DASH村 ~新男米~

2001年 ~米作りスタート~

福島DASH村で、米作りを始める。

<男米>

2002年から育てている品種。「ひとめぼれ」と「タカネミノリ」の交雑種。いもち病に弱い。

<新男米>

毎年、いもち病に悩まされていた「男米」といもち病に強い「ふくみらい」を交配し、病気に強いオリジナルの品種「新男米」が誕生した。

<ふくおとこ>

さらなる美味しさを目指して、2016年から品種改良に挑戦。
掛け合わせたのは、明雄さん自らが作っていた「チヨニシキ」。

<メッシ>

2023年の塩水選で通常よりも濃い濃度で行い、より中身の詰まった良い種を選出した岸の特別米。

<ヒメノモチ>

震災後、もち米は栽培していなかったが、米作り節目の年のお祝いとして、今年新たに挑戦。

2025年の米作り

大玉村での3年目となる米作り。
米作り25年目の節目となる今年は、最高ランク“一等米"を目指して、様々なチャレンジを行っている。

土壌分析

Sagriというアプリを用いて、宇宙から土壌を解析。
大玉村の棚田に必要な土壌の成分を人工衛星とAIを用いて分析した。

プール育苗

石川県の米農家佐藤茉子さんに教わった、育苗の段階から水に入れて育てることで、①病気にならない、②根張りが良くなる、③水管理が楽と良いことづくめ!
棟梁・シンタローがアップデートした苗小屋“DASHドーム"の中に設置した。

鶏糞堆肥&陳皮堆肥

より栄養が入るように、即効性があると言われる鶏糞堆肥を今年は取り入れた。
さらに、みかんの皮を干した陳皮にはビタミンが多く含まれ、病気や暑さに負けない強い稲が育つとされているため、陳皮も混ぜたスペシャル堆肥を田んぼに撒いた。

そして5月上旬、25年目の田植えを迎えた。

令和式アイガモ農法

長野県塩尻市にある株式会社ハタケホットケの社長・日吉さんと発明家・ホフマンさんからお借りしたミズニゴールで除草作業を行なった。

動物対策

出穂の時期を迎え、心配になるスズメやイノシシの被害。
そこで、田んぼに城島特製カカシ、さらに田んぼの周りをイノシシが嫌いであると言われる
湯花の匂いのするてるてる坊主に見立てた『てるてるクラゲ』と苦手とされる青色の短冊等をぶら下げて対策を行った。

9月上旬、新男米よりも早く出穂した、もち米の稲刈りを行った。
さらに米作り25年目を迎えた今年はより美味しく新米を味わうべく、藤原が一人でこっそりとかまど作りを進めている。

田んぼ

稲刈り

【稲の成長】
今年一年間さまざまな対策を施し、迎えた稲刈り当日。
頭が垂れている稲は一見順調に成長していたと思われていたが、暑さ等の影響で分けつにムラが感じられた。
しかし粒を見てみると、パンパンに実が入っている。
福島DASH村でお世話になった仲間とともに、25年目の稲刈りを行った。
さらに、前回もち米の稲刈りの際に成熟不足で残していた水口部分も、しっかりと熟し全て収穫することができた。

【乾燥】
乾燥をしないと、水分が十分に抜けないため、美味しいお米にならず、さらにカビが発生してしまう原因にもなりかねない。
天日で干すことで旨みが凝縮するため、例年にならい、天日干しを行った。

【かまど作り】
藤原はDASHドームを作ったシンタローへの対抗心で、新米を囲む食卓で使う『かまど』作りに挑戦。
専次郎さん達に助言をいただきながら作った、カメの形をした『かめど』は、2週間を経て、若干のヒビはあるものの、順調に乾燥していた。
24年前に福島DASH村で作った経験のある松岡から助言をもらいつつ、木を焚べるための釜口を開け、さらに高さを足すため土を盛って完成を目指した。

