NNNドキュメント‘12「魂が眠っている 遺された赤紙」が、脚本家の橋田壽賀子さんが理事を務める橋田文化財団主催・第21回橋田賞の「橋田賞」を受賞しました。
[受賞理由]
戦争体験の真実を後世に伝え、悲惨な戦争はやってはいけないということを、折りに触れて若い世代に語り続けていくことの大切さを訴える有意義な番組を制作されました。
[番組内容]
長野県大町市の民家の土蔵から、戦時中の召集令状「赤紙」の受領証をはじめとする大量の「兵事書類」が見つかった。保管していたのは故・大日向正門さん。戦時中、社村(やしろむら・現大町市)の職員として、村民に「赤紙」を手渡す兵事係を務めていた。兵事係は、徴兵の人選にも関わり、戦死の報せをも運んだといわれる。終戦によって大本営は、全国に兵事書類の焼却処分を命じたが、土蔵に留め置かれた書類は、大日向さんがこの命令に従わなかったことを示すのか。家族にも「触るな。魂が眠っている」とだけ話し、中身を秘密にしていたという。1941年12月8日の太平洋戦争開戦時、若干26歳。村民を戦場へ送り出し、死の報せを届けた大日向青年が、書類を隠した思いはどこにあったのか…。
ナレーター:苅谷俊介 2012/12/9放送 制作 :テレビ信州