出張DASH村

神奈川県川崎市

  • 神奈川県の北東部、多摩川を挟んだ東京の隣に位置する細長い地形の市。
  • 京浜工業地帯に含まれ、数多くの工場や研究所を有し、産業経済を支えてきた都市の一つ。
    工場夜景の観光ツアーなども行われている。
    (川崎市公式ウェブサイト、川崎市観光協会HPより)

お世話になった方

小山仁美さん

元々は建設業に従事しており、会社で購入した土地から防空壕を発見した。
子ども達に戦争や防空壕のことを伝えていくために、埋め戻さず補強をして残すことにし、何か有効活用できないかと試行錯誤した結果、キクラゲ栽培に辿り着いた。
それまで農業経験は全く無かったが、福島DASH村の企画で同じく農業未経験だったTOKIOの頑張っている姿に後押しされ、キクラゲ栽培を始めることに。

キクラゲ

名前に『クラゲ』と付くが、木に生えるきのこの一種で、『クラゲ』と食感が似ていることから、『キクラゲ』と名付けられたとされている。
また、漢字で『木耳』と書くのは見た目が耳に似ていることが由来とされ、中国からその書き方が伝わったとされている。

  • キノコの中でも栄養を多く含み、特にビタミンDは食品類の中でトップ!
    また牛乳とほぼ同じ量(4/5)のカルシウムを含み、牛レバーの約2.5倍もの鉄分を含む。
    (文部科学省食品成分データベースより)
  • 流通している多くは中国産の乾燥キクラゲだが、近年では生キクラゲの国内生産量が増加してきている。
    (農林水産省特用林産物生産統計調査より)

福島DASH村時代、TOKIOは手作りきのこ小屋で、椎茸、舞茸、なめこ、えのき茸、マッシュルームの栽培をしていたが、キクラゲの栽培はしていなかった。

防空壕きくらげ

女子児童のために掘られた防空壕
キクラゲが栽培されている防空壕は、小山さんが会社で購入した土地から発見された。
何故こんな場所にあったのか?と気になり、調べたところ、太平洋戦争時、近くの常念寺というお寺に学童疎開に来ていた女子児童39名のために、空襲があった際の避難場所として日本軍が掘ったものだった。

キクラゲにとって最高の環境
防空壕の中は、周りが土に覆われ太陽の熱が遮断されているため、35℃を超えるような猛暑日でも23~25℃、湿度も90%ほどを保っている。
これはキクラゲが成長するのに適した環境のため、急激に成長することなく、水分を蓄えながらゆっくりと育つことで、大きく肉厚に育つ!



初心者向けのキクラゲ
キクラゲ栽培は場所と環境さえ整っていれば、比較的簡単で初心者向けの作物。
収穫までにかかる作業は菌床に切れ目を入れることのみ。
同じ菌床からは3か月キクラゲを収穫することができ、その回数は椎茸の約2倍。
(※小山さんの場合)

防空壕の環境を再現した『ボックスカルバート』
防空壕の中と同じように、キクラゲに適した環境を再現した特殊なハウス。
小山さんたちが建設業のノウハウを生かし、考案。
道路の立体交差部分などに使われる、大きなコの字型のコンクリート『ボックスカルバート』を使用し、温度や水やりの回数など1度設定したら全自動で行われるシステムになっている。
コンクリート製なので雨風に強く、50年はもつ耐久性がある。
システム一式、税抜き1980万円で販売中。

調理

生キクラゲの下処理

  1. 石づきの部分を切り落とす。
  2. 30秒ほど茹でて火を通す。
  3. 水気を拭き、保存袋に入れて冷凍庫で保存すれば生の食感のまま冷凍できる。
    生のままだと約1週間、冷凍だと約1か月もつ。

キクラゲメンチカツ

  1. キクラゲを細切りにし、玉ねぎはみじん切りにする。
  2. 豚小間切れ肉と牛切り落とし肉を合わせて包丁で叩き、粗挽きの合挽き肉にする。
  3. 合挽き肉にキクラゲと玉ねぎを加え、ウスターソース、ケチャップ、塩コショウで味付けし、卵とパン粉を加えてよくこねる。
  4. (3)を小判形に整え、小麦粉、卵、パン粉で衣を付ける。
  5. 170℃の油で4分揚げたら一度ひっくり返し、さらに4分揚げる。
  6. 仕上げに中濃ソース、ケチャップ、醤油の合わせソースをかけて完成。

キクラゲシュウマイ

  1. キクラゲを1cm角ほどの粗みじんに切り、玉ねぎはみじん切りにする。
  2. 水分を逃がさないように(1)に片栗粉をまぶす。
  3. 豚ひき肉にオイスターソース、醤油、酒、砂糖、塩、コショウ、おろし生姜、ごま油を加え、よく混ぜ合わせたら(2)を加えて混ぜる。
  4. 出来上がったタネをシュウマイの皮で包み、8分蒸す。
  5. 蒸しあがったら酢醤油を添えて完成。

キクラゲ豚キムチ

  1. 防空壕キクラゲキムチのキクラゲを食べやすい大きさに切る。
  2. 豚バラ肉を5cm幅に切り、塩コショウで下味を付ける。
  3. フライパンにごま油を熱し、溶き卵を流し入れ、ふんわりと火が通ったら一度取り出す。
  4. 同じフライパンで豚バラ肉を両面焼き、火が通ったらキムチを加えて炒める。
  5. 香り付けに醤油を加え、(3)の卵を戻し入れて炒めたら完成。
    ※防空壕キクラゲキムチは川崎のキムチ専門店『おつけもの慶』とのコラボ商品。

キクラゲクリームパスタ

  1. キクラゲを食べやすい大きさに、玉ねぎは薄切り、ベーコンを5mmの厚さに切る。
  2. フライパンにオリーブオイルを熱してスライスしたニンニクを炒め、香りが出てきたら中火でベーコン、玉ねぎ、キクラゲを炒める。
  3. 生クリームと牛乳、コンソメを加えたら茹でたパスタを絡め、塩で味を整えたら完成。