2012年2月21日放送

浦安で、昔からの佃煮の味を守る人がいます。
佃煮職人 大塚宏一(おおつかこういち)さん
白くたちこめる湯気の中、大塚さんが作るのは、新鮮な海の幸を使った人気の佃煮。
味の決め手は、この醤油ダレ。親子3代にわたり、注ぎ足してきた伝統のタレ。
さらに、釜を直火炊きすることで、深みのある味に仕上げています。

「目を離さないようにしてどれだけ佃煮に火を均一に通せるかですね」

先代は、先行きに不安を覚え、佃煮作りをやめようと考えたこともありました。
しかし、幼い頃からずっと見てきた佃煮作り。
この味を残していきたいと願い、心に秘めている言葉。それは…

「『知って行わざれば、知らずに同じ』という言葉ですね。」

「知って行わざれば 知らざると同じ」

貝原益軒(出典:慎思録)

『知って行わざれば 知らざると同じ』これは、「いくら頭で知っていても、
実際に行わなければ、知らないと同じ」という
貝原益軒(かいばらえきけん)の言葉。
70年の伝統の味と製法を受け継いだ大塚さん。

「知識にしてるだけでは駄目だと。自分で動いて、自分で感じ取る。」

職人の技と勘が頼りの佃煮作り。三代目として、浦安の佃煮を守り続けます。