる。
一方、その必要のない雌の吸盤は大きさも均一で綺麗に並ぶ。
身も柔らかで美味い。
長瀬「めっちゃ美味そう」
捕まえたタコの調理を開始!まずは、下処理から。
中にキムチが残っていては困るので、頭を切り落とす。
そして、ぬめりを取るために、藻塩で揉む。
タコは、身を守るためにぬめりがあり、その中には雑菌や汚れが多く含まれる。
塩揉みすることで、ぬめりの中のタンパク質が固まり、とれやすくなる。
さらに、浸透圧で水も抜け、味も凝縮する。
塩揉みしたら、井戸水でぬめりと塩を洗い落とす。
さて、このマダコをどう食べるか。
長瀬「焼きもいいっすけど、揚げにしましょうよ」
城島「素揚げ?衣つける?」
長瀬「そのまま行こうか」
余計な味付けはせず、油も少なめのオトナの味に。
島で搾ったアケビ油でカラッと素揚げに。
城島「タコのええ香りする」
じっくりと揚げて、いい頃合いになったら油から出す。
長瀬「美味しそうだね」
揚げたてを熱々のまま頂く。
城島「身が締まってるね!」
長瀬「歯応え最高!」
しかし…
長瀬「しょっぱ…」
城島「塩の天ぷら食べてるみたい」
本来は、1回の塩揉みに対し30分ほどの水洗い2回が良いとされ、
その手間を省くため、洗濯機を使うことも。
しかし、DASH島では、鍋の水でチャチャっと流しただけ。まさにタコの行水。
城島「ちょっと“塩"を効かせすぎたな~。“しお"がないな~。
まだ結構“たこ"さんあるよ。干したりとか塩抜きしてから考えないとね」
長瀬「そう“しお"ー」
城島「そうしましょう。そるとね」
ツッコミ不在、ボケしかいない男たちのやりとりは続いた。
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