明雄さんのにっぽん農業ノート

鷹峯地区

京都市北区の鷹峯街道を中心に広がる地域。
江戸時代より御典医藤林氏が、当地に広大な薬草園を開いて野菜を栽培したことから、京の伝統野菜の名産地としても知られる。

鷹峯三山

大文字山(左大文字)の北方に位置し、当地西方に連なる丘陵をいう。
東から鷹峯(鷹ケ峰、たかがみね)、鷲峯(鷲ケ峰、わしがみね)、天峯(天ケ峰、てんがみね)と称する。

樋口 久子さん

昭和2年10月5日生まれ。
23歳の時に農家に嫁ぎ、その2~3年後から振り売りを始めた。
以来、約60年間振り売りを続けている。(日曜はお休み。)
振り売りで売る野菜は、息子の昌孝さん、嫁の千景さん、孫の豪宏さんが作っている。
※『東京VS京都 ご当地食材でこだわり弁当つくれるか!?』に出演。 (2003年11月2日放送)当時76歳。

振り売りとは、持ち歩いている商品の名を大声で呼びながら売り歩くこと。
ざる、木桶、木箱、カゴを前後に取り付けた天秤棒を振り担いで商品を売り歩く様からこう呼ばれるようになったと言われる。
平安時代からあったといわれ、振り売りが最盛期を迎えたのは、江戸時代といわれる。
京都の北区では、この「振り売り」の文化が残っており、昭和の頃までは農家の女性が、「手ぬぐい」と「たちかけ(半纏)」をまとって、その日採れた野菜をリヤカーや大八車で近隣の家々に直接売り歩く姿が多く見られた。
現在では、大八車は軽トラックに代わっているが、振り売りは現在も行われている。
※大八車を使った振り売りが始まった時期は定かではない。

振り売りで売った野菜

トマト 100g 70円
トウモロコシ 1個 200円
モロッコインゲン/インゲン 1袋 150円
鷹峯とうがらし 1袋 200円
きゅうり 1本 50円 (曲がったのは30円)
賀茂なす 1個 200~300円
ナス 3本 200円

※基本は上記の値段だが、大きさと久子さんの気分で値が下がる。

明雄さんメモ

  • あの細い体で毎日大八車を引いてるなんて、樋口さんは本当に強いな!感心した!
  • 昔は俺の住んでいるところにも、他の町から行商が来ていたな。
    日用品や塩漬けした魚や肉とかを売りに来ていたぞ!懐かしかった!