出張DASH村

千葉県野田市

  • 面積103.55平方km、人口約154,798人。(29年7月時点)
  • 県の最北端部で東を利根川、西を江戸川、南を利根運河によって、三方を河川に囲まれている。
  • 千葉県を型どった姿の、千葉県PRマスコットキャラクター『チーバくん』の鼻先にあたる。

“醤油の町"野田

  • 野田の醤油作りは永禄年間(1558~1570年)には始まっていたとされている。
  • 市中には、大手醤油メーカーの「キッコーマン」の本社と、天保元年(1830年)創業、老舗「キノエネ醤油株式会社」があり、野田で作られた醤油が全国へ出荷されている。

野田市の枝豆栽培

  • 野田市での枝豆の栽培面積は約300ヘクタールと多く、兼業農家も専業農家と同じくらいの
    量を栽培している。
  • 昔は、多くの農家が、自家用の味噌作りなどのために大豆を作っていたが、食生活の変化などにより、昭和20年代後半から枝豆栽培に転換した。
  • 市内を走る『まめバス』は、小回りのきく小さいバスであることや、市民にこまめに乗ってもらいたいという思いから「枝豆の町 野田」を象徴している。

お世話になった方

近藤理(おさむ)さん

学校卒業後、65歳までキッコーマンで働き、醤油作りや大豆製品の研究に携わっていた。退職後に、奥様の実家の枝豆農家を継ぎ、現在、農家歴5年目。夏は枝豆、冬はほうれん草を栽培している。趣味は、社交ダンスと庭の植木の手入れ。

近藤絹代さん

父親の代から枝豆栽培を行っており、小さい頃から手伝っていた。24歳の時に理さんと結婚。
家族や友達と旅行に行くのが趣味。

近藤いちさん

子供の頃から家の農業を手伝ってきており、農業の大ベテラン。今では家の裏に自分専用の畑をもっており、常日頃自分で管理を行っている。

枝豆

  • 「枝豆」という名前の由来は、その名のとおり枝つきのまま茹でて食べたことからと言われている。
  • 枝豆とは、大豆が未熟な緑色の状態のときに収穫したものであり、完熟すると「大豆」になる。
  • 植物分類学上、枝豆は野菜類だが、豆である大豆の栄養分も持ち合わせた優れた野菜。

枝豆の歴史

  • 奈良あるいは平安時代から、枝豆として食べ始めたといわれている。
  • 江戸時代の文献には、夏に「枝豆売り」の姿が路上でみられたとされる記述が残されいる。
    当時は枝についたままの状態で茹でたものが売られ、その状態で食べ歩いていることから、ファーストフード的存在だったのではと考えられている。

海外での“EDAMAME"

未成熟大豆としての枝豆を食べるという食文化は、長い間、日本を中心としたアジア諸国独自のものだったが、近年の健康志向に伴う日本食ブームにより、2000年頃には北米、ヨーロッパ等海外でも塩茹でした枝豆が食べられるようになり、「EDAMAME」と呼ばれ、人気となった。

栄養価

  • 「畑の肉」といわれる大豆同様、良質なタンパク質などの豊富な栄養素に加え、食物繊維やカルシウム、鉄分なども多く含んでおり、大豆には少ないβ-カロチンやビタミンCを含むのが特徴。
  • さらに、抗酸化作用や、美容効果が期待される大豆イソフラボンも豊富に含んでいる。

福島DASH村での枝豆(大豆栽培)

2001年の春に、初めて枝豆(大豆)の種を蒔いて以来、野ウサギに若い芽を食べられてしまったりと、様々な困難にも遭いつつも、主に豆腐作りのために毎年育てていた。

種類・産地

  • 枝豆の品種は400種以上もあり、「青豆」「茶豆」「黒豆」の3つに分けられる。
    「青豆」:一般的に出回っており、癖がなく、万人受けする味と食感。
    「茶豆」:主に東北地方で生産されている品種。深い甘みと、特有の芳しい香りが特徴。
    山形の『だだちゃ豆』新潟の『黒埼茶豆』などが有名。
    「黒豆」:主に関西地方で栽培されており、京都の丹波黒枝豆が有名。
    サヤの中で黒くなる前の状態のため、薄皮がうっすらと黒みを帯びている。
    大粒の豆と深い甘味と凝縮されたコクが特徴。収穫時期が約3週間と短く、生産量も少ないため、あまり市場に出回ることはない。
  • 生産量は千葉県が全国1位。

