2012年3月20日放送

子供達の門出を飾る、ランドセルを作る職人がいます。
ランドセル職人、鈴木新一(すずき しんいち)さん。
自宅の仕事場で、ランドセルを一つ一つ手作りする鈴木さん。
15歳から修業を始め、それから57年間、この道一筋。
鈴木さんは丈夫さ、使いやすさを常に追求してきました。

「6年間使うもので、心をこめて、丁寧に作っております。
微妙に調整をしながら貼り合わせていくのが難しいところです。」

本革のランドセルは、高級感と味わいの深さから、祖父母から孫へのプレゼントとして、
根強い人気を保っています。
鈴木さんは、70歳を超えた今でも、一日12時間、4個から5個というペースで
作り続けています。そんな鈴木さんが大切にしている言葉、それは、

「『一所懸命』という言葉が好きです」

「一所懸命」

(「太平記」など)

武士が命懸けで自分の領地を守ったことから生まれた、
「一つのことに集中して努力する」という意味の言葉。

「職人は、満足したらおしまいなんで。
これからまだまだ一所懸命作り続けていきたいと思います。」

もうすぐ、新入学の季節。一年生の笑顔を思い浮かべながら、今日もミシンを回します。