一旦付着すると、動かない生き物ため、その個数は増える一方。
そして増えれば増えるほど、船が前に進む時、水の抵抗が大きくなる。
スピードダウン、燃費が悪くなるなど、
フジツボは船にとって良いことは一つもないのだ。
困ったことにこれといった予防対策がなく、船を扱う者は定期的にこのフジツボの除去を行わなければならない。

除去前

船体が見えなくなるほど
ビッシリこびりついている

除去後
多少跡は残るが
殻一つ無くなっている

フジツボそのものは、大きさ直径数mm〜3cmの石灰質の殻を持ち、
岩などに付着する生き物。
体の大部分に殻を持ち、タニシのような姿なので
貝の仲間だと間違えられやすいが、
実は甲殻類だということはあまり知られていない。
つまりフジツボはエビやカニの仲間なのである。



「フジツボ」除去作業
 

金属の大きなへらの様なものを使い、側面から剥がすように落とす。
船体についているフジツボ自体の付着力は大したことなく、少ない力で簡単に落とせる。
「ちゃんと走ってくれよ」と心を込めてヘラを動かす。
カリカリと心地よい音をたて、病み付きになりそうになるが、フジツボがたくさんつくまで貯めようというのは禁物。

フジツボは岩場に固着する種類がほとんどだが、
中には生きたクジラやウミガメにしか着かない変わり者もいる。
あるクジラが体に付着したフジツボがかゆくて、
ヨットに体をこすりつけてひっくり返してしまったという話もあったとか。