枝豆のしくみ

<毛茸(もうじ)>

枝豆のさや全体に生えてるうぶ毛のようなもので、主な働きは2つ。
外敵から身を守る 虫・アリ・カメムシなどの外敵から身を守る。
水分調整 雨が少なく、水分が足りていない時は、空気中の水分を取り込み、水分を吸いすぎた時は、排出したりと、枝豆の水分調節の働きがある。

<根粒菌(こんりゅうきん)>

  • 大豆(枝豆)やエンドウマメ、ソラマメなどのマメ科植物の根に寄生することの多い細菌のこと。
  • 枝豆が光合成で作り出した養分やエネルギーをもらう代わりに、枝豆の生長に必要な窒素などの栄養を根粒菌自らが作り出し、根っこを通して枝豆に送り込む。
    ※枝豆と根粒菌は、互いに助け合いながら育つ、『共生(共存)』の関係性である。

<枝豆の肥料の量>

肥料をやりすぎると、そのほとんどが茎や葉にいってしまい、開花の遅れや、実るサヤの数が少なく、不揃いの粒ができるなどの影響が出てしまう。
※肥料を最小限にすることで、枝豆は身の危険を感じ、種である豆を多く実らせることで栄養を溜め込む。

収穫~出荷作業

<収穫>

  • 種まきから約70~90日ほどで収穫ができる。
  • サヤが膨らみ、一番下の葉が黄色くなったら、収穫の目安である。
  • 根元から株ごと引き抜く。

<出荷まで>

  1. 葉っぱを取る。
    ※機械で一気に取るやり方もあるが、キズ付きのものを減らすために、近藤さんは全て手作業。
  2. 枝付きのまま水洗い。
  3. 出荷用の袋に、約330グラム、枝付きのまま詰める。
    ※枝豆は、収穫後も呼吸が活発で、糖分を消費しやすく、甘みが落ちやすいため、枝付きで出荷することで、枝の養分を枝豆に送り込み、甘みを持続させている。

<購入先>

野田市内のスーパー、直売所、都内百貨店など。

調理

定番!塩茹で

  1. 生の枝豆み塩を揉みこみ、うぶ毛をとる。
  2. 沸騰したお湯に入れ約3分で完成。
    ※枝豆そのものの味を味わうため、塩はふらない。

ホイル焼き

  1. 生の枝豆に、塩を適量ふり、アルミホイルを2重にして包む。
  2. 七輪にのせて、約15分で出来上がり。
    ※オーブンで約15分、フライパンで約10分でも可能。

枝豆たっぷり!和風ハンバーグ

  1. 合挽き肉・卵・炒めた玉ねぎ・牛乳・パン粉・塩コショウ・ナツメグを混ぜる。
  2. 塩茹でした枝豆を、半分は粒のまま、もう半分は細かく刻む。
  3. (2)を(1)に入れ、よく混ぜる。
  4. (3)のタネを、空気を抜きながら小判型に整える。
  5. 油を敷いたフライパンに(4)を入れ、強火で焦げ目をつける→弱火で中まで火を通す(蓋をして約3分)。
  6. トッピングで、大葉と大根おろし、最後に醤油をかけて完成。

枝豆ペペロン

  1. 塩茹でした枝豆の端を、ハサミで切り落とす。
  2. 多めのオリーブオイルで、スライスしたニンニク、唐辛子を炒める。
  3. (1)を(2)に入れ、ブラックペッパーと塩を加え、よく炒める。

枝豆のかき揚げ

  1. 塩茹で枝豆を、一粒ずつサヤから出す。
  2. (1)と小エビ・玉ねぎを混ぜ、小麦粉と水で溶いた衣で和える。
  3. 170度の油に、(2)を食べやすい大きさにして入れて約3分。
  4. お好みで塩をかけて完成。

枝豆ごはん

  1. 一粒ずつサヤから出した塩茹での枝豆を用意。
  2. 研いだ米に、酒・塩・昆布・水を入れ、(1)を入れる。
  3. 炊飯器で約50分で炊き上がり。