【脱穀】
脱穀に使うのは、福島DASH村でも使っていた足踏み脱穀機。
足でペダルをこぎ、爪の付いた筒を回転させることで、米の粒だけを外す。

【籾摺り】
籾の殻を外して、玄米にしていく作業。
今年の玄米は、暑さによる乳白米も少なく、さらに虫による被害も少なかった。

【精米】
玄米を磨き、糠(ぬか)や胚芽をとる事で白米になる。
新男米を厳選しより良い粒で育てたメッシだと、明らかにメッシの方がぷっくりとしていた。

【羽釜炊き】
今年は藤原が作ったかまど『かめど』で、新男米を炊く。
火入れしてみても煙突もしっかりと機能し、藤原の『かめど』はうまく作れていた。
研いだ新男米を入れた羽釜を『かめど』に設置し、新米を炊く。
最初はムラをなくすために強火で一気に炊き上げる。
羽釜から泡が出てきたら、火を止めて20分ほど蒸らす。

できた今年の新米は、
〈新男米〉甘くて飽きない味
〈メッシ〉香りが強く、粒が大きい

【料理】

油揚げ

城島と藤原が朝早くに水抜きをしていた豆腐を最初は低温で、その後高温でカラッと揚げた油揚げを手作りした。

豚汁

毎年恒例の松岡の豚汁。
隠し味に、オイスターソース・醤油・コチュジャンを入れるのが松岡特製の豚汁レシピ。

〈材料〉
エゴマ豚バラ肉・ニンジン・ゴボウ・大根・白菜・里芋・ショウガ・ニンニク・ネギ・こんにゃく・手作り油揚げ・出汁・オイスターソース・コチュジャン・お味噌・醤油

ナスの肉巻き

畑で採れた茄子を使って、ナスの肉巻きを。
シンタローが目指すのは、『自称!世界一長い肉巻き!』
お肉は地元産のエゴマ豚を使用し、ナスを継ぎ足して142cmの肉巻きに。
味付けは、シンタローがこの夏知り合った浪江町のニンニク農家吉田さんのサムライガーリックを使用した照り焼き風のタレで!

〈材料〉
エゴマ豚バラ肉・ナス・サムライガーリック・醤油・酒・みりん

ピリ辛のキツネ煮

豚汁の残りの手作り油揚げを使用した松岡特製の油揚げレシピ。
食べやすい大きさに切った油揚げをフライパンで焼き、調味料を加え、畑で収穫したハバネロとお砂糖、オイスターソースで味を整え完成。

〈材料〉
手作り油揚げ・ハバネロ・醤油・みりん・酒・砂糖・オイスターソース

孝子さんのお新香

孝子さんが手作りしている梅干し、きゅうり漬け、カブのお漬物、カブの葉っぱのお漬物、たくあん、にんじんと白菜のお漬物。
福島DASH村の時から食べている城島、松岡思い出の味。

福島県大玉村

  • 福島県安達郡大玉村は東北新幹線郡山駅から北へ30分。
    日本百名山の安達太良山を望む場所に位置する。
  • 米作りは大玉村の一大産業であるが、40年前に比べて田んぼの面積は半分に。
    現在東京ドーム21個分の面積が荒地になってしまっている。
  • 平地と山間部にも田んぼがあり、山間部では棚田が広がっている。

お世話になった方

古川沙織さん

大玉村の米農家さん。
大玉村開拓の際からお米作りのアドバイスをいただいている。

2023年の米作り

日本百名山 安達太良山の裾野に位置する大玉村で米作り。
30年以上作付けが行われていなかった、草木が生い茂る7段の元棚田を地元の皆さんの手助けを受け、4枚の田んぼに復活させた。
棚田ならではの問題や、虫の被害、猛暑による収穫時期の早まりなど様々な問題があったが、9月中旬に稲刈り、9月末に待望の収穫祭を行うことができた。

棚田

機械が入りにくく管理が難しい。
しかし、斜面のおかげで風通しが良い・日光が当たりやすい・寒暖差が大きいというメリットがあり美味しいお米を作るにはもってこいの場所。

2024年の米作り

大玉村で2年目の米作り。
昨年、手をつけられず畑にしていた5枚目の畑を、今年は田んぼに復活させた。
3月下旬、5枚目の田んぼの真ん中に聳え立つ高さ5m・直径最大25cmの桑の木をもう一段下に移植させ田んぼ作りスタート。
葛尾村でお世話になった畜産農家『牛屋』の吉田さんに牛糞堆肥をいただき、撒いて耕運。
5月中旬、5年ぶりに福島で育てた苗で、DASH村の仲間とともに田植えを行った。
初夏には、今年田んぼにした5枚目の水抜け対策・雑草対策を行い、イナゴ対策も行なう。
問題を乗り越え、9月中旬に稲刈り、10月初旬に収穫祭を行った。