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<武田修宏 南米リベルタドーレス杯 取材リポート>
2005.07.17
1999年、ポンチブレッタの練習に、たった独りで参加して以来のブラジル訪問。 6年ぶりのブラジルでは、「南米王者クラブの凄さ」「どうしてブラジルはサッカーが強いのか?」この疑問をテーマに、自分のブラジルでの経験を思い出しながら、リベルタドーレス杯決勝出場のアトレチコ・パラナエンセ、サンパウロFCの両チーム、そしてリベルタドーレス杯決勝取材を行いました。 リベルタドーレス杯決勝の結果は、ご存知のように2試合合計5対1でサンパウロFCの圧勝!12年ぶり3度目の王座に輝きましたが、そのサンパウロFCに取材に行きました。 サンパウロFCの練習場は、読売クラブ時代、シーズン前のトレーニングに度々来ていたパルメイラスの練習場が真横に接し、コリンチャンスの練習場が道路反対側に構える“フッチバル銀座”に位置します。サンパウロFCの練習場に居ても、隣のパルメイラスの練習の声が聞こえてくるので、自ずと練習にも気合が入ります。練習場には良い環境かもしれませんね。
私が注目したサンパウロFCの主力選手は、“ミスターサンパウロ”ことロジェリオ・セーニ選手(GK)と“元ヴェルディ川崎”のアモローゾ選手(FW)。セーニ選手は、海外の色々なクラブの誘いを断って、サンパウロFCに入団以来16年間在籍しているクラブの中心選手。もちろんキャプテンです。 性格も非常に穏やかで冷静沈着。チームの精神的支柱になっていますが、「地球一凄い技」も持っています。 その技は「フリーキック」。リベルタドーレス杯でもフリーキックとPKで5得点挙げ、チームの大会得点王でもあるんです。フリーキックの練習を週に2回50本こなし、コントロールの良さとボールのキレはベッカム以上かも…。フリーキックが世界で一番上手いゴールキーパーは間違いなくセーニです。そのセーニのFKが日本で見られるかもしれないのでお楽しみに!セーニは私のインタビューでも「リベルタドーレス杯に勝つ事は日本に行けるという事。チームにとっても選手個人にとってもビッグチャンス。絶対に勝つ!」と言っていましたから、FIFAトヨタカップへの意気込みも十分です。
もう一人の注目選手アモローゾ選手は、1993年にヴェルディ川崎に所属していた選手です。憶えていない方もいるかと思いますが、当時19才だったアモローゾ選手は、外国人枠の関係でサテライトに所属。残念ながらJリーグには出場していません。でも私は一緒に練習したり、食事をご馳走したりしたので良く憶えていますね。そのアモローゾ選手と12年ぶりに再会しましたが、アモローゾ選手の最初の一言が「お元気ですか?」ですからね。彼も私の事を良く憶えていました。ドリブルとテクニックとタイミングの取り方が素晴らしく、意表をつくシュートを武器にブラジル、イタリア、ドイツの世界一流のリーグ3カ国で得点王になっているのですから、“世界のスーパースター”と言っても言い過ぎではないですよね! 「ヴェルディに居た頃は幼かったから、12月は、日本のファンの前で成長した姿を見せたい!」とアモローゾもやる気満々。リベルタドーレス杯決勝を一緒に観戦したドゥンガも「アモローゾのテクニックは凄い!」って驚いていましたから、アモローゾのプレーは必見ですよ! 他の注目選手は、1999年、ポンチブレッタで一緒にプレーしたミネイロ選手。この選手の豊富な運動量と堅実なプレーは素晴らしいの一言。攻守の要だし、リベルタドーレス杯の陰のMVPではないでしょうか。また、コンフェデ杯でも活躍したカフーの後継者シシーニョ選手も、来年のワールドカップでは右サイドで大暴れしているかもしれないスピードとテクニックに優れた選手。とにかくブラジル代表経験選手をずらっと揃えるサンパウロFCは、12月のFIFAトヨタカップでも優勝候補ナンバーワンかもしれませんね。
「ブラジルの強さ」は「個人技世界一」「歴史と伝統」の2つのキーワードで表現出来ると思います。今回の取材でもスラムのストリートでサッカーを楽しんでいる少年達を見かけましたが、小さい頃から遊びの中で「止める!蹴る!ドリブルする!」を会得しているんですよね。デコボコの道で、時には坂で、しかも裸足同然で、サッカーを楽しむ。最低限の条件でサッカーを覚えるから、個人技が秀でてくるんでしょう。ドゥンガも言っっていましたが「ハングリー」な気持ちと「サッカーしかない」という気持ちが、子供たちのサッカーを上達させ、プロリーグを盛り上げ、代表を強くしているのではないでしょうか。
またブラジルでは、子供が生まれる前から、ベビーベッドの横にサッカーのユニフォームが飾られると言われます。これは、ブラジルがワールドカップで5回優勝しているというブラジル人の歴史と伝統があるからです。「負ける」事を許さないブラジル人の性格もあり、ブラジル代表は勝ち続けなければ許さないというユニフォームに対する誇りが歴史と伝統を築いてきたのです。もちろん、そう簡単に「ブラジルの強さ」を理解出来るわけではありません。だからこそ、12月に日本で行われる「FIFAクラブワールドチャンピオンシップ トヨタカップ」で、南米王者のブラジル名門サンパウロFCの真剣プレーを生で見られる機会というのは、サッカー解説者としても本当に楽しみです。皆さんも、サンパウロFCにぜひ、ご注目を!
----- 武田 修宏 -----
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