2012年11月20日放送

ゆったりと流れる川面に、時代の移り変わり見続ける…
渡し船・船頭 杉浦勉(すぎうらつとむ)さん。

「ずっと艪でね、この川を行ったり来たりしてるんですよ。
やってることは昔とかわらないんですけどね。」

江戸川の岸から岸へ…。
必死で守り続けてきた父親の後ろ姿を見て、杉浦さんは決心したのです。

「父親が3代目ですからね。もうずっと何代もこの場所を守ってきた
ってことですね。私が守る番かなって思って。」

江戸時代の初めから続く「矢切の渡し」
数多くの希望にあふれた門出も見届けてきました…

「お客さんが「映画“寅さん”で見たところはここだ」とか言われると
ずっと続けられたらいいなと思います。」

時は流れても、毎日訪れる様々な出会い…
そんな杉浦さんが心に思う言葉、それは…

「まことに、人間の遭遇ほど味なものはない」

杉浦さんにとって、毎日が新鮮なのです。

「お客さんが『どうもありがとう』って言って、『さよなら』って言って
ニコニコしながら帰るのは良いと思いますね。」

対岸までのささやかな出会い…
「矢切の渡し」は、人々の笑顔を運び続けます。