奇跡の実話

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シングルマザー、漁師に出会う

始まりは2009年12月。本作のヒロインのモデルとなった坪内知佳は、当時23歳。2歳の息子を育てるシングルマザーだった。 大学中退後、山口県萩市に移り住み、翻訳の仕事や旅館の仲居業を務めながら、何とか生計を立てていた。そんなある日、1人の漁師との出会いを機に、全く知見のなかった“漁業の世界”に飛び込むことに!

素人ゆえの大胆な発想

「アジとサバの違いも分からない」素人が飛び込んだ“漁業”の世界!しかし、素人ゆえの大胆な発想で「既成概念」を打ち崩していく。 坪内が発案したのは、漁師たちが獲った魚を、市場を通さず、直接料理店などに販売するシステム。これは、生産者自らが「生産・加工・販売」を一貫して行う「漁業6次産業化」として、国に認定される。

60人の漁師たちのボスになるが...

やがて彼女は、60人もの漁師たちを束ねて「萩大島船団丸」を設立し、代表に就任。朝採れした水産物を箱詰めして、都会の消費地へ直送する鮮魚ボックス事業をスタートするも、当初はなかなかうまくいかず...。販路拡大のため、全国各地の飲食店を渡り歩き、連日飛び込み営業に奔走する坪内。一方、「魚を獲ること」しかしてこなかった漁師たちは、慣れない出荷作業や事務仕事に悪戦苦闘。ストレスから、「こんなこと、やってられるか!」と坪内と取っ組み合いの喧嘩になることも...! こうして、数々のトラブルやぶつかり合いを乗り越えながら、2014年、株式会社として法人化。

坪内と漁師たちの奮闘記は、「news zero」や「news every.」をはじめとする数多くのメディアでも取り上げられ、大きな話題となっている。

坪内知佳

坪内知佳 プロフィール

1986年福井県生まれ。株式会社GHIBLI(ギブリ)代表取締役。
2011年に「萩大島船団丸」を発足。同年、鮮魚ボックス事業を開始。2014年に株式会社GHIBLIとして法人化。同年、「日経WOMAN」が選ぶ「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2014」キャリアクリエイト部門を受賞。

原作紹介

書影

ファーストペンギン
シングルマザーと漁師たちが挑んだ
船団丸の奇跡

  • 坪内知佳 著
  • 講談社
  • 発売:2022年10月